ヴィラン達が現れてから数十秒後、オールマイトがここにやってきた。
オールマイトとオールフォーワンの戦いが始まり周りには一気にその衝撃波が広がる。
「5年前と同じ過ちは犯さん、オールフォーワン」
「爆豪少年を取り戻す!そして貴様は今度こそ刑務所にぶち込む!貴様の操るヴィラン連合もろとも!」
オールマイトが一気に勢いをつけて距離を詰める。
だがオールフォーワンは落ち着いた口調で返す。
「それは…やることが多くて大変だな。…お互いに」
オールマイトは一気に飛ばされる。空気を押し出すってやつを筋力増強でさらにパワーアップ。なんでもありかよ…。
「オールマイトォ!」
勝己が叫ぶ。まああれぐらいならオールマイトが死ぬことはないだろうが…。
「ここは逃げろ、弔。その子を連れて」
オールフォーワンはそう言いながら、黒霧に対し個性を強制発動させて、ワープゲートを展開する。
…まずいな。このままだと勝己を連れていかれる。ここから再び攫われたとしたら勝己の場所を探しあてるのは不可能に近いだろう。
ここで取り返さないとゲームオーバー。なんとかしないと。
…だが、俺たちは戦えねえ。どこかに隙はねえのか…。
「牙那君、みんな!」
そのピリピリとした空気の中で出久が口を開く。
「だめだぞ、緑谷君…」
飯田が言う。戦うとでも言い出すと思ったのだろうか。
「違うんだよ、あるんだよ!決して戦闘にはならない、僕らもここから去れる、それでもかっちゃんを助け出せる方法が!」
「本当か出久、言ってみてくれ」
俺が出久に対して言う。出久は続ける。
「うん、だけどこれはかっちゃん次第でもあって…、この策だと僕じゃ成功しない。だから切島君、君が成功率を上げる鍵だ」
切島…か。確かにこいつは数少ない勝己と対等な関係の一人だ。
勝己のプライドは並大抵のもんじゃない。下に見てるやつに助けられるのは間違いなく屈辱だ。それなら自分でなんとかしようとするだろう。
「かっちゃんは相手を警戒して、距離をとって戦ってる。タイミングはかっちゃんとヴィランが2歩以上離れた瞬間」
「博打ではあるが…、状況を考えれば俺たちへのリスクは少ない…。何より成功すれば、すべてが好転する…」
出久の言葉に飯田が返す。…それしかねえな。
俺たちは出久の作戦に乗ることにした。
今、俺はレントラーからTrans状態を解除していない。リレーなら電気とエスパーか。
「Transform,ライチュウ,アローラ」
俺はねずみポケモンのアローラライチュウに変身する。コイツは唯一のでんきタイプとエスパータイプの二つのタイプをかけ持つポケモンだ。
さあ、やるとしますか。
◇ ◇ ◇
まずは出久と飯田で推進力を産み出す。
そして切島の硬化で壁をぶち抜く。
その瞬間、轟が氷でできる限り高くなるようにしたジャンプ台を作る。
ジャンプ台を作ったことによって少し遅れた轟を俺がサイコキネシスで浮かびあがらせ、集団に入れる。
そしてそのまま戦場を上から横断する!
ヴィラン達はまだ俺たちには気付いてねえ。今ならアイツらを出し抜ける!
そして今、オールフォーワンはオールマイトを食い止めてる。なら逆もそうだ。
そして勝己の直上を通過しようとするとき切島が叫ぶ。
「来ぉい!!」
こいつの呼びかけなら勝己は来てくれるはずだ!
俺たちの思惑は当たり、勝己は爆破を起こして上に飛び上がる。…来てくれたか!
「…バカかよ」
そして今勝己の手が切島によってがっちりとつかまれる。
「今だ、牙那君!」
出久から声があがる。
「了解したぜ!絶対全員俺から手を離すなよ!」
全員が誰かしらを通じて俺に触っていることを確認してから俺は叫ぶ。
「テレポート!!」
俺はテレポートを発動させ、俺たちは戦場から離脱した。