東方南Q阿伝   作:鼠日十二

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絶対南久阿ちゃんの知名度を上げるという願いのもと書いております


第三和

南久阿は霊夢と弾幕について話していた。

 

 

 

「基本的なことは魔理沙から聞いたのよね」

「そうだな」

 

 南久阿は鷹揚に頷いた。霊夢は一瞬不機嫌オーラを出したが、すぐに引っ込めて話を続ける。

 

 

「……じゃあやっぱりスペルカードの作り方を教えることにするわ。実のところ、カード自体に効果があるわけじゃないのよね。こういう内容の弾幕をこの枚数使うっていう宣言に近いわ」

「ああ、そういうことか。結局は自力で弾幕を生成するわけだ」

「そうね。作るときは避けにくさと美しさを両立させなきゃいけないのだけど……正直妖怪退治に美麗さが役に立つことなんかあまりないから私のは普通」

 

 

 

 そういって霊夢は外に出て、縁側に立つ南久阿に自分のスペルの一つを見せた。

 

「例えば──夢符『封魔陣』」

 

 

 

霊夢を中心に御札がばら撒かれ、球体の弾幕と共に赤い花を咲かせた。

 

「十分美しいと思うが」

「そ、そう?まあ南久阿が美しいって思うのは自由よね、うん」

 

 

中心の霊夢も少し赤くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜。霊夢が寝たのを確認した後、南久阿は神社の屋根に腰かけていた。隣には紫がいる。

 

 

「よく考えたものだ」

「やはりわかってしまうかしら」

「わかるに決まっているだろう」

 

 

 南久阿が言っているのは『弾幕勝負には神事としての側面がある』ということである。美しさを勝利基準に含むこと、あくまでも遊びであること、そして何より霊夢が妖怪退治に出てしばらくすると、わずかながら力が増したことに南久阿は気づいていた。

 

 

「ならばなぜ霊夢に言わないの?質が悪い、と」

「神事は突き詰めれば神への祈りだ。霊夢には弾幕にかける願いが薄い……だが。それを霊夢に伝える如何の前に私は紫の教育が悪いと言いたい」

「……」

 

 

 南久阿は紫の顔をじいっと見た。紫は扇子で口元を隠し、ゆっくり目線をそらした。

 

 

「仕方ないのよ、次の代の当てもないまま霊夢が死ぬことは何よりも避けたかった。そのためには何よりも力が必要だったの」

「だからと言って距離をとるのはどうかと思うが……もしや紫、子供に接し慣れないから」

「そんなことないわ。ええ、幼少期に妖怪と長く触れ合えば妖怪退治に要らぬ感情が芽生えるのではないかと危惧しただけよ」

「そうか」

「そうよ」

 

 

「……霊夢に弾幕の質が悪いといわない理由だが。願いというものは自発的に持つものだ、持とうと思って持つものではない。私は『願いに応える』という側面が強い神だからな

、その辺拘りがある」

「見てて思ったけど、貴女結構人に甘いタイプよね。蜘蛛の神っていうくらいだからもう少し冷たいほうだと思っていたけれど」

「ああ、それしか巫女から聞いてないのか。それとももう忘れられたのか?ともかく、私はもともとは()()()()()()()()。蜘蛛の側面は後からついてきたものだ」

 

 

 

 

「……なるほどね。貴女は乞われる立場だったのね」

「そうだ。だからこそ、霊夢には自分の願いを見つけてもらう。それを願う時が来たら私は全力で応えよう。ああ、それと。一旦でいい、次郎丸を貸せ」

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

 

 

「ようこそ幻想郷へ。ここは全てを受け入れますわ。──貴女の妹ですら」

 

そういってレミリアの前に現れたのは。

 

 

「……貴様が八雲紫か」

「よくご存じで。であれば話は早い……通過儀礼として、目立つ異変を起こしなさい」

「私に指図するな、潰すぞ」

「あら怖い。郷に入っては郷に従え、なんて言葉をご存じかしら?」

「その言葉に意味はないな。ここは我が城、我が領地(紅魔郷)だ」

 

 

 

 レミリアは真紅の槍を右手に形成した。消えろ、という意思表示である……が、紫は意にも介さず話を続けた。

 

 

「新参者の貴女にここでの力の示し方を教えてあげるわ。それがひいては貴女のためにもなることを理解しなさい」

「話が見えんな」

 

「幻想郷はその内側だけで完成された世界。故に妖怪による完全な支配も人による神秘の忘却も許されない」

 

 

そういって紫はスペルカードを、弾幕勝負の存在を伝える。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

 

 

 霊夢が見回りをするのは基本的に人間の活動時間である昼である。夜が妖怪の時間だと里の人々はわかっているから外出は基本的に無いし、里の外に出ることなどありえない。

 だが、その日はそもそもだれも外に出ようとはしなかった。幻想郷に広がりだした赤い霧は人々の精神と肉体に不調をきたし、博麗の巫女の元にもそれはやってきた。

 

 

「霊夢」

「ええ、どう考えても妖怪か何かの仕業ね。南久阿はどうするの?」

「私はほかにやることがある。だから」

 

 南久阿は掌を上に向けた。一瞬の光ののち、そこにはアシダカグモ程度の蜘蛛が乗っていた。

 

 

「次郎丸だ。連れていけ」

「……おおきい。くろい」

「太郎丸は今の次郎丸より遥かにでかいぞ」

「……気にしても仕方ないのはわかってはいるのだけど。あまり蜘蛛って好きになれないわ」

「ほう。蜘蛛はその背に赤子を何十匹も乗せて世話する子煩悩な虫でな……」

 

「異変解決行ってくるわ」

 

 

 

霊夢は神社から飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さて」

 

 

 

 (南久阿)は霊夢を見送った後、これからの算段を立て始めた。既に幻想郷の蜘蛛は眷属となり、目の代わりだ。今回そんな頼れる蜘蛛たちが発見したのは湖のほとりに突如現れた赤い屋敷。つまりは紅魔館である。早速蜘蛛は屋敷に入り込み、その眼を通していろいろと見物をしていたわけだが。私は地下室であるモノを発見した。

 

 それが今回私が原作に介入する理由である。まったくもって忌々しいものだ……ここは東方の世界であるというのに!

 

 

 

 文句を言っていても始まらん。まずは地下室に潜り込んだ蜘蛛たちに糸を出させ、即席の魔方陣のようなものを描く。後はその意図に自らの力を流せば、私の姿を模した糸人形の出来上がりだ。

 

 

 

 

 

「な、何……?」

「落ち着け、敵意などない。私は南久阿という神だ」

 

「わたしは……フラン。フランドール・スカーレット」

「ではフラン、単刀直入に言おう。私はお前を救いに来た」

「どういうこと、かしら」

 

 

「その心に巣食ったゴミを消し飛ばしてやろう、と言っているのだ」

「それはわたしの狂気のこと?無理よ、お姉さまがどうにもできなかったんだもの」

「任せておけ。多少協力はしてもらうが。それに、時間がないのくらいわかっているだろう?」

 

 

フランは数舜迷った後、頷いた。

 

 

「……わかったわ。わたしは何をすればいい?」

「なに、簡単なこと──つまりは、弾幕だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








・霊夢

ゆかりんと藍しゃまによって見出された今代の博麗の巫女。ゆかりんズは親っていうより上司とか仕事仲間みたいな感じで接したせいで弾幕は強いけど人付き合いが壊滅的になってしまった。あくまで弾幕は仕事であり生存手段というスタンスなのでのほほんと弾幕をしてる(ように見える)魔理沙がそんな好きじゃない。

南久阿は主神という肩書があるのでなんとなく距離を近く感じている。



・魔理沙

弾幕大好きっこ。その根底には魔法を認めてくれなかった実家への反抗心とかがある。努力次第でいくらでも勝ちの目が見えるので弾幕は好き。研究も好き。弾幕は楽しいものという認識なのでまったく楽しそうじゃないのにめちゃめちゃ強い霊夢のことがよくわからない。わからないので弾幕勝負を挑み続けている。最近自分のほうが強くなれば霊夢の仏頂面を崩せるのではないかと考えて研究により力を入れている。














課題に圧縮されて死にそうです。全力で書きますが更新速度が遅いことには謝罪しかないです。
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