#16 ステージに咲く一輪の花
夏の気配を残しながら、名残惜しそうに去っていく9月のある日…
ツブヤイターのDMにメッセージが届いていました。
「こんばんわ。日に日に暑さが和らいでいよいよ秋って感じがしていましたね。九度申し訳ないのですが、明日はご予定ございませんか?」
「そうですね…明日はとりあえず斎藤さん以外全員来てくれるので大丈夫です。」
「そうですか。それでは明日、あなたに会わせてあげたい人がいるので…また朝にお迎えに上がりますね。」
「分かりました。」
そして次の日…
梨華)おはようございます。それでは行きましょうか。
リタ)はい。梅岡さん、後はおねがいしますね。
梅岡)はいはい。帰ってから土産話でも聞かせてくださいな。
音子猫神社から梨華さんの車で数十分。
車は都市部の閑静な住宅街にやってきていました。
リタ)ここにその方はいらっしゃるんですか?
梨華)そうね。このあたりの人は大体知ってると思うわ。
リタ)と言う事は…結構な有名人だったりして?
梨華)そうね。有名人であることには間違いないわね。
リタ)どんな人なんだろう…
梨華)着いたわ。ここよ。
車を降りて外に出ると…そこには立派な一軒家がありました。
リタ)このあたりって結構お金持ちの人が多いイメージなんですけど…
梨華)確かにここら辺はセレブな人が多いわね。
リタ)こんな場所に住める人と知り合いって…梨華さんどれだけ顔が広いんですか。
梨華)顔が広いと言うよりは、大学の後輩がここまでの有名人になったと言うべきなのよね。私も流石にここまでの人物になるとは全く予想してなかったわよ。
リタ)そうなんですか…ますますどんな人か気になりますね。
入り口である門のすぐ近くには「向日」と書かれた表札が掲げられていました。
リタ)向日…聞いたことない名字ですね。
梨華)でもその顔は絶対に見たことがある筈よ。
リタ)本当ですかね?
梨華)私が嘘を言ってるように見える?
梨華さんは試すように私にそう言いかけると、門のすぐ近くにあった呼び鈴を押しました。
「ピンポーン」と音が鳴ってからしばらくすると、インターホン越しに声が聞こえてきました。
???)どちら様でしょうか?
梨華)私よ。
???)あ、先輩!お待ちしてました。中にどうぞ。
通話が切れた後、すぐに門が開きました。
梨華)さぁさぁ、中に入りましょ。
リタ)はい…
どんな人が中にいるのか…緊張と期待でワクワクしながら中に入りました。
中は外の豪華さをあまり感じさせない空間が広がっていました。
リタ)…これ本当にさっきの外観の家ですか?
梨華)私も最初はそう思ったわ。内装がそれほど凝ってないのよね…
二人でボソボソと呟いていると、奥の方から家の主がやってきました。
???)先輩、大丈夫ですか?
続く