選手控室。
決勝戦を直前に控えて、俺は集中力を高めていた。
相手は常闇の個性の弱点を見抜き見事に勝利した勝己。
あいつの戦闘センスは本物だ。現役のヒーロー達にも劣らないだろう。
昔から一緒に特訓してきた…、だから負けられない。
俺は淹れておいた紅茶を一飲みしてフィールドに向かった。
◇ ◇ ◇
『いよいよ来たぜ決勝戦! とうとう! 遂に! 雄英1年のトップが決まる! もう多くは語らねえ! 爆豪バーサス我羅琉!』
会場は熱気が最高潮だ。マイク先生の実況にも熱が入っている。
「まっさかお前とここでやりあえるとは思ってなかったよ、勝己」
「ああ、今日こそ勝ってやんよ」
勝己も準備は足りてるようだ。
「牙那、いつもので来やがれ。それを潰してこそ俺はお前を超えられる」
「ああ、もちろんそのつもりだぜ」
勝己の挑戦的な言葉に俺は返す。
『さあ、泣いても笑ってもこれが雄英体育祭1年の部、最終試合だ!カウント始めるぜ!』
実況のマイク先生が叫ぶ。
『3!』
あっちは今まで超えられなかったものを超えるため。
『2!』
こっちは周りに自分の実力を見せるため。
『1!』
お互いの思いは違っているが目指すものは一緒だ。
『スタートォ!』
今体育祭最後の勝負が始まった。
◇ ◇ ◇
「Transform,コジョンド!」
俺はいつも使うコジョンドに変身する。やっぱこいつが戦いやすい。
「くたばれっ!」
『開幕と同時に大爆発! いきなり優勝者が決まっちまうのかぁ!?』
リングの半分近くを覆い尽くす爆発。ゆっくりと煙が晴れると、そこには誰も居ない。
「どこ行きやがった…ちっ、上か!」
「ご名答だ!」
俺は飛び上がりそのまま攻撃態勢に入る。
「オラよっと、とびひざげり!」
俺は勝己の鳩尾に膝蹴りを叩きこむ。特性「すてみ」の効果で他のポケモンより高威力で放つことができる。
『爆豪に高威力の膝蹴りが入ったァ!』
俺はすぐさま次の攻撃に入ろうとしたが移動できない。
「絶対、その攻撃、してくると思ったぜ牙那!」
勝己の腕がしっかりと俺の足を掴んでいたのだ。
「死ねぇ!」
勝己が起こした爆発が俺の目の前で起こる。だが俺も対応する。
「ファストガード!」
『爆豪がダメージを受けたがカウンター!だがしっかりと我羅琉もしっかりガードォ!』
『爆豪は攻撃を読んでいたな。我羅琉予想できてなかったが対応したな』
俺はしっかり守って、再び距離をとる。遠距離攻撃の体制に入る。
「はどうだん!」
体の奥からエネルギーを集め、勝己に攻撃を放つ。
「こいつは確か回避できねえ、なら…、先に攻撃を与えればいい!」
勝己が思いきり波動弾に攻撃を与える。
それによって起こった煙がフィールドを覆う。俺はそれに乗じて勝負を決めに行く。
「決める!」
俺はそこから勝己の方へ一気に飛ぶ。
「ってめ…」
「お前がその行動に出ることは知ってたぜ!」
目の前に勝己の顔が広がる。
「はっけい!」
攻撃を受けた勝己は吹っ飛ぶ。
「はっけい!」
高速で勝己の懐に入り再び攻撃を与える。
勝己は反対向きに爆破を起こし、スピードを落とす。
だがスピードを落としたことは命取りになる!
俺は勝己に向かって一気に飛んでいく。
「とびひざげり!」
勝己はさっきの攻撃は読んでいたみたいだがさすがにこれは読めなかったみたいだ。
攻撃を受けた勝己はスタジアムの壁にぶつかる。
俺は変身を解き右腕を突き上げる。
『爆豪君場外!勝者、我羅琉牙那!』
体育祭最後の戦いがついに終わりを告げた。