102話
文化祭が終わり数ヶ月。新たなヒーロービルボードの発表などがあり、季節は冬である。
「ワクワクするねー!」
「葉隠寒くないの?」
「めっちゃ寒ーい!」
冬になったことによりそれぞれ冬仕様のコスチュームに変わったが、葉隠は個性の都合上手袋だけになっている。…絶対寒い。
まあ俺の恰好もドラゴンユニフォームとコートを合わせただけなのだが。
「大した根性だよ、葉隠は」
「そういう牙那もあまりかわってないね」
俺に話しかけてきたのは響香だ。
「まあな、変える必要性も感じねーし、…あ、そうだ。お前らちょっとあったまるか?」
俺は変身態勢に入る。
「Transform,ウルガモスっと」
俺はたいようポケモンのウルガモスに変身する。太陽の代わりになったと呼ばれるポケモンだ。
「わー、あったかーい」
「ケロ、私も少し温まらせてもらうわ」
「では私も…」
寒さに弱い蛙水とコスチューム的な問題のある葉隠と八百万が近づいてきた。それ以外の面々も近づいてくる
「本当に我羅琉の個性ってなんでもありだよな…」
上鳴はそう言って俺の体を触ろうとする。
「あ、バカやめろ!」
「え…?」
俺の言葉も届かず上鳴はおれの体に触れてしまう。そして、
「あっちぃ!」
上鳴が触れた手は赤くなっている。やけどだろう。
「な、なんだよこれ!」
「だから言っただろ、ウルガモスの特性はほのおのからだ、俺に触れた相手に対してやけどを負わせるってシロモノなんだよ」
そんな中、俺たちに向けて遠くから声が聞こえた。
「たるんでるねえ、さァA組‼︎今日こそシロクロつけようか!?」
…なんだ物間か。後ろには拳藤や泡瀬といったB組の面々もいる。
「…お前なんかとかかわってる暇ないんだよ全く」
俺は嫌がる表情を見せるが物間は気にせず続けていく。
「見てよこのアンケート!文化祭でとったんだけどさァーァ!A組ライブとB組超ハイクオリティ演劇どちらが良かったか!見える!二票差で僕らの勝利だったんだよねぇ!!」
「マジかよ!見てねーからなんとも言えねー!」
切島は悔しそうな顔をする中、俺はそのアンケートを見ておかしな点に気づいた。
「切島、物間が持ってる奴持ってきてくれ。この状態だと物もてねえ」
「あ、ああ…」
その紙を見透かすと明らかな不正の証拠があった。
「お前のやりそうなことだな、2重に線を引っ張ってやがる」
「え?切島私にも見せて」
響香が見ても、そこにはマジックペンを重ね書きしてかさ増しした痕跡があった。
「おいお前…」
物間には一気に疑惑の目が向けられる。
「物間…」
泡瀬をはじめとしたB組からも冷たい目線を受けていた。まあ自業自得か。
「いや違うよ!ここでペンのインクが切れたんだ!だからだよ!信用してくれよ!」
物間が喚きながら弁明する。
「その目はなんだい!そんな目で見るな!そ」
「フレア、ドライブ!」
「ぎゃああああ!」
フレアドライブをお見舞いしてやった。こういうのは黙らすのに限る。
「悪い、いい加減うるさかったから黙らせてもらった」
「あー、ごめんね我羅琉、ウチのバカが…」
拳藤が申し訳なさそうに言う。まあ拳藤もいつもアイツを抑えるのには苦労しているのだろう。
案外物間はくたばってなかったようで体を引きずりながら近寄ってくる。
「全く、いつもいつもA組は暴力に頼るよねぇ!それでしか僕をキュ!」
そんな中物間の首に布が勢いよく締める。
「黙れ」
あ、消太さん。ブラドキング先生もいる。
「牙那、コイツのことはいいから戻ってろ」
「了解です、Trans,オフ」
そのまま先生たちが言葉をつなげていく。
「今回ゲストがいます」
「しょうもない姿はあまり見せないでくれ」
先生たちが説明するとブラドキング先生の後ろからヒョコっとゲストが出てきた。
「ヒーロー科編入を希望してる普通科C組、心操人使くんだ」
「「「あーー!!!」」」
へえ、あの時の。
…面白くなってきそうだな、この訓練。