俺が炎で影の形を乱して黒色を弾き出し、葉隠が黒色に向かって走る。八百万が黒色の確保を確信した瞬間だったが。
ポムッ
八百万の鼻の頭からキノコが生えた。
「いやっ!」
走っていた八百万は急ブレーキをかけて自分から生えてくるキノコを払う。
「わー!シルエット見えちゃう恥ずかしー!」
葉隠の体からキノコがポムポムと生え、体の形が見えてくる。
さらには飛んでいる常闇の体にもキノコが生えていく。
「菌茸類が大地を埋め尽くしていく…、お前には生えないのだな」
「今の俺の体は熱を持ってるからな、キノコに乾燥は持って来いだろ。…ちっ、どこ行きやがった黒色!」
俺たちの目の前を既に多数のキノコで覆いつくされており、黒色はすでに身を隠していた。
恐らくはキノコの個性を持つ小森の個性だろう。
「皆さん落ち着いて!まずは一かたまりに、、」
八百万が指示を出そうとした瞬間、遠くから奇妙な声が聞こえる。
その声の後には、ゴンガンドガの巨大な文字の塊が襲いかかり、俺達を散らした。
「あれっ!ヤオモモいない!」
葉隠が八百万の姿がないことに気づく。
八百万はこのオノマトペの壁に分断され、1人になってしまったみたいだった。
「常闇、葉隠を頼む!俺は自力で飛べるから!」
「了解した!」
俺は常闇の体から離れながら変身しなおす。
「Retransform、ファイアロー!」
俺がれっかポケモンのファイアローに変身している間に常闇はキノコにまみれた葉隠を回収し、俺たちは黒色が追ってこれないような影のない建物の屋上で再度合流する。
「モヘー、3人の居場所見つけなきゃ勝てないよぉー」
「しかし、再度あの湿気と菌茸類で埋め尽くされた場所に突入するのは危険だぞ、八百万がいないこの状況、どうする我羅琉」
だが…、どうする。にほんばれをしてもいいが、そうすると常闇の黒影が動けねえ。だけど、今のままじゃジリ貧だ。
そんな中、オノマトペの壁からあるものが撃ちあがる。
「あれは…、黒影!」
「アイヨ!」
黒影がしっかりと袋をキャッチし、俺たちの所に運ぶ。
袋には『ヤオヨロズラッキーバッグ』と書かれていた。
「…なるほど、滅菌スプレーか。確かにこれならあの中でもキノコを気にせずに済む」
袋の中には菌を殺すエタノールスプレーが大量に入っていた。
「それとコレはゴーグルか?」
「デザイン的に常闇くん用だね」
常闇はゴーグルを着けるとあることに気づいたみたいだ。
「これは…、サーモグラフゴーグルか…」
常闇が付けたのは周りの温度が分かるサーモグラフゴーグル。人がいればそこだけ変色して見える。これなら黒色も見つかるだろう。
マスクを再び被ると常闇は相手の居場所を補足した。
「常闇、葉隠、俺は壁を越えて八百万のフォローに行く、悪いが残りの3人は頼めるな?」
「ああ、任せろ」
「私も!ここからは私もガンガン行くよー!」
二人と話した後、俺はそのまま飛び、壁の向こうへとスピードを上げた。