神野の悪夢と呼ばれた事件によりさまざまなことが起きた。
まずはオールマイトの引退である。
あの姿を周りに知られては無理だろうし、オールマイト自身も力を使い切ったらしい。
そして数多くのヒーロー達が活動休止となった。
重症を負ったベストジーニスト、ラグドールがオールフォーワンに個性を奪われた影響により活動できなくなったワイプシなどの有名どころが活動休止になった。
そして案の定、ヴィランの数が増えた。
依頼数は変わっていないのだが、屯するヴィランが増えた。
…まあ、なんてことない実力の奴らばかりではあったが。変身するまでもなく仕留めることができるレベルだ。
その数日後、消太さんが家にやってきた。
「全寮制、…いいよな、瑠莉奈、牙那」
「ええ、大丈夫ですよ。コイツにもいい経験になると思いますし。全寮制って滅多に経験できませんし」
「俺もっす。仕事できなくなるのは痛いですけどね」
消太さんが俺たちに言ってきたのは雄英高校の全寮制についてだ。
理由としては昨今の増加するヴィランからの安全を確保するため…というのが表の理由であり、主目的は全寮制によって内通者をあぶりだすことらしい。
まあこれでわかるのなら仕方ないだろう。ヴィラン退治は出来なくなるが仕方ないか。
「すまない、こっちの勝手で」
消太さんが俺たちに頭を下げる。
「仕方ないですよ、さすがにあんな事件があってなにもしないってのはないって思ってましたし」
俺もそれに返す。
あれから雄英も世間からの風当たりが強くなった。準備出来ていなかったとはいえ守れなかったというのは雄英側に重くのしかかっている。
教師陣のみなさんも気にしているんだろう。
ただでさえオールマイトの引退により忙しくなったうえにコレだ。
俺たちも負担をかけないように動いていかないと。
「後、お前爆豪を助けに言っただろ」
…バレてーら。
「まあ言わなくても分かってるからな」
「まじっすか。でも俺はあの時正しい選択をしたって思ってますよ。戦いたかったですけど」
「戦うなよ…?まず2学期でヒーロー仮免取るまでは外で戦うな」
消太さんに釘を刺される。
「分かってますよ、一時的に「ドラゴストーム」は活動休止っすね」
休止…せざるを得ないんだよな。
俺が活動していないとわかればヴィラン達は活性化するかもしれない。
かといって先生たちに、俺だけ毎夜外出を認めるっていうのは出来ないだろうし、もしそれをすると俺が何をしているのかと間違いなく疑われる。
1Aの面々などの雄英教師陣を除くメンバーにバレるのを防ぐためには仕方ないか…。