「こ、ここは…」
「俺ん家だ、八百万。テレポートを使ったら絶対ここに帰ってるって言う仕様になってるみたいでな」
八百万の疑問に俺が返す。
あの戦場となっていた神野の地から勝己を含む俺たちは俺の家にワープした。
「勝己、連合のやつらに薬とかは盛られてないよな」
「…ああ、別に体弄られたりはしてねえよ」
俺は勝己に聞いておく。
万が一洗脳やらをされていたら再びあっち側に行ってしまう可能性がある。まずは一安心だ。
俺は話を続ける。
「言っておくが、ここは少なくとも雄英並みには安全だ。この夜の間は安全のためにもここにいてほしい」
だが俺は後ろから近づく存在には気付いていなかった。
「…アンタが何えらそーに言ってんの!」
「痛てっ!」
俺は後ろから手刀を頭に受ける。
「全く、夜なのに下がうるさいって思ったら…」
…瑠莉姉だ。
「別にいいじゃん、瑠莉姉。文句はないんだろ?」
「ここは私の持ち家。アンタのじゃないから。…勝己、無事でなにより」
俺が文句を言うが軽くいなすように瑠莉姉は言う。…瑠莉姉も勝己のことは心配だったようだ」
「…アンタに心配されるほど弱くねえ」
「そっか。まあコイツもさっき言ったけどここにいる限りは安全は私が保障するよ」
「あ、ありがとうございます…」
瑠莉姉の言葉に切島が答える。
「さて、アンタ達はこれ見なくていいの?」
瑠莉姉がそう言いながらテレビをつける。
そこに移っていたものはというと…、
「うそだろ、アレがオールマイトなのか…」
「体がいつもの体型じゃないし…」
オールマイトの体は筋骨隆々のマッスルフォームではなく、やせ細ったトゥルーフォルムとなっていた。…ここでかよ。
「アレがオールマイトの本当の姿。今までは時間制限がありながら、その制限の中でヒーロー活動をやっていたの。…本当にすごい人だよ」
瑠莉姉が言う。あの姿を知っているのはヒーローや公安の中でも数少ないメンバーしか知らない。
俺はヴィラン退治をしているときに見てしまったことがあるから知っているだけであり、瑠莉姉は昔からオールマイトとは連絡を取り合ってる。俺の雄英入学のときにもいろいろと確認したらしい。
…今ここで平和の象徴であるあなたが倒れてしまったらこの国は終わりですよ、オールマイト。
そして、グラントリノに何かを言われた後、オールマイトの片腕だけがマッスルフォームになっていた。
多分最後の力だろう。
「多いよ…!ヒーローは…守るものが多いんだよオール・フォー・ワン!!だから…負けないんだよ!」
俺の周りにいる、出久や勝己も、全員が声援を送っている。
テレビからオールマイトの声が聞こえてくる。
恐らくオールマイトにも俺たちの声援と気持ちが伝わり力になっていることに違いない。
熱気に当てられたかのように全てがオールマイトを後押しする。
「煩わしい。もう終わりにしよう。確実に殺す為に、今の僕が掛け合わせられる最高・最適の個性たちで…君を殴る」
オール・フォー・ワンも全力を持って片をつけるつもりだ。
だが、オールマイトは相手の攻撃を上手く相殺し、全力の一撃を叩き込む。
「「勝てや、オールマイトォ!」」
『UNITED STATES OF…SMASH!!!』
腕を思い切り振り切った後、オールマイトは腕を高々とあげる。
オールマイトの勝利だ。
…アンタやっぱ最高のヒーローっすよ。