個性「tfポケモン」   作:W297

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キリいいところまで書こうと思ったら2000字超えた…。
いつもが1300ぐらいなので長くなっていますがご理解を…、ってかこの調子で行ったら体育祭とか何話になるんだろう…(遠い目


16話

 ある日の授業で消太さんが言う。

 

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見る事になった。内容は災害水難なんでもござれの人命救助(レスキュー)訓練だ」

 

 なったってことはこの前のマスコミ事件が関係あるのかな…。

 

「今日はコスチューム着用は自由で構わん。中には活動制限するのもあるからな。じゃ、移動開始」

 

 消太さんの合図によって俺たちは更衣室に移動した。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

「最終的に全員着替えてるんかよ…」

 

「そういう牙那もじゃん」

 

 響香に言われる。この前の勝己との戦闘訓練でコスチュームを破損した出久以外の全員がヒーローコスチュームに着替えていた。

 

 雄英は広い。今回の訓練場所まではバスで移動するようだ。

 

「バスの席順でスムーズにいくよう、番号順に2列で並ぼう!」

 

 数日前に決まった委員長、飯田はホイッスルを持ってやる気満々だ。いったいなにがあいつを突き動かすのだろう。

 

 

 

 …だが

 

 

 

「こういうタイプだったか、くそう!」

 

「意味なかったねー」

 

 市営バスによくある三方シートと呼ばれる座席だった。結局、適当に座ることになってしまう。

 

「私、思ったことは何でも言っちゃうの。緑谷ちゃん、あなたの"個性"、なんだかオールマイトに似てる」

 

 横並びに座る俺、出久、蛙吹、切島の中で紅一点が、唐突に切り出す。

 

 その言葉に、出久は目に見えて狼狽えた。落ち着け。

 

「そそそそ、そうかな、いやでも僕はその……」

 

「落ち着け、出久。憧れのオールマイトに似てるって言われて焦るのは分かるが」

 

 俺は出久を落ち着かせる。

 

 その後も個性の話で話は弾む。

 

「でもよ、梅雨ちゃん。オールマイトは怪我しねえぜ?似て非なるアレだって」

 

「まあ、制御がきくようになればそれこそオールマイトのような動きも出来そうではあるけど」

 

「確かになー。その辺、シンプルな増強系は羨ましいぜ。やれることが多くて派手だしよ。俺の"硬化"は対人にゃあ強えんだが、いかんせん地味でなー」

 

「そんなことないよ、切島くん! 僕は凄くカッコイイと思う。プロにも十分通用する"個性"だよ!」

 

「プロなあ、しかしやっぱ、ヒーローも人気商売みたいなトコあるぜ?」

 

「ヒーローの本質は今日の訓練みたいな人助けだぞ、切島」

 

「でもさ、それでも目立たなかったらどうしようもなくね?」

 

「まー、それもあるか」

 

「派手で強いっつったら、我羅琉と轟、それに爆豪だな!」

 

「でも爆豪ちゃん、キレてばっかで人気出なさそ」

 

「んだとコラ! 出すわ!」

 

「ホラ」

 

「まー昔に比べたらまだマシにはなったけど、まだ子供に見せれないのは確かかな」

 

「ぁんだとコラ、牙那!」

 

「ホラね」

 

 蛙吹と俺に指さされる爆豪は、言葉通りにブチギレる。

 

「この付き合いの浅さで、既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげえよ」

 

「てめえのボキャブラリーは何だコラ! 殺すぞ!」

 

「……低俗な会話ですこと」

 

「でもこういうの好きだ、私!」

 

「爆豪くん、本当に口悪いな!」

 

 そんなやりとりを見た出久は心中で(牙那君以外でかっちゃんがいじられてる!流石は雄英……!)と慄いていた。

 

「…そろそろ着くぞ。いい加減にしとけよ」

 

「「はいっ!」」

 

 消太さんの一言に全員すぐさま静まり返る。

 

 言葉通りに、ほどなくバスは停車し、順に降り立った俺たちを迎えたのは。

 

「すっげー!USJかよ!」

 

 誰かが言った。

 

 まるで関西の大型テーマパークのような、様々な施設を備えた一大空間。

 

 その名も、ウソの(U)災害や(S)事故ルーム(J)

 

 ホントにUSJだったと心でツッコむ俺たちの前に、宇宙服のような出で立ちの人物が現れる。

 

「スペースヒーロー、"13号"だ! 災害救助でめざましい活躍をしてる、紳士的なヒーロー!」

 

 出久の言葉通り、救助活動を主とするヒーローで、そういった方面での活動をメインにと考える奴らは喜びを隠せない表情だ。中でも麗日の喜びようは一際激しい。たしかに麗日の個性は救助向きだよな。

 

「えー、始める前にお小言を1つ2つ、3つ……4つ」

 

((増える…))

 

 俺たちはこう思った。13号さんは続ける。

 

「皆さんご存知とは思いますが、僕の個性は"ブラックホール"。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」

 

「その"個性"で、とんな災害からも人々を救い上げるんですよね」

 

「ええ。しかし同時に、簡単に人を殺せる力でもあります。皆さんの中にも、そういう個性を持つ人がいるでしょう。超人社会は"個性"の使用を資格制にし、厳しく規制することで、一見成り立っているように見えます。…ですが、一歩間違えれば容易に人を殺めてしまう、そういった"いきすぎた個性"を個々人が持っているということを忘れないでください」

 

 あ、コレ大分真面目に聞かねーと。 

 

 他の全員も同じようにというか知らずのうちに居住まいを正し、真剣な表情へと変わる。

 

「相澤さんの体力テストで自分の秘めている可能性を知り、オールマイトの戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。この授業では心機一転! 人命のために、どう"個性"を活用するのかを学んでいきましょう! 君たちの力は、傷つけるためにあるのではなく、救けるためにあるのだと、心得て帰ってくださいな」

 

 ペコリと頭を下げた13号に、俺たちから万雷の拍手が送られる。飯田に至っては全力で「ブラボー!」などと叫んでいる始末だ。

 

 だがそれは突然だった。

 

 俺は感じ取る。俺の仕事でよく感じる空気だ。消太さんも何か感じたみたいだ。

 

「…消太さん何か来ます!」

 

「分かっている!」  

 

 俺の言葉と当時に消太さんが叫ぶ。

 

 

 

「ひとかたまりになって動くな! あれは、ヴィランだ!」

 

 

 

 ヤバいことが起こりそうだ。

 

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