個性「tfポケモン」   作:W297

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49話

 

 遂に合宿初日である。

 

 俺は無理矢理ワイプシコスチュームに着替えさせられて、消太さんたちと集合予定の広場に連れて来られた。ちなみに来ているのは俺とマンダレイさんとピクシーさんと洸汰。

 

 そうこう話をしているうちにバスのエンジンの音が聞こえてきた。来たようだ。

 

 バスが止まり、長時間のバス移動で凝り固まった体をほぐしながらA組のみんなが降りてくる。雄英からだったらバスは長いよな…。

 

「あれ、ここパーキングじゃなくね?」

 

「つかB組は?」

 

 アイツらがそう思うのもその通りだろう。ここは山あいの開けた広場のようになった場所だ。遠くまで広がる森林と山々が一望できる、長閑で見晴らしの良いところではあるが休憩所のような施設はおろか自動販売機の類のものもない、何もない場所だ。そこにあるのはバスと一台の自動車だけである。

 

「煌めく眼でロックオン!」

 

「ふとした時にやってくる!」

 

「キュートにキャットにスティンガー!」

 

「「「ワイルドワイルド、プッシーキャッツ、Withキバナ!」」」

 

 効果音が付きそうなの迫力でポーズを決めた。A組メンバーは一瞬フリーズ状態になっているような表情をしていた。

 

「我羅琉…、何やってるんだ?」

 

 そんな中、口を開いたのは轟だった。それを聞いてA組のみんなの表情が元に戻る。

 

「…恰好は気にすんな、ヤケだヤケ」

 

 消太さんもそんな俺を気にせずにワイプシの二人を紹介する。

 

「今回お世話になる、"プッシーキャッツ"の皆さんだ」

 

 それを聞いた後出久がいつものヒーローオタクっぷりを発揮するように語り始める。

 

「連名事務所を構える4名1チームのヒーロー集団! 山岳救助等を得意とするベテランチームだよ! キャリアは今年で12年にもなる──へぶっ!」

 

「心は18ィ!」

 

 ピクシーさんの触れてはいけないとこに触れてしまったようだ。出久はピクシーさんの猫を模した手による掌打を顔面に受ける。

 

 そしてマンダレイさんが説明を始める。

 

「ここら一帯は私らの所有地なんだけどね。あんたらの宿泊施設はあの山の麓ね」

 

「「遠っ!」」

 

 改めて見てみる、…やっぱ遠いな。マンダレイさんが指し示したのは全景が見えるほどの距離にある山。クラスの大部分が反応する。

 

「え、じゃあ何でこんな半端な所に」

 

「…いやいや」

 

「バス、戻ろうか? …な、早く」

 

 雄英に入って僅か数か月ではあるが、思う存分に雄英のやり方を体験してきたから分かる。アイツらはとてつもなく悪い予感がしただろう。

 

「今は9時30分。早ければぁ…。12時前後くらいかしらん」

 

「いやーこいつらでもさすがにそれは無理でしょ。俺でも5時間かかったんですよ?早くて15時ぐらいじゃないっすか?」

 

 マンダレイさんと俺の薄っすらとした笑みがあいつらにその予感が間違っていないことを悟らせる。

 

「ダメだ、オイ……!」

 

「戻ろう!」

 

「バスに戻れ! 早く!」

 

 その行動は迅速なものだった。

 

 だが遅い。軽やかな動きで俺とピクシーさんが進路を塞ぎ妨害する。

 

「12時半までに辿り着けなかったキティは、お昼ごはん抜きね」

 

 ピクシーさんの手は大地に添えられ、俺は変身態勢に入る。

 

「Transform,ピジョット!」

 

 俺が変身したのはとりポケモンのピジョット。鳥ポケモンの中でバランスに取れた種族値が特徴のポケモンだ。

 

 ピクシーさんの手が添えられた地面は大きく盛り上がっていく。俺は大きく翼を動かし突風を起こす。

 

「悪いね諸君。合宿はもう、始まっている」

 

 消太さんが呟く。そして俺とピクシーさんが連携する。

 

「いくよ、キバナ!」

 

「分かってます!」

 

「「合技、土流大嵐!」」

 

 ピクシーさんの土流と俺の風起こしの二つを合わせた技によってA組の面々を崖下に落とす。

 

「私有地につき、個性の使用は自由だよ! 今から3時間、自分の足で施設までおいでませ!

 

 この"魔獣の森"を抜けて!」

 

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