カンナギ   作:百瀬頼人

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#27 ロシアンブルーのユニ

赤田家の内部は、葵さんたちが暮らしていたシェアハウスよりも落ち着いた雰囲気がありました。

 

リタ)この家に暮らしているのって…

 

梨華)私とお姉ちゃんだけなんだよね。母さんは赤田神社にいるし、父さんは大学のすぐ近くにある下宿にいるから…

 

さくら)あの下宿って、教授の持ち家なんですよね?

 

梨華)そうそう。

 

リタ)あの、教授とは…?

 

梨華)父さんは大学で機械工学を教えてるの。詩音の専攻が確か機械工学だったはず…

 

さくら)そうですそうです!教授はずっと「あいつはe-Sportsにしか興味がないのか?」ってぼやいてました。

 

リタ)学生の頃からゲーマーだったんですね…

 

 

 

リビングに通されると、梨華さんが一杯の緑茶を出してくれました。

 

梨華)ちょっとユニを探してくるから待ってて…

 

そう言うと梨華さんは、「ユニ~?」と声をかけながら二階に上がっていきました。

 

 

 

所在なく部屋を見渡していると…

 

部屋の一角に沢山のメダルやトロフィー、さらにユニフォームやグローブが置いてありました。

 

リタ)あ、あれって…

 

さくら)先輩がやっていたソフトボールの奴ですね。

 

リタ)話には聞いていましたけど、ここまで凄いとは…

 

さくら)日本代表のユニフォームとかそう簡単に見られるものじゃないですからね。

 

私はただ「凄いなぁ…」としか言えませんでした。

 

 

 

暫くすると、梨華さんが青い毛色の猫を抱えて戻ってきました。

 

梨華)お姉ちゃんの部屋で溶けてたけど、声を掛けたらすぐ来てくれたわ。

 

さくら)相変わらず元気そうで何よりですね。

 

 

 

梨華)リタさん、ちょっと抱っこしてみます?

 

リタ)え!?暴れたりしませんか?

 

さくら)これが全く暴れないんですよ。ここまで人間慣れしている猫ってそんなにいないと思いますよ。

 

リタ)そうですか…?じゃあ…

 

 

 

梨華さんから受け取った猫は、私の膝の上で動くことなくのんびりとしていました。

 

背中や頭をなでてあげると、気持ちよさそうに「ニャ~」と鳴いて…まるで喜んでいるようでした。

 

 

 

リタ)この子…本当に猫ですか?

 

梨華)猫に決まってるじゃないですか。急にどうしました?

 

リタ)いや…本当に私が猫を見つけて近寄って行っても、確実に逃げられるか敵意を向けられるかのどっちかなんですよ。

 

梨華)この子に警戒心が無さすぎるって言うのが要因の一つかもしれませんけど…ヤマダを受け取るときに、推しのアイドルについに出会うことのできたオタクみたいになっていたのも良くない部分だと思うんですよね。

 

さくら)何ですかそれ…

 

梨華)簡単に言うと…デュフっていたというか…

 

さくら)…それは駄目ですよ。警戒もしたくなりますって。

 

リタ)…申し訳ありません。

 

 

 

梨華)そろそろ音子猫神社に行きましょうか。車の中でホームズとヤマダが待ってるでしょうし。

 

リタ)そうですね。ユニちゃんも梨華さんにお返ししますね。

 

さくら)音子猫神社なんて初めて聞きましたけど…そこが梨華さんの実家と言うことで…?

 

リタ)そうです。名前にも「猫」が入っているので分かると思いますけど、元々猫が沢山住み着いていたんですよ。

 

さくら)猫好きにはたまらないじゃないですか…

 

リタ)今は猫もいなくなっちゃって寂しい場所になっちゃったんですよね。そこで!ヤマダを飼おうってなったんです。

 

さくら)なるほど…ホームズやユニが仲良くなってくれたらいいですね。

 

 

 

ユニもすんなりとゲージに収まり、三人と三匹を乗せた車は一路音子猫神社に向かって走り始めました。

 

続く

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