牙那サイド
俺がこの言葉を使うとはそれは相手を死なせるもしくは最低でも気絶させるということを意味する。
俺の前にいる上鳴は立ちすくんだままだ。
「行かせてもらうぜ、クロスポイズン!」
上鳴に毒を纏った手刀が当てられる。
上鳴は立ち上がる。
「ちっ、なら、お前もこれ位じゃ死なねえよな。無差別放電10万ボ…「ちょっと待った方がいいんじゃないか?」…何?」
俺はこう続ける。
「お前たちの足には芦戸の酸で満たされてる。今放電したらそこに倒れてる耳郎までくらうぞ、それでいいのか?」
「あっ、そうか!ってヴィラン役のお前に教えてもらう必要はねぇ!」
上鳴のパンチが俺にあたる。だが、
「なんだ、コレ!かってぇ!」
「ドラピオンの装甲は伊達じゃないぜ」
ドラピオンの防御の種族値はなかなか高い。それを生かさせてもらった形だ。
「そろそろきついんで、終わらせてもらうぜ、どくどくのキバッ!」
俺は上鳴の肩に猛毒のキバで噛みつく。
「ぐあっ!」
「降参しろ、上鳴。そうしたら離してやる」
俺は噛みつきながら言う。
「へっ、そう簡単に降参してたまるかよ…」
だが、顔が青ざめてきながらも上鳴の目はあきらめていない。
…なら、さらに地獄を見せるだけだ。
俺は更に噛む力を強める。
毒は上鳴の体に回りきっているだろう。
「なあ、我羅琉。さすがにここまで密着してたら逃げることはできねえよな」
上鳴が言う。
「何?」
「俺もただでやられるわけにはいかねーぜ!
」
上鳴から放たれた電流が俺に走った。
◇ ◇ ◇
「まあ、たえるんだけどさ」
上鳴が電撃を放った後、立っているのは俺だけだった。後は耳郎と上鳴は気を失って倒れている。
「自分にできることを、精一杯やった。そこは評価ポイントかな」
そんなこんなをしているうちにオールマイトから『タイムアーップ!』の声がした。
「我羅琉ー、終わったー?」
上から芦戸が降りてきた。
「ああ」
「でも、派手にやったねー…」
「ヴィランがやりそうなことをやってやっただけだ」
「あとさ…、本当に二人死んでないよね!?」
芦戸が心配そうに言ってくる。
「大丈夫だよ芦戸、こいつらに使った毒は体力は削られるが後遺症は全くない種類だ。こいつらの命は俺が保証してやるよ」
「ならいいんだけどさ…」
俺たちは倒れた二人を連れてモニタールームに戻った。
◇ ◇ ◇
「今回のMVPは我羅琉少年だな!」
モニタールームに戻ってきた俺たちにオールマイトが言う。響香と上鳴も大分体の感覚が戻ってきたようだ。
「我羅琉少年は戦いだけでなくすべての場面においてアドバンテージを持っていた!。建物の中は我羅琉少年と芦戸少女によるトラップが張り巡らされていてそちらに気を向けなければならない!そこに奇襲となれば回避することは不可能だ!この私でも一発くらわされていたと思う!」
「どーも」
オールマイトの講評に対し俺はそっけなく返す。
その後も芦戸に対するアドバイス、上鳴と響香に対する反省点の提示などいろいろなことを言っていた。
一通り終わった後、俺に切島が言う。
「我羅琉の個性ってどんなのなんだ?」
俺はこれに答える。
「まあ、ぶっちゃけ何でもできる個性って言ったら分かりやすいかな」
「何でもって…、まだ他の奴があったりするの?」
俺の答えに葉隠から問いかけられる。
「ああ、だけどその分条件とかもあったりしてね。俺でもまだまだ使いこなせてないよ。詳しいこと聞きたいなら後で聞くからそん時に」
俺は軽く個性について説明する。
だが今は授業中だ。話はあとにさせてもらおう。
そして、オールマイトからの声が響く。
「さあ、それじゃあ第3戦、行ってみようか!」
まだまだ、訓練は終わらない。