10話
波乱だった雄英入学初日が終わりその翌日。
雄英高校のカリキュラムが正式にスタートした。午前中は英語など必修科目…いわゆる普通の授業を受ける訳だが…
「んじゃ、次の英文のうち間違っているのは?」
「おらエヴィバディ、ヘンズアップ! 盛り上がれー!!
プレゼント・マイクが担当する英語の授業は、すこぶる普通だった。
そして午後の授業。
オールマイトの授業の時間だ。
「オールマイト! 本当に先生やってるんだ!」
「シルバーエイジのコスチュームだ、すげえ」
「画風が違いすぎて鳥肌が……!」
トップヒーローによる授業とあって、俺を含めた生徒たちは興奮した声を抑えきれない。いやー、さすがにオールマイトはすごいね。
「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地を作るため様々な訓練を行う科目だ! 早速だが今日はコレ! 戦闘訓練! …そして、そいつに伴ってこちら! 入学前に送ってもらった"個性届"と"要望"に沿って誂えた"戦闘服"! さあ、着替えてグラウンドβに集合だ!」
「おおおっ!」
なんか壁からせり出してきた。そこにあったケースを取り俺たちは更衣室に向かう。
各々が憧れのヒーローのようにと考えたコスチュームを身に纏い、昂ぶらない筈もない。全員が笑みを浮かべて歩んでいる。
「なんか、牙那の恰好ってそこまでヒーローっぽくなくない?」
どこかにいそうなロックミュージシャンのような恰好をした響香が俺の恰好を見て行ってくる。
ちなみに俺の恰好は頭にオレンジ色のバンダナを巻いて、ドラゴンをモチーフとしたサッカーユニフォームを着用。さらにその上にドラゴンをモチーフにしたようなパーカーをに着ていて、フードの部分は牙のような形をしている。
「まあな」
「というか動きやすいのそれ」
「普通に動けるぜ。まあ、trans状態になったら関係ないしな」
「あー、そっか」
先にグラウンドで待っていたオールマイトが俺たちの恰好を見て言う。
「いいじゃないか、少年少女! カッコイイぜ!」
オールマイトに対して飯田が挙手する。
「先生! ここは入試の試験場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」
「いいや、もう2歩先に踏み込む! 屋内での"対人戦闘訓練"さ! 真の賢しい敵は闇に潜む。これから君たちには"ヒーロー組"と"ヴィラン組"に分かれての、2対2の屋内戦闘訓練を行ってもらう!」
オールマイトが返す。確かにそうだ。真昼間で事件を起こすのはよっぽど目立ちたい奴ら。ほとんどは夜の街の路地裏とか、そんなとこにいることが多い。
「基礎訓練も無しに?」
「その基礎を知るための実践さ! だが、今回は一般入試のようなブッ壊せばオーケーなロボとは違うのがミソだ!」
…まあ、普通人壊したらoutだよな。壊す=殺すだし。
俺は殺すことに慣れてるからあまり思わないけど。
今回の訓練の設定としては、核兵器を隠し持つヴィランに対し、それを奪取しようとするヒーロー。
…うん、なんともアメリカン。
「チーム相手および対戦相手を決めるのは……。"くじ"だ!」
「適当なのですか!?」
驚いている飯田に対し俺が言う。
「飯田、プロは他事務所のヒーローと急造チームアップすることもある。おそらく今回はそういう状態でいかに戦うか…ってこともあるとおもうぜ」
「そうか! 先を見据えた計らい…!ありがとう我羅琉君!オールマイト、失礼致しました!」
オールマイトが俺たちを見て言う。