常闇たちと別れた後、高熱の翼を羽ばたかせて、俺はオノマトペの壁を越える。
「…いたか」
俺がその場所に着いた時には八百万はダウンしていた。
だが、拳藤にただではいかさないと、拳藤を自分と絡み付け動きにくくしていた。
…できる限りのことはしてくれたみたいだ、助かるぜ。
「…拳藤、今のお前の状態で戦えるとは言わねえ。降参するなら今の内だぜ?」
「あいにく、こっちもそう簡単には行かないよ、我羅琉。アンタとは戦ったことなかったしね!」
拳藤はまだやる気は残っているみたいだった。…そうこなくちゃな。
「…なら、全力で行かせてもらうぜ!」
俺は攻撃態勢に入る。拳藤も自身の手を大きくし、抗う準備は万端だ。
炎を纏った俺は、パイプの隙間を飛び回りながらスピードをあげ、拳藤に突っ込む。
「ニトロチャージ!」
「当たらないね!」
拳藤はその攻撃を素早く躱し、自身の大拳で俺にカウンターパンチをくらわせようとする。
だが、甘い。
俺は急ブレーキをかけ、拳藤の方へと方向転換して攻撃を与える。
「つばめがえし!」
さらに、その流れの俺は拳藤に休む暇を与えずに攻撃していき、確実にダメージを与えていく。…アクロバットだ。
そんな中、動きづらい環境となっている拳藤も攻撃ばかりはされまいと俺の攻撃が切れる瞬間を見切り、俺の体を掴む。
ちょこまかと動く相手に対し、追いかけまわすのは悪手だ。自身の手でしっかりと掴んだほうが早い。
だが、今の俺相手にはそれを選ぶことは避けなければならかった。
「掴まえた、ってあっつ!」
今の俺の体には高温の熱を持っている。直で触るとやけどする特性、ほのおのからだだ。
その熱さにたまらず拳藤は俺の体を離し、俺は再び動き回り、フリーな状態になる。
俺は勝負を決めにかかる。
炎を鎧のように纏った俺は、ニトロチャージで上がったスピードを利用し、拳藤に再度突入する。
「フレア、ドライブ!」
ファイアローが使える屈指の高火力の技を喰らった拳藤はたまらず膝をつく。
「…やっぱ強いね、アンタは」
「褒めてもらって光栄だ。さっさと寝てろ、次に目を覚ますのは牢の中だけどな」
拳藤はそのまま地面に倒れる。
…まずは牢屋に入れないと。ただ倒しただけじゃだめだ。
「Retransform,マフォクシー」
俺は再びほのおタイプとエスパータイプを兼ね持つマフォクシーに変身する。
八百万は肩に背負い、拳藤はサイコキネシスで浮かせて、牢屋の方へ進む。…やっぱこういう時はエスパータイプの方が便利だ。
途中で吹出をやっつけた葉隠と合流し、拳藤と吹出を牢屋に入れた後、俺たちは常闇のサポートへと向かう。
「常闇君、大丈夫かな…」
移動しながら葉隠が心配そうな声で話す。
「大丈夫って信じたいけどな。こればっかりは任せるしかねえよ」
黒色は何とかなるとしても小森の能力がどこまでできるのかはまだ未知数だ。警戒しておくに越したことはない。
…その後、何とか探し当てたが、常闇は黒色を自身のマントに閉じ込めたものの、小森に気管にキノコをはやされたことによりダウンしていた。…なかなかにエグい攻撃だ。
時間はそこで20分を過ぎ終了となり、牢屋に入れた合計人数が多いA組の勝利となった。