梨華さんに連れられて、私は小さな茶屋までやってきました。
梨華)この茶屋は祖母が神楽巫女だった昭和の初めごろからあるお店なんです。当時の建物は拝殿と共に戦火に焼けてしまいましたが、本殿修復から数年後に再建されました。
リタ)こちらも歴史の長い建物なんですね…
梨華さんの説明に感心していると、一人のおばあさんがこちらに近づいてきました。
???)いらっしゃい。注文は…おや、誰かと思えば梨華ちゃんじゃないの。久しぶりだねぇ。
梨華)そう言えば…お久しぶりです。
???)お隣はお友達かい?
梨華)この神社を取材しに来てる記者の方です。
???)ほぉ…そうかいそうかい。お名前はなんて言うのかね?
リタ)音崎リタです。普段は音子猫神社で巫女をしているのですが、今回はライターとしてこちらで取材させていただいてます。
???)音崎さんだね?あたしは志賀清美だよ。
リタ)志賀さんですね。こちらでどれくらい働いてるんですか?
志賀)そうだねぇ…梨華ちゃんのお母さんが神楽巫女になったくらいかねぇ…
梨華)ってことは40年くらいね。
リタ)40年!!色々と面白い話が聞けそうですね。
梨華)あまり恥ずかしいこと聞かないでくださいね…
志賀)そう言えば注文がまだだったね。何が食べたいんだい?
リタ)ここのおすすめをお願いします。
梨華)私はいつもので。
志賀)はいよ。ちょっと待って頂戴ね。
志賀さんは注文を受けて奥に下がっていきました。
リタ)梨華さんと志賀さんの付き合いってどれくらいになるんですか?
梨華)そうねぇ…もう物心ついたときにはここのお世話になっていたわね。姉と母と一緒に神楽巫女の修行が終わった後にここでおやつを食べてたんです。
リタ)微笑ましい情景が目に浮かんできます。
志賀)お待たせ。音崎さんにはお団子セットね。梨華ちゃんはいつもの羊羹とサイダーね。
リタ)ありがとうございます。
志賀)音崎さんはあたしのお話を聞きたいんだよね?
リタ)はい。是非梨華さんの小さい頃のエピソード何かを教えてもらえますか?
志賀)いいよいいよ。
リタ)小さい頃の梨華さんってどんな感じの子だったのですか?
志賀)そうだねぇ…とっても負けず嫌いな女の子だったかね。美華ちゃんと神楽巫女の後継者を巡って争ってたからねぇ…
リタ)お姉さんとの神楽巫女での争いは梨華さんから聞きましたけど…負けず嫌いだったんですか。
志賀)ある日、いつものように修行終わりでここに来たんだけどべそをかいてたもんだから「何かあったのかい?」って聞いたら、「お母さんがお姉ちゃんばっかり褒める~!!」ってまた泣き出しちゃって大変だったよ。
リタ)あーもう可愛すぎませんかそれ!!
梨華)覚えてますよそれ…今思い返すととっても恥ずかしいですね…
続く