個性「tfポケモン」   作:W297

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73話

 ヴィランが狙うのは主にヒーローのような強者よりも弱者を狙う。自明の心理だ。

 

 そしてヒーローはさらなる犠牲を出さずにやらなければならない。ヒーローがヴィランを倒したところで大幅な被害が出ればそれはヒーローの勝利とはいかないだろう。

 

 今回ヴィラン役として俺たちの前に現れたのはプロヒーローのギャングオルカ。神野の事件でも招集されたようにその実力は本物だ。

 

「俺が時間を稼ぐ!みんなはその間に怪我人たちを連れて避難を!」

 

 真堂さんがギャングオルカに対して突っ込んでいき、その間に俺たちは怪我人たちを避難させる。

 

 …だが、さすがはプロヒーローと言うべきか。

 

 ギャングオルカは攻撃を受けたうえで、逆に超音波であろう攻撃を叩きこむ。それによって真堂さんはKOとなった。

 

 やべえな。このままだとこっちに来るのは時間の問題だ。

 

 さらに、戦えるタイプの人たちは既に戦うことを余儀なくされている。

 

 …俺が行くしかねえか。

 

 

 

「Transform,バシャーモ!」

 

 

 

 俺はもうかポケモンのバシャーモに変身する。

 

 コイツの特徴は何といってもバランスの良さだ。攻撃・特攻の値が高く、それ以外の数値も平均水準以上の値を誇る。

 

 俺は相手との距離を詰めながら技を放つ。

 

「にほんばれ!」

 

 この技はここ一帯を「ひざしがつよい」状態にするというものだ。バシャーモが主に使う炎技を強化してくれるというのも一つだ。

 

 ギャングオルカの弱点は乾燥だ。少しでも能力をさげておかねえと。

 

「…瑠莉奈の弟か」

 

 ギャングオルカが言う。瑠莉姉は何回かチームで仕事したって言ってたっけ。俺はその人に対して言う。

 

「ええ。アンタの運命(さだめ)は、俺が決めさせてもらいます

 

「ほう、やれるもんならやってみろ!」

 

 俺とオルカさんの戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 その言葉と時を同じくしてオルカさんの超音波の攻撃が俺を襲う。

 

「遅いですよ!」

 

 俺はその攻撃を素早くよけて技を放つ。

 

「ほのおのパンチ!」

 

 俺の炎を纏ったパンチは綺麗にオルカさんに当たる。

 

「少しはやるようだな。瑠莉奈の弟」

 

 だが、あまりダメージはくらっていないようだ。

 

「牙那っていいます。これを機会に覚えてくださいねっと!」

 

 俺は続けてほのおのパンチを叩きこむが、それはしっかりガードされる。

 

 その時、横から氷の大波がオルカさんに押し寄せていく。

 

 だがそれも躱される。

 

「我羅琉、俺も加勢する!」

 

 轟がこの場所にやってきたようだ。それと同時にもう一つの声がする。

 

「ヴィラン乱入とか!! なかなか熱い展開にしてくれるじゃないっスか!!」

 

 士傑の夜嵐も来たようだ。

 

 …だが、大丈夫なのだろうか。確かこの二人の間に起こる雰囲気はヤバかったはずだ。

 

 もし争いなんかしやがったら大幅な減点になる。

 

 こんなところで、衝突しなければいいのだが…。

 

 

 

 

 




その他用語解説
 「アンタの運命(さだめ)は、俺が決めさせてもらいます」…元ネタは朔田流星(仮面ライダーメテオ)の「お前の運命(さだめ)は俺が決める」。ヒーローとしての先輩にあたるので丁寧目な言い方に。
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