個性「tfポケモン」   作:W297

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22話

 その日の放課後。

 

 教室の扉を開けた麗日の眼前には、異常な光景が広がっていた。

 

「な、何事!?」

 

 ひしめく人の群れ。通行できないほどの群衆がそこに居た。

 

「出れねーじゃん! 何しに来たんだよ!」

 

「制服から見たら…、普通科の奴らか?」

 

「敵情視察だろザコ。体育祭前にヴィランと戦ったっつー連中見に来たんだろ」

 

 勝己が言う。まあ、大方そんなとこかな。そして相変わらずの口の悪さである。

 

 その前に一人の男子生徒が現れる。

 

「どんなもんかと見に来たけど、随分とえらそうだなぁ。ヒーロー科ってのはみんなこんなのなのかい」

 

「勝己だけだからね、それ」

 

「うんうん」

 

 俺の返答に切島が同意する。

 

「オイコラ、牙那ァ!後てめえも頷いてんじゃねえぞクソ髪ィ!」

 

 勝己が噛みつく。いつものことだが。

 

「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ。…普通科とかって、ヒーロー科落ちちゃって入ったヤツとか結構居るんだよね。

 

 知ってた? 体育祭のリザルトによっちゃ、ヒーロー科編入も検討してくれるんだって。逆もまた然り、らしいよ。

 

 敵情視察? 少なくとも俺は、調子のってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞ、っつー宣戦布告に来たつもり」

 

 睨みつける男子生徒に対し、勝己もまた睨み殺さんばかりの鋭い眼光を向ける。

 

 そんな中、隣の教室のドアが開く音がする。

 

「オウオウオウ! 隣のB組のモンだけどよう! 心配して来てみりゃあエラく調子のっちゃってんなあオイ! 本番で恥ずかしいことになんぞ!」

 

 B組から鉄哲が飛び出してきた。またやかましいのが…。

 

「あ、鉄哲」

 

「おー、我羅琉。元気そうで何より!」

 

 そんな中、勝己は無視して人混みの中を掻き分けて行く。大方興味がないのだろう。

 

「…ってオイ! 待てコラどうしてくれんだ! オメーのせいでヘイト集まりまくってんじゃねえか!」

 

 そんな言葉に勝己は歩きながら返す。

 

「関係ねえよ。上に上がりゃ、関係ねえ」

 

「くっ…! シンプルで男らしいじゃねえか…!」

 

「オイ騙されんな! 無駄に敵増やしただけだぞ!」

 

「切島ちゃん、そのうち壺とか買わされそうね」

 

 まあ、大方普通科の奴らは俺たちが気にいらないんだろう。一個言っとくか。

 

「ん、どうしたんだい」

 

「…お前たちにはあるのか」

 

「は?」

 

「お前たちに誰かの命のために自分の命を懸ける覚悟があるのか、っていってんだよ。ヒーローはそういう仕事だろうが」

 

 俺は続ける。

 

「俺たちに宣戦布告?上等だよ、俺たちも潰し甲斐がある。俺たちを超えられるもんなら超えてみやがれ。それこそここの教訓は"Plus Ultra"だぜ」

 

 周りに一気に緊張感が走る。

 

「あとな、本気で勝ちたいならこんなことしてる暇ないんじゃねえのか?少なくとも俺たちよりもお前らの実力は劣る。その実力差をなくすために特訓すべきだぜ。トレーニングルームでも借りて来いよ」

 

 それを聞いた普通科の一団は段々と帰り始めた。

 

「…精々胡坐かいて待ってろ」

 

 挑発してきた男子生徒が呟く。

 

「ああ、お前らこそ油断すんなよ」

 

 俺は返す。

 

 そして教室の前はいなくなった。

 

「あー、なんかすまねえ」

 

 居心地が悪くなった鉄哲が言う。

 

「構わねえよ。それに舐められるようじゃまだまだだからな」

 

「相変わらずだねー我羅琉は」

 

 拳藤もB組からやってきた。

 

「拳藤、なんで来たんだ?」

 

「だって急にこいつが教室でてったからさ」

 

「あのー、知り合いなんか?話の流れ的にB組だとは思うけどよ」

 

 上鳴の言葉に二人は言う。

 

「私は拳藤一佳。"個性"はこんな感じに手を巨大化できる『大拳』」

 

「俺は鉄哲徹鐵だ。個性は皮膚を金属みてえに固くする"スティール"! ヨロシク!」

 

「だだ被りじゃねーか! ただでさえ地味なのに! しかもアッチは見た目変わってわかりやすい!」

 

 鉄哲の紹介の後切島が嘆く。まー似てるよな。

 

「気にすんなよ! 派手に働きゃいいじゃねーか! 」

 

「…おう、そうだよな!男らしく派手にバトってやるぜ!」

 

「そうだ、その意気だぜ!」

 

 切島と鉄哲が意気投合したようだ。

 

 それを見た拳藤は呟く。

 

「…今、この二人が離れてたことに安心したよ…」

 

「確かにこのタイプ二人は疲れるな…」

 

 俺も拳藤に同意した。

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