今回は斎藤さんとの番外編です。リタさんと柊君が縁日を楽しんでいたあの日、斎藤さんが何をしていたかが分かる回となっています。
前回同様、キャラの説明を軽く書いておきますので参考までに。
それでは物語をお楽しみください。
番外編 休日の理容室
~これは、リタさんと柊君が縁日を楽しんでいる頃のお話~
斎藤)はぁ…今頃リタさんと柊さんは縁日に行って楽しんでるんだろうなぁ…
私はbarberJの前で小さくため息をついていました。
斎藤)私も早いうちにここで散髪してもらって、今日は思いっきり縁日を楽しむ予定だったのに…何で他の日に休暇が取れないんだろう。
私が愚痴をぶつぶつと呟いていると、店内からその様子を見ていたJさんが出てきました。
J)どうした?そこで立ち尽くして…
斎藤)あ、すみません。予約していたのに待たせてしまって…
J)それは別に構わないんだけどさ。何か悩みでもあるのかな?と思ってさ。
斎藤)いや…別に悩みって程の事でもないので気にしないでください。
J)そうか?なら良いんだけど…
斎藤)それじゃあよろしくお願いします。
J)よーし、迅速丁寧にやらせてもらうよ。
いつも通り、Jさんが手際よく作業を始めました。
J)すっかり季節も秋になってきたね。私はどうも日本の夏が苦手でね。
斎藤)イギリスってそれほど暑くないんですよね。
J)リバプールは夏になっても、少なくとも夏日にはならないからね。
斎藤)なるほど…
J)だから秋になるとちょっとほっとするのさ。
斎藤)Jさんにとって秋と言えばどんなものを思い浮かべますか?
J)そうだな…やっぱりハロウィンかな?
斎藤)ハロウィンは確かケルト民族が発祥でしたよね。
J)そう。ケルトの人たちの伝統が今や世界中でこんなに親しまれているって凄いよな。
斎藤)日本も最近ハロウィンの文化がかなり広まってきていますけど、あれはどうなんですかね?
J)日本のハロウィンか。あれは駄目だな。
斎藤)…やっぱりだめですか。
J)まるでなって無い。
斎藤)完全否定ですね。
J)当たり前だろ!ハロウィンはな、楽しむためにあるんだ。人様に迷惑を掛けるためのイベントじゃあないんだ。それにあくまでもハロウィンの主役は子供であって、大人がしゃしゃり出る必要なんか無い!
斎藤)Jさん…一回落ち着いてください。怒りながら作業されたらこっちの髪型が大変なことになりそうなので…
J)あ…済まん。つい感情的になってしまったな。この話はまた後にしよう。
斎藤)さっきの続きなんですけど、Jさんはイギリスにいるときにハロウィンに参加していたと思うんですけど、どんな仮装をしていたんですか?
J)仮装か…私は魔女一択だったな。
斎藤)魔女ですか。
J)それしか仮装の衣装が無かったんだ。毎年同じ衣装でハロウィンのお菓子を貰いに行ってたよ。
斎藤)そうなんですね…
J)…ん?どうした?そんなに私の仮装が意外だったか?
斎藤)いえ…気にしないでください。
J)よし。こんな感じでどうだ?
斎藤)Jさんは毎回全然時間がかからないのに本当にクオリティ高いですよね。
J)そりゃあ、イギリス仕込みの理容師テクニックのたまものよ。
斎藤)毎度ありがとうございます。次来た時もお願いしますね。
J)あぁ。
J)さて…今日の予約も全部終わったし、この時間だと飛び込みのお客さんもいないだろう。もう片付けてゆっくりしますかね…
そう思い立ち、店じまいの準備を始めようとした矢先に携帯の着信音が鳴り始めた。
J)…またか。
ちょっと躊躇いながら電話に出た。
J)Hello.
???)I'm sorry I called again even though I called before.
J)I don't mind… what's wrong?
???)You really don't want to come back, right?
J)Didn't you say that last time? I will continue to do my best in Japan.
???)Why don't you want to go back?
J) I'm afraid to go back there. The trauma is about to come back.
???)I see… Then, it seems useless to say any more from me. Good luck, Jacqueline.
J)Thank you.
J)ハロウィンか…あの時以来だな…
私はゆっくりと理容椅子に腰かけて、ゆっくりと目を閉じた。
続く
キャラクター紹介のコーナー
斎藤敏恵(さいとうとしえ)
赤田梨華も認める「赤田神社の歩く辞書」。
抜群の知識量を誇り、多くの神職から絶大な信頼を得ている。
その知識量を買われて現在は音子猫神社に出向している。
交友関係がとても狭いのが最近の悩みで、顔が広い梨華に相談しているらしい。