先生たちから話があって俺たちにはボードとペンが配られる。既に決めていた者は早速取り掛かり、そうでない者は唸り悩む。
「じゃ、そろそろ出来た人から発表してね」
発表形式だと!?個人で決めて先生に許可貰うだけじゃないのかよ!
周りもざわつく。まあ、俺としては問題ないが、恥ずかしい奴はいるだろう。
しかし、物怖じしない者も居る。芦戸が前に出て行く。
「じゃあまずアタシね。ヒーロー名"エイリアンクイーン"!」
おおっと!?
「2! 血が強酸性のアレを目指してるの!? やめときな!」
「ちぇー」
ミッドナイトに却下され、唇を尖らせて芦戸は自席に戻る。しかし、文句をつけたいのは俺たちだ。
((最初に変なの来たせいで、大喜利っぽい空気になったじゃねーか!))
その空気の中、一人の女子が前に出る。
「じゃあ次、私いいかしら。……小学生の時から決めてたの。"フロッピー"」
「カワイイ! 親しみやすくていいわね。皆から愛されるお手本のようなネーミングね」
「「フロッピー!フロッピー!フロッピー!」」
((ありがとう、梅雨ちゃん。流れが変わった!!))
確かに可愛らしく、親しみやすい良い名前だ。そして変になりかけていた空気を戻してくれた。ありがとう蛙水!
この流れで俺も行こう。
「俺はコレ、変身ヒーロー"キバナ"」
「「名前!?」」
クラス全員から突っ込まれる。まあ、そうなるよな。
「あー、コレにも一応由来あってな、八百万」
俺は八百万に振る。
「何でしょうか?」
「お前、キバナコスモスの花言葉って知ってるか?」
「ええ、確か…『野生的な美しさ』だったはずですが」
正解だ、と言って俺は続ける。
「野生的に荒々しく、尚且つ美しく。それができるヒーローになりたいからこうした」
ミッドナイトも賛同してくれ、クラスのみんなも同じようだ。それを聞いて俺は胸を撫でおろす。
だが問題は再び起こる。
「勝己、爆殺王はないな、うん」
「んだコラ牙那、文句あんのか」
「まず子供が連呼することを考えたら”殺”はやめといた方がいいだろ」
一応言っておいたのだが、その後「爆殺卿」を出してきたのでもう諦めた。
◇ ◇ ◇
「エンデヴァー、エッジショット、リューキュウ、ギャングオルカ! トップランカーから指名来てんのか!」
「優勝したらこんなに来るのか…」
上鳴が俺に対する指名リストを見て言う。切島も同様だ。
「で、牙那どうすんの?全部調べるってわけにはいかないし。あと2日しかないし」
そう言ったのは響香だ。確かにそうだな。
「ああ、瑠莉姉とか消太さんにも聞いてランク上位から選ぼうかなって思ってる。他の指名くれたヒーロー達には申し訳ないけど」
俺はそう答え、数十枚にも及ぶリストを手に取り、考え始めた。
バトル系と救助系どっちにしよっかなー…。