今日はウチの地下訓練ルーム(瑠莉姉作)を使って特訓をしている。
ちなみに出久と勝己も一緒だ。特訓するっていったら来てくれた。
「まずデク。てめえ、その個性で戦うつもりか」
勝己が出久に対して言う。
「確かにな。お前が戦う度に毎回腕ぶっ壊すってんならお前の腕1年で使えなくなるぞ」
「そうだよね…」
俺たちが考えているのは出久の個性の使い方だ。
確かに瞬間的に超火力を引き出すことは確かに魅力的だが怪我は厄介だ。どうにかしねえと。
そんなときに出久が口を開く。
「そういえば二人に聞きたいんだけどさ」
「ん?」
「ああ?」
俺と勝己はそろって返事し、出久はそのまま言う。
「二人ってさ、個性使うときどうやって出してるの?」
個性の発動の仕方…か。
「俺は変身するってしっかり思ってからって感じかな。俺の場合、まずそういうことをしないと発動してくれねーし」
「牙那に同じだ。俺は物質自体はいつでも出せるが、それを爆破させんには俺の意思が必要になる」
「やっぱそーなのか…」
俺たち二人の答えに出久が言う。今の個性社会のほとんどは"発動型"といわれる個性の奴が多い。特徴が体にずっと出てる"異形型"は少数派だ。発動するとき、基本的に俺たちは発動する意思を持たないと使えない。
「…ちょっと聞きたいんだけどさ出久」
「何、牙那君?」
「発動ってさ体全体に出来たりしないの?腕とか指先だけとかじゃなくってさ」
俺の言葉に勝己が言う。
「アホか、そんなんやったら体中の骨折れまくんだろ」
その言葉に俺は返す。
「違えよ勝己。俺が言ってるのは100の力じゃなくて5とか10の力で体にまとえないかって言ってんだよ。力が制御できないなら怪我しない程度におさえるしかない」
「どういうこと?」
出久が俺に尋ねてくる。
「簡単に言えば「狭く深く」発動するんじゃなくて「広く浅く」発動するのがイメージかな。出久の個性がパワー系ってことは体全体に使える。ずっと普段から力を行き渡らせてって感じで」
「うん、やってみる」
出久は戦闘態勢に入る。
「全身にっ! ひゃくパーじゃなく、って、ほんのちょっとだけ、うわっぷ!」
「「出久(デク)!」
出久は個性使用時に見られるライトグリーンのスパークを全身に纏い、それを維持しようとするが、スパークが弾け倒れてしまった。
「やれんのか、デク」
勝己が言うがそれに出久は苦笑いを浮かべながら返す。
「あはは……。うん、大丈夫。でもこれ、保つだけでも大変だ……」
出久の率直な感想に俺が言う。
「全力だと折れるが制御に気を回せば遅い。だから小さくずっと…か。初めに言った俺が言うのも何だがかなり緻密に制御しないとならねーなコレ」
俺の言葉に勝己が追加で言う。
「100か0か、っつーなら分かりやすいけどな。でも、今のデクにできる範囲じゃ最善じゃねーか?怪我せずに強化、つまりは鍛えて扱える上限が増える度に強くなるってことだろ」
「まあ一朝一夕にはいかないものだしね。それに、加減ないといけねえ場面でも有効だし」
俺たちの言葉に出久が感謝したように言う。
「そう、だね……。いつも全力でいいわけじゃない。プロの現場は、いろんなことが求められるし。……ありがとう、牙那くん、かっちゃん。2人のアドバイスのおかげだよ」
そんなこんなで俺ん家での特訓は進んで行った。
ちなみにその後、瑠莉姉が乱入してきて特訓ルームに3人ともフルボッコにされたのは言うまでもないだろう。