俺は拳藤達がいる場所に戻ってきた。
「悪い、拳藤。今戻った」
「毒晴れて来たからやったとは思ってたけど…、やっぱ強いねアンタは」
「当然の結果。俺がこんなとこで負けるかっての」
拳藤が俺に聞いてきたがなんてことないように俺は返す。
「…拳藤、お前にも心配かけちまったな」
「いいよ、別に。おかげでこれ以上ガスを気にしなくてよくなったんだからさ」
まあ、それならよかったよ。拳藤も後ろに一人抱えてる。負担は大きくなっただろう。
「じゃ、私はそろそろ行くよ」
「え、そうなのか?」
「我羅琉とあっただけだったからね。他のメンバーも気になるしね」
「あ…、それは悪いことをしたな」
確かに会ったときは誰かを探してるようだったからな。
「良いって、私も助けられたし」
「ああ。だが気を付けろよ、どこにいるかわからねえからな」
「うん、そっちもね」
そう言って俺と拳藤は別れた。
◇ ◇ ◇
俺は息を潜める。
ヴィランがいてその上に出久たちがのしかかるような感じでやってきた。
ヴィラン達と出久たちの話を聞いている限り、勝己と常闇が相手に奪われたみたいだ。
勝己と常闇は相手の手の中で球状にされているらしい。
…奪うしかねーか。幸い俺には気づいていないみたいだしな。
「…Transform,エルフーン」
俺はかぜかくれポケモンのエルフーンに変身する。
こいつはどんな隙間にも入ることができるポケモンだ。
「…どろぼう!」
俺は一気に相手との距離を詰めて、相手から球状のものを奪う。
「これは返させてもらったぜ、ヴィランさんよ」
「お前知ってるぜ?誰だ!」
全身をラバーの服を着た男が俺に言ってくる。
「そこらにいるヒーロー候補生だ。お前らも知ってるはずだ」
「牙那君!」
「よお出久。話は聞いていたからな」
「よくやった我羅琉、逃げるぞ!」
障子が俺に言う。だが…、なんかコレ違和感があるな。
「Retransform,プクリン」
俺はプクリンにリレーする。
「…ちっ、コレ勝己達じゃねえな」
俺はプクリンの特性「おみとおし」を発動し見抜く。
「インチキ野郎、勝己達をどこにやりやがった」
「インチキとは言ってくれる。だが…正解だよ。ダミーだ」
そう言ってヴィランは舌を出す。
そこには俺が奪った玉のような物が二つある。
「くっそ!!」
そして俺たちが再び動こうとしたとき、ヴィラン達の後ろの空間が歪む。
「合図から5分経ちました。行きますよ、荼毘」
「っ!ワープの…」
黒霧が姿を現した。
「種は割れちまったが…トリックは成功だ。そんじゃーお後がよろしいようで…っ!?」
「行かせるかァ!」
俺はハイパーボイスを放つ。
それによって相手は二つの玉を落とす。
「ぐッ、頭が…!」
「全然効かねえなァ!くっそなんだコレ頭割れる!」
「今だ、轟、障子!」
俺の声が森に響く。
障子はしっかり掴んだ。
だが…、
「くそっ頭が…だが貰ったぞ。哀しいなあ…轟焦凍」
轟は届かなかった。
その後、荼毘の合図で個性をとき常闇は救出したが勝己一人がさらわれてしまった。
「かっちゃん!!」
「来んな…デク」
出久の叫びは闇に虚しく響いた。