昼休憩が終わり続々と生徒と観客が戻ってきた。
『最終種目発表の前に、敗れた皆に朗報だ! あくまで体育祭! 全員参加のレクリエーション種目も用意してあるぞ! 本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ、ってアリャ? どーしたA組!?』
A組女子が横並びになっている姿に、誰もが微妙な視線をなげかける。
「響香…どうしたんだよ、そのカッコ」
「言わないで…」
俺が響香に言うと赤面しながら響香は答える。
それもそのはずだろう、A組女子全員が"チア衣装"を身に纏っていたのだ。
「峰田さん上鳴さん! 騙しましたね!」
八百万の叫びに、2人を知る生徒はすぐに事情を察する。
やっぱあのエロ男子共か、と。
「transform,ロズレイド」
俺はロズレイドに変身し、無言のまま主犯である二人に近づいていく。
「ん、どーした我羅琉ってギャー!」
「首が!首がヤバいって!もげる、もげるから!」
そして二人の首を俺から伸びる弦で締め上げる。
ああ、いい悲鳴だ。
まだ交渉してさせるならまだいいが、騙してさせるのはダメだろ…。
「…牙那、その位置キープね」
「「ギャアアアアアアアアッ!」」
そして、腹に据えかねたらしい響香のイヤホンジャックにより、2人は撃沈した。
「……悪とは滅びる運命」
常闇の言葉に、誰もが頷いた。
「何なら上着貸してやるけど」
俺はバカ二人を締め上げた響香に声をかける。
「あー、逆に恥ずいからやめとく。ありがとね」
「りょーかい、まあそのままでも眼ぷ…オイ、響香。悪かったからその攻撃態勢に入っているイヤホンジャックを下ろせ」
失言だった。すまない。
「アホ2人捕まえた功績がなかったら、撃ち込んでたよ」
あっぶねー。
『さあさあ皆楽しく競えよレクリエーション! それが終われば最終種目! 総勢16名からなる、1対1のガチバトルだ!』
ダウンした2名を無視したまま、体育祭は進行していく。ミッドナイトが壇上に上がる頃にはいつのまにか気絶した上鳴と峰田が邪魔にならない位置に移動されていた。
『それじゃあ先に、組み合わせ決めのくじ引きしちゃうわよ。決まったらレクリエーションを挟んで開始になります。進出者16人はレクに参加するかは自由。息抜きしたい人、温存したい人それぞれね。じゃあ、1位チームから──』
「あの、俺、辞退します」
抽選が始まるタイミング。おもむろに尾白が手を上げた。突然の申し出にざわめきが起きる。
「どーしたよ尾白、なんかあったか?」
「騎馬戦の記憶、ほぼ終盤ギリギリまでぼんやりとしかないんだ。多分、ヤツの個性で。チャンスの場だってのはわかってる。それをフイにするのが愚かなことだってのも。……でもさ、皆が力を出して争ってきた座に、こんなわけわかんないままそこに並ぶなんてことは、俺にはできない」
「僕も同様の理由から棄権したい。実力如何以前に、"何もしていない者"が上がるのは、この体育祭の趣旨と相反するのではないだろうか」
B組の庄田二連撃もそれに続く。まあ確かに何もてないってのはな…。
…さてどうするのか。確か権限はミッドナイトにすべて委ねられていたはず。
「そう青臭いのは…、
尾白猿夫、庄田二連撃、二人の棄権を認めます!」
(((好みで決めた!!)))
これにより繰り上がりとなった5位の拳藤チームは2人の意気を汲んで、終了直前まで上位に居た鉄哲チームに権利を譲渡。こうして、多少の波乱を起こしつつも最終トーナメントの組み合わせが決まった。
組み合わせの結果俺の相手はさっき締め上げた上鳴に決まった。まあ、軽く捻ってやるとするか。
大丈夫だとは思いますが、残酷な描写とR15のタグを追加しておきました。