個性「tfポケモン」   作:W297

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17話

「13号!生徒を守れ!」

 

 ゴーグルをかけて敵を見つめる消太さん。

 

「何だアリャ!? また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

 

 それは違うな。

 

 俺は感じている。いつものような本物のヴィランであると。

 

「センサーが反応してねぇのなら、向こうにそういう事が出来る個性ヤツがいるって事だな。バカだがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

 

 轟が言う。奇襲というのは敵を混乱させて反撃の猶予を与えずに倒す方法だ。作戦としては悪くはないだろう。

 

「どこだよ、オールマイト…。せっかくこんなに大勢引き連れてきたのにさ…。子どもを殺せば来るのかな?」

 

 リーダー格と思しき手だらけの男がつぶやく。

 

 もちろん生徒を一人二人殺したところで、オールマイトが察することがなければすぐに来ることはない。まあ、それも織り込み済みなのだろうか。

 

「13号! お前は生徒を避難させろ。上鳴は学校へ連絡を試みろ!」

 

「ッス!」 

 

「待って下さい! イレイザー・ヘッドの本来の戦い方だと、あの人数は…!?」

 

 出久が言うが消太さんはこう返す。 

 

「詳しいな緑谷。だが、覚えておけ、一芸だけではヒーローは務まらん!」

 

 教師としての意地か、ヒーローとしての心得からか、ヴィランの群れに自ら飛び込んでいった。やっぱさすがっすね。

 

 目線を隠しているせいで、"誰が消されているのか"わからない。そのせいでヴィランたちは連携に狂いが生じ、その隙をイレイザーヘッドは容赦なく突いていく。

 

「すごい……! 多対一こそ先生の得意分野だったんだ!」

 

「緑谷くん! 分析は後だ! 早く避難を──」

 

「させませんよ」

 

 13号の先導で避難する一団の正面。突如として黒いモヤが広がったかと思うと、それは人の形をとる。

 

「初めまして、我々は敵連合」

 

 名乗ったのは黒い靄で体を覆った男。大量のヴィランが靄から現れたことから推測するに、おそらくワープ系統の個性だろう。

 

「僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは…。平和の象徴オールマイトに、息絶えて頂きたいと思っての事でして」

 

 あと30年待て。きっと寿命で死ぬはずだ。なお相手側の寿命は考えないものとするがな。

 

「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃる筈、ですが何か変更があったのでしょうか」

 

 …恐らくただの遅刻だろう。ヴィラン退治とか時間を食ってしまったとか。

 

 道すがらヴィランを退治するのはかまわないが、まずアンタは教師だろ。

 

「シャラアァァァッ!」

 

「俺たちにやられる事は考えてなかったか!?」

 

 爆豪と切島が飛び出すが、効果は無い。どうやら靄で体をつかめないようだ。厄介な個性みたいだ。

 

「危ない危ない…そう、生徒といえど優秀な金の卵」

 

「ダメだ! どきなさい2人とも!」

 

 13号の言葉は、少しばかり遅かった。

 

 

 

「散らして、嫐り、殺す」

 

 

 

 急激に広がったモヤが、集団を包み込むように動く。

 

 ここは逃げに徹するしかねえか。下手に動いて俺がヴィジランテだと感づかれるのはまずい。だが最低限はしとこうか。

 

「悪ぃ、尾白!」

 

「うわっ!」

 

 咄嗟の判断である。俺が見たのは、障子が瀬呂と芦戸を、飯田が砂藤と麗日を庇う動きと、生徒の立ち位置。

 

 体力テストと戦闘訓練で見た能力を素早く思い出し、直接的な戦闘能力を考えて、俺は近くに居た尾白を孤立しかかっていた葉隠の方へ蹴り飛ばす。

 

 次の瞬間、俺たちの視界は黒く染まった。

 

 

 

 

 

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