その後の二回戦は常闇が芦戸をしっかり退け、切島の硬化を突破した勝己が勝利を収めた。
『これでベスト4が出揃ったぁ! 今回リングは壊れてねーし、早速始めていくぜ! 準備オーケー!?
大氷壁に大爆発! ド派手に魅せる轟! バーサス!地震や不思議空間を作り出す!なんでもできる我羅琉!
さあ運命の準決勝第一試合、…スタートォ!』
「Transform,キュウコン!」
俺が変身したのはきつねポケモンのキュウコンだ。氷をメインに使う轟にはもってこいだろう。
それと同時に瞬殺を狙った轟は俺に向かって氷壁を迫らせる。
なら、真っ向勝負で行ってやるか。
俺は大きく空気を吸い込む。
「かえんほうしゃ!」
俺から放たれた炎撃は轟の氷壁を一気に溶かす。
…その後も轟が氷壁を展開し、俺がそれを溶かすというのを何回か繰り返した。だが戦ううちに俺は気になったことがあった。
轟が炎を放ってこないのだ。さっき出久との対決で何かつかんだのかと思ったのだが。
「オイ、轟!なんで左の力を使わねえ!氷だけじゃ俺に溶かされるだけだぜ?」
「なんでお前に使わなきゃいけねえ!確かに緑谷との勝負じゃ使ったができる限り使いたくねえ!」
「そういうことかよっと!」
俺は氷壁を躱しながら言う。
「なあ、轟。ある程度吹っ切れたとは言えまだ抵抗があるんじゃねえのか?抵抗がねえってんなら俺に向かって左使って来いよ!」
それに対し轟は叫ぶ。
「うるせえ!何回も、何回もやめることを許されねえ特訓をやらされて、唯一の支えだった母さんまで奪われた俺の気持ちが分かんのかよ!そんな奴の力を使えると思うか!」
「ああ、わかんねえな!」
俺はそのまま続ける。
「俺だってな、やめたくなる特訓をさせられた!ヴィランに親だって奪われた!…でもな、それでも強くなりたかった!追いついて自分の力を見せたかった!お前もそうなんじゃねえのか!」
「違う!俺は…」
「違わねえだろ!なら今ここにいる理由は何だ!雄英に入った理由は何だ!俺とこんなにバトってる理由は何だ!それがお前の答えだろ!」
なあ轟、と俺は言ってさらに続ける。
「左の力はお前の力だ!それ以外のナニモンでもねえ!左を使いたくねえなら無理やりにでも使わせてやるよ!」
俺は自身の体内からエネルギーの詰まった球体を作り出す。
「エナジーボールッ!」
轟に向かっていきそれは大きな大爆発を起こす。
『我羅琉の攻撃が大爆発を起こした!轟は大丈夫なのかァ!」
『いや大丈夫だな』
『え』
『見てみろよ、リングを』
そこを見てみると、大爆発の中から左腕から熱を放つ轟が見えた。
なるほど、あの爆発は炎とエナジーボールがぶつかったときに出来た奴か。
「へえ、やっと使いやがったか」
「…もうこっからは手加減出来ねーぞ、我羅琉」
「分かってるさ、俺は最初から最後までクライマックスだぜ!」
そして試合は再開し、一気に轟が炎熱を放ってくる。俺はそのまま防御をせずに受ける。
轟が放った炎熱は俺の体に吸収される。
『な、なんだァ今のは!?轟の炎が我羅琉にダメージを与えることなく吸収されたぞ!?』
「…チッ、上鳴のときと同じようなやつか…」
マイク先生の驚愕の表情、轟からは苦虫をかみつぶしたような顔が見える。
「ご名答、キュウコンの特性はもらいび。相手の炎熱を吸収し自分の技の威力を上げるって特性だ。これのために俺はお前に炎を使わせた!」
「まさか、さっきのお前が言ってたのは…」
「残念ながらそれは本当の話だぜ。お前と話をしていただけだ。…炎を使わねえと俺に勝てねえって思って使っただろ。炎は俺に対して有効だと思ってただろ」
そして笑いながら俺はこう言う。
「あれ。ノせられちゃった?」
俺は轟からもらった炎熱を生かし最大限までため込む。
それを見て轟が俺に対して氷壁を放ってくる。だが俺はそれを気にせずに大技を放つ。
「オーバー、ヒートォ!」
放たれた炎熱は氷壁を軽々溶かし轟をふっ飛ばす。
次の瞬間に人々の目に映っていたのは立つ俺と倒れた轟の姿であった。
『轟君場外!我羅琉君決勝進出!』
俺は轟を退け、決勝に駒を進めた。
俺は最初から最後までクライマックスだぜ!…元ネタはモモタロス(仮面ライダー電王)。やっぱりバトルシーンに合う。
あれ。ノせられちゃった?…元ネタは九条貴利矢(仮面ライダーレーザー)。騙すと言えばこの人。