演習試験がスタートした。
俺と麗日は13号先生の射程外へと離れ、作戦を考える。
俺たちの姿が見えなくなったことにより13号先生はゴール付近へ向かったようだ。
「逃げの一手がいいと思うけど牙那君はどう思う?」
「賛成だが…、おそらく先生はゴール付近に行ってる。クリアするならどっちみち先生を倒さなきゃなんねえ」
「つまり、逃げても真っ向から勝負しても最終的には一緒ってこと?」
「そういうことだ」
麗日の疑問に答えながら俺は続ける。
「…やるとしたら一人が先生を無理矢理ゴールから引き剝がして、その隙にもう一人がゴールするかだな」
「え…、牙那君やるの?」
「…やるしかねーだろ。俺を誰だと思ってるんだ?」
俺は笑いながら言う。
「…でも、それなら私も先生と戦いたい!牙那君に全部任せるわけにはいかんよ」
「…13号先生と戦える理由は?」
「え、13号先生のブラックホールは逃げるのはしんどいけど、近づけばその個性も使えなくなるんじゃ…」
麗日が言うが俺はそれを否定する。
「それは13号がヒーローならって話だ。今回の俺たちの状況を考えてみろ」
「えーと…、私たちとヴィランを想定した先生が戦うってことだったはず…」
「そうだ、だから余り近づけないんだよ。今回のあの人はヒーローの13号じゃなくてヴィランの13号。ヒーローを殺すっていう選択肢も考えてることも視野にいれないと。殺さないっていう前提はないものって思った方がいい」
「た、確かに…」
俺の説明に麗日も納得したようだ。
「それに、麗日みたいに個性でスピード上げれる奴じゃないといわないよ。俺もその辺りを考えてないわけじゃないしさ」
「分かった、牙那君お願い!」
◇ ◇ ◇
麗日と話をした後、俺は13号先生と対峙している。ちなみにブラックホールの射程圏外だ。
「13号先生そこどいてもらえますか」
「それはできないよ。麗日さんはどうしたの?」
「役だとしてもヴィランに教える情報なんてあると思いますか?」
「フフッ、それもそうか」
13号先生と軽い会話をした後、俺は戦闘態勢に入る。
俺が変身したのはやいばポケモンのエルレイド。エスパータイプと格闘タイプを併せ持つ珍しいタイプのポケモンだ。
「変身ヒーローキバナ!
「かかってくるがいいさ!」
そう言って13号先生はブラックホールの範囲に入れようと俺との距離を近づけてくる。
だが今の俺はエルレイドだ。13号先生の考えが俺の頭の中に入ってくる。それを読んだ俺は13号先生にこの技を放つ。
「いわなだれ!」
先生の上から夥しい数の岩を落としていく。
「無駄だよ!」
だがそれはブラックホールで次々に吸い込んでいく。
…でも、それが防がれることは知っている!
俺はテレポートで13号先生の懐に入る。
「ローキック!」
13号先生は近くの建物にぶつかる。
「今だ、麗日!」
「分かった!」
…この距離ならブラックホールは届かない。個性で自身の体を軽くした麗日は一気に駆けていく。
「いかせない!」
「それはこっちの台詞っすよ!」
13号先生がブラックホールを届かせようとするが俺がその進路を阻むような位置をとる。チッ、大分引っ張られる…!
近くにあったガードレールを掴んで飛ばされないようにして俺は攻撃する。
「ストーンエッジ!」
地面から刃のように尖った岩を呼び起こし先生を吹っ飛ばす。
「サイコキネシス!」
さらに俺はサイコキネシスで13号先生を地に伏せる。
結構強めで抑えてないと動かれる。力セーブされてるとは言えさすがの力だ。
俺たちの作戦はここから抜けて動かれたら終わる、鍵となるのはいかに先生に仕事をさせないかだ。
そしてその間に麗日がゲートを走り抜ける。
『麗日・我羅琉ペア、条件達成』
「よっしゃあ!」
ゲートから聞こえる合格の合図と麗日の喜びの声が聞こえた。まずは安心した。
こうして俺と麗日は期末テストをクリアした。
変身ヒーローキバナ!
エルレイドの理由…特攻は高くないがサイキネ・いわなだれ・ストーンエッジ・ローキックをすべてレベルorマシン・レコードで覚えることができるという点で採用。同じタイプのチャーレムだとサイキネを覚えなかったのでこっちに。