個性「tfポケモン」   作:W297

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69話

 

 八百万が作ったのはでかい音響装置のようなもの。それと俺たち5人分のヘッドホンである。

 

「なあ八百万、これって…」

 

 俺の言葉は八百万の言葉によって遮られる。

 

「皆さん付けてください。後、耳郎さんはここへイヤホンジャックを」

 

 俺たちは言われた通りにヘッドホンを装着する。

 

 そして響香が音響装置に挿すと…、

 

「…なん、だ、コレ…!?」

 

 ヘッドホンをしていても聞こえてくる…、というか頭にガンガンとする衝撃が走った。

 

 コレ、ヘッドホンありでこの状態だからなしだったら相当やべえぞ!?

 

 数十秒後、音が止まり、八百万からヘッドホンを取れという指示が入り、さらに八百万から指示が出る。

 

「牙那さん、お願いします!」

 

「任せろ!」

 

 俺は答え、鎧を纏うように炎を体に纏っていく。

 

 そして、俺はそのまま扉に勢いよく突っ込む!

 

 

 

「フレア、ドライブッ!!」

 

 

 

 頑丈に封じられた扉は軽く吹っ飛び、俺たちは久しぶりに部屋の外に出ることができた。

 

「やった、大成功!」

 

 響香が言うように部屋の外には多くの人が倒れていた。

 

 終わった後、八百万に聞けば高周波音撃装置というものだったそうで、頭に強い衝撃を与え気絶させるというものだったそうで、それを使うために響香のイヤホンジャックを使ったらしい。

 

 …だが倒れていたのは全員ではなかったみたいだ。俺たちの不意を突いて八百万が部屋へと連れ戻される。

 

 まだ、倒れ切ってなかったか!

 

 だが、相手の攻撃は未遂に終わる。八百万が手錠を作って相手を逃げられなくし、ボールが握られた手は復活した蛙水の舌でしっかりと巻かれる。…あっぶねー。

 

 相手もそれを受けて観念し負けを認めた。

 

 その後、俺たちは倒れていた人たちにボールをぶつけて一次試験を突破した。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 俺たちが控室に戻ると轟が先に来ていた。

 

 初めから俺たちとは別行動で、一人で巻き込まれたらしいが何とか突破したらしい。

 

 そんなことを話しながら俺は治療に入る。

 

 俺以外のメンバーは大きく体力をそがれている。このまま二次試験に突入させるのは厳しいだろう。

 

「Transform,タブンネ」

 

 俺は慣れた手つきでヒヤリングポケモンのタブンネに変身する。

 

「いやしのはどう」

 

 俺は手をかざし癒しのはどうを送っていく。これは使う対象の最大体力の半分を回復させるという技だ。

 

 回復をひとしきり終えた俺に轟から質問が来る。

 

「お前らは5人で行動していた経緯ってなにかあるのか?」

 

 俺は変身を解除して、その質問に答える。

 

「会場に入る前に会った傑物学園の真堂ってやつ、アイツにやられた」

 

 それに響香や蛙水も続けていく。

 

「地面ごとブチ割られて、分断されちゃってさ」

 

「響香ちゃんも割ったから、お互い様かもしれないわ」

 

 それを聞いて轟が言う。

 

「真堂って、あの笑顔で俺たちと話に来たやつか?」

 

「そう、あの作り笑顔のね」

 

 俺の言葉は「え?」という4人の声で途切れさせられる。蛙吹と障子、響香、轟だ。

 

「八百万はやっぱ分かってたか」

 

 俺は唯一驚かなかった八百万に対して言う。

 

「ええ。パーティーなどで見かける、こちらを探ろうとする目つきに似ていましたので」

 

「ブルジョワジー……!」

 

 そんな感じで、俺たちは話を続けていく。それは一次試験が終わって、1年A組の面々が全員合格したことを知るまで続いた。

 

 …たまにはこういうのもいいだろう。

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