個性「tfポケモン」   作:W297

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98話

 インターンによる長い長い補習が終わり、俺たちインターン組が寮に戻ってきた。

 

「うーす」

 

「補習の穴ようやく埋まったぜー」

 

「本格参加するよー!」

 

 最終的に決定したのは、生演奏とダンスによるパリピ空間の提供というもの。 

 

 今はバンドメンバーを決めるところで、勝己が案の定な才能マンっぷりを披露しドラム、ピアノ経験者の八百万がキーボード、演奏経験豊富な響香はベースに決定したらしい。

 

「じゃ、牙那ギター頼める?」

 

 そんな響香が俺に聞いてきた。

 

「あ、俺?いいけど…2本いるだろ。後一人どうすんだ?」

 

「うーん、それなんだよね…」

 

 そんな中手を上げたのは峰田と上鳴だ。

 

「やりてー!楽器弾けるとかカッケー!」

 

「やらせろ!」

 

 そんな軽い感じの二人に勝己が言う。

 

「やりてぇじゃねぇんだよ!殺る気あんのか!」

 

「あるある超ある!」

 

 そう言って上鳴と峰田がギターを肩にかける。

 

「ギターこそバンドの華だろィ!」

 

「…」

 

 上鳴はギターをちゃんと持ててるが、峰田は身長の問題で持てなかった。

 

「キャラデザのせいで手が届かねぇよ!」

 

 峰田がギターを諦め、部屋の隅でいじける。

 

 そんな中、俺は上鳴に話しかける。

 

「上鳴って未経験なんだよな。一から教えるとなると、上鳴の頭がショートしかねないな」

 

「オイ、俺でもさすがにそれぐらいできるってー」

 

「以外と難しいんだよ、俺も上達するまで時間かかったし」

 

 そんな中、誰かが切ない音色を鳴らし、周りの面々がその方向を向く。

 

 それを鳴らしたのは意外にも常闇であった。

 

「昔に手を出したことがあるのだが…、Fコードで躓いてしまって手放してな。それ以来だ。これでもいいか?」

 

「十分だよ、常闇。手を貸してくれるか?」

 

「もちろんだ」

 

 そういうわけでバンドのメンバーが決まった。

 

 後は…だ。

 

「それで、肝心のボーカルはどうしましょうか…」

 

「へ?うたは耳郎ちゃんじゃないの?」

 

 そう言ったのは麗日だった。

 

「いや、まだ全然…」

 

「ボーカルならオイラがやる!モテる!」

 

「オウ!楽器はできねーけど歌なら自信あんぜ!」

 

「いや、響香でいいだろ」

 

 俺は二人の意見を一蹴する。

 

「ちょっと、牙那…」

 

「私も耳郎ちゃんだと思うんだよ!前に部屋で楽器教えてくれた時、歌もすっごくカッコよかったんだから!」

 

「俺も耳郎推しだな!カラオケでも90点台めちゃくちゃとってたしな!」

 

 芦戸と上鳴が俺の意見を肯定して、響香は顔を赤らめる。

 

「ちょっと二人も!ハードル上げないでよ!」

 

「まあ、論より証拠ってことで」

 

 俺はスタンドマイクを響香の前に置く。

 

「全く、牙那も…」

 

 響香がしぶしぶマイクを持つ。

 

 そして響香が一曲歌うと聞きなれた俺を含め、全員が聞き惚れて響香に拍手を送る。

 

「耳が幸せー!」

 

「まあ、これが響香だよな」

 

「セクシーハスキーボイス!」

 

「満場一致で決定だ!」

 

「うぅ…、よろしくお願いします…」

 

 響香はイヤホンジャックをいじりながら赤面する。

 

「まあ、これでバンドのメンバーは決まったか。バンド名はどうするよ?」

 

「夜間奏団」

 

「俺」

 

 …この二人の提案は置いておこう。

 

「A組全員で臨むという意味を込めて、Aバンドというのは…」

 

「それだ!」

 

 

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