仮免試験が始まった。
ルールとしては、それぞれ6つのボールを携帯し、3つのターゲットを身につけて行い、3つ目のターゲットにボールを当てた人が"倒した"ということとされ、2人倒した者から勝ち抜くというもの。
ターゲットは体の好きな場所、ただし常に晒されている場所に取り付けることが決まりになっている。脇の下や足裏は反則らしい。まあ適当に張り付けておこう。
◇ ◇ ◇
試験が始まり、俺たちは毎年恒例と言われている雄英潰しに遭遇した。
なんとか全員で塊になって攻撃を防いでいたのだが、真堂さんの技「震伝動地」によってバラバラにされた。
その後、合流できたのは響香、障子、蛙水、八百万の4人。
ひとまず建物の中に入り形勢を立て直すということになり、入っていった後だった。
「階段を歩く音がいくつか、登ってきてる!」
響香がイヤホンジャックを壁にさして相手の出方を探る。
陽動なのかコレは?響香の個性含め俺たちの個性は相手には既にバレてるはずだ。そんな奴らが真正面に来るか?
俺と同じく八百万も考えているようだ。
…まてよ、なら響香の耳の良さを逆に利用されたら…。
「響香!今すぐ壁からイヤホンジャックを外せ!」
だが、俺の言葉は一足遅かった。
「え…、ぐわあああ!」
「「耳郎さん(ちゃん)!」
響香の個性を逆手にとってきやがったか!
「響香、立てるか?」
「うん、なんとか…」
だが、そういう響香の耳からは血が出てきている。このままじゃまずい。
しかし、相手は攻撃の手を緩めない。
「ちっ、次は俺の目を封じるつもりか!」
次のターゲットは障子。周りにあるガラスが次々に割られていく。一気に外の景色は見えなくなっていく。
響香が腕に装着していた音響増幅装置も壊され、入り口を見ると隙間が溶接されていた。それだけでは終わらない。
「蛙水、どうした?」
「…少し眠くなってきちゃって、私寒いところは苦手なの…」
空調を見ると、冷たい空気が流れ込んできており、部屋の気温は急に下がってきていた。恐らくは蛙水を封じるためだろう。
「Transform,ウルガモス」
俺が変身したのはたいようポケモンのウルガモスだ。寒さ対策ならもってこいのやつだろう。
「牙那、それって」
「ないよりはマシだ、響香。少しだけだが対策にはなると思う」
「あ、確かに暖かくなってきましたわ…」
万が一のため、蛙水は障子が複製腕で覆っている。そして俺はその言葉の後、八百万に聞く。
「八百万、どうするんだ」
「…牙那さんは、あの扉は破壊できますか?」
八百万は俺に聞いてくる。
「ああ、出来るが…、恐らく相手も多く控えてるぞ。開けた瞬間に投げられまくってoutってのが高いな」
恐らく相手は俺が軽く扉を吹っ飛ばせるくらいは知ってるはずだ。
この部屋から脱出できる方法は溶接されたドアを吹っ飛ばすことのみ。外の割られた窓には既にシャッターが降りており、完全な密室になっている。
ドアを閉めたまま、向こうの相手を倒す方法か…。
「…浮かびましたわ」
来たか。
「耳郎さん、イヤホンジャックはまだ使えますか?」
八百万の言葉に響香は頷く。
「うん、ヤオモモ」
その言葉の後八百万は何かを作り出す体制に入った。
八百万の作戦を信じますか。