私はただ昼飯を買いにコンビニに来ただけなんだ。
野菜サラダと、二個のおにぎり。あとは500mlの野菜ジュースとサラダチキン。
一応体を動かしたりもしてるし、ジャンクフードばかり食うわけにもいかないしな。
さて、帰って飯でも食って配信の準備でもするかね…
そう思って帰ろうとしてたんだ。
遠くから、「待てコラ泥棒!逃げんな!」って声が聞こえてきたんだ。
なーんか嫌な予感がしたんだよね。
でも帰る方向は声が聞こえてきた方だし…
何も起こりませんように…と祈りながら私は帰ろうとしたんだ。
そして、声の聞こえた辺りを通ったんだ。
…思った通りだった。
葵が男を追いかけてた。どうやら一悶着あったらしい。
葵)エネさん!こいつ捕まえてください!
やれやれ…しゃーない。
後輩が困ってるんだ。助けない訳にはいかんわな。
葵)ハァ…ハァ…
葵は長いこと追いかけていたようで、完全に息が上がってしまっていた。
???)しゃーねぇーな。かかってこいやクソ男がぁ…
葵)お願いします!!
男は「どけっ!!」と私に怒鳴ってきた。
???)どけるかよぉ…お前、何して葵に追いかけられてるんだぁ?
男は私の質問に答えず、「どけっつってんだろ!!」とさらに怒鳴ってきた。
???)だからさぁ…どかねぇっつってんだろ!てめぇが何したか知らねぇけど、どう考えてもどいて結果が良くなる訳ねぇんだっての。
男は「くそっ…」と呟きながら、ズボンのポケットの中にしまっていた小さなナイフを取り出してさらに怒鳴り散らした。
「どかないとぶっ殺すぞ!!」
???)おいおい…物騒だな。
私は目の前に迫って来る男に対し、構えて相手が来るのを待った。
手に持っていたナイフで私の胸元を狙って…いたけど、流石に隙がありすぎる。
私は突き出してきた手を掴み、がら空きの腹部に膝蹴りをかました。
???)女だからって、弱いとでも思ったのか?えぇ?
私は腕を掴んだまま、思い切り一本背負いをかけた。
男は成す術なく地面に叩きつけられた。
叩きつけられた痛みで完全に動けなくなっていた。
葵)ありがとうございます…
葵が追い付いた。
???)何の為に追いかけていたんだ?
葵)この人、リタさんの財布を盗んで逃げていたんです。
???)そうか。
倒れている男のすぐ近くには、長財布が転がっていた。どうやらこれを持って逃げていたようだ。全く…しょうもない男だ。
葵)あ、これですよ。
???)良かったな。
暫くすると、赤い車とパトカーがほぼ同時にやってきた。
赤い車からは梨華が降りてきた。
続く