初戦のグループ。勝己と飯田のヴィランチーム対、出久と麗日のヒーローチームによる戦闘が始まる。
またこの二人は別れたか。
「よろしくね、我羅琉!」
「ああ、よろしく」
ちなみに俺は芦戸とのペアだ。
「さあ皆! クラスメイトの動きから学べる部分はドンドン学んでいこう!」
俺たちはモニタールームに移動し今行われている対戦を見ている。
「うおおっ、爆豪ズッケェ! 奇襲なんて男らしくねえ!」
「緑くん、よく避けたねー!」
「勝己のアレは、…まあいつもの勝己か」
「アレでいつもなのか…」
各々がそれぞれ違った感想を話す。
そして、モニターの中では、掌から爆炎をあげる勝己と、すんでのところで回避し、マスク半分を失った出久が対峙している。
「そういえば、我羅琉ってあの二人と幼馴染なんだよな。なんかあったのか?」
上鳴が俺に聞いてくる。
「まあ、なんというか…、…昔、出久は無個性っていじめられててな。そのいじめっ子のリーダーが勝己だったんだ」
「いじめ!?」
「まあ、今の時代無個性だったらあることだけど…」
俺は話を続ける。
「そこを俺が間に入る形をとってたんだけど、あるとき勝己が俺に勝負を挑んできてな」
「け、結果はどうだったんだよ?」
峰田が俺に尋ねる。
「俺の圧勝。で、俺は出久も勝己も両方同じ目標があるってことに気づいてな。それがオールマイト。その後、勝己に謝罪させた後は三人で上を目指さないかって話して。俺と勝己は効果的な個性の使い方、出久は無個性なりの戦闘法に着目していったんだ。そこからだな、あいつらのライバル関係が始まったのは。で、そのライバル関係が今に至ってるって…何泣いてんだよ、お前ら!?」
俺の周りでは泣く声が多数。
「いい話ですわ…」
「ていうか我羅琉がいなかったら、あいつらは…」
「あのー、いい話だけど、モニター見てくれないかな…」
オールマイトが申し訳なさそうに言う。
「「「すみませーん!」」」
モニターに戻ろう。状況は勝己と出久が正面衝突になりそうなところだった。
「先生! ヤバそうだってコレ!」
「なんかあんのか、出久。構えが今までと違うな」
「は!? この状況で何、を……!?」
勝己の右手の攻撃は出久をとらえて爆風が起きる。それに対し出久の右腕は、
「そうか、上か!」
アッパーの要領で放たれた拳は、先日の個性把握テストで見せた超大なパワーを遺憾なく発揮し、その衝撃はビルの天井を撃ち抜いていく。
その上には核兵器のある部屋だ。
向かい合う飯田と麗日の間、その床が出久の一撃で吹き飛び大穴が開く。
大穴から飛び出す階下の瓦礫。それ目掛けて、折れたコンクリートの柱を自分の個性で軽々と抱える麗日が振り抜く。
圧倒的な質量によって打ち出された瓦礫群は凶器となって飯田に襲い掛かり、これには彼も堪らず防御の姿勢をとる。
その隙をついた麗日が飛び、目標となる核兵器に取り付くことで、勝敗は決した。
◇ ◇ ◇
第一戦の講評を終え、次の組み合わせが発表される。
次は俺たちらしい。対戦相手は響香と上鳴のチーム。俺たちはヴィラン側だ。
さて、…地獄を見てもらうことにしよう。