ヴィランが狙うのは主にヒーローのような強者よりも弱者を狙う。自明の心理だ。
そしてヒーローはさらなる犠牲を出さずにやらなければならない。ヒーローがヴィランを倒したところで大幅な被害が出ればそれはヒーローの勝利とはいかないだろう。
今回ヴィラン役として俺たちの前に現れたのはプロヒーローのギャングオルカ。神野の事件でも招集されたようにその実力は本物だ。
「俺が時間を稼ぐ!みんなはその間に怪我人たちを連れて避難を!」
真堂さんがギャングオルカに対して突っ込んでいき、その間に俺たちは怪我人たちを避難させる。
…だが、さすがはプロヒーローと言うべきか。
ギャングオルカは攻撃を受けたうえで、逆に超音波であろう攻撃を叩きこむ。それによって真堂さんはKOとなった。
やべえな。このままだとこっちに来るのは時間の問題だ。
さらに、戦えるタイプの人たちは既に戦うことを余儀なくされている。
…俺が行くしかねえか。
「Transform,バシャーモ!」
俺はもうかポケモンのバシャーモに変身する。
コイツの特徴は何といってもバランスの良さだ。攻撃・特攻の値が高く、それ以外の数値も平均水準以上の値を誇る。
俺は相手との距離を詰めながら技を放つ。
「にほんばれ!」
この技はここ一帯を「ひざしがつよい」状態にするというものだ。バシャーモが主に使う炎技を強化してくれるというのも一つだ。
ギャングオルカの弱点は乾燥だ。少しでも能力をさげておかねえと。
「…瑠莉奈の弟か」
ギャングオルカが言う。瑠莉姉は何回かチームで仕事したって言ってたっけ。俺はその人に対して言う。
「ええ。アンタの
「ほう、やれるもんならやってみろ!」
俺とオルカさんの戦いが始まった。
◇ ◇ ◇
その言葉と時を同じくしてオルカさんの超音波の攻撃が俺を襲う。
「遅いですよ!」
俺はその攻撃を素早くよけて技を放つ。
「ほのおのパンチ!」
俺の炎を纏ったパンチは綺麗にオルカさんに当たる。
「少しはやるようだな。瑠莉奈の弟」
だが、あまりダメージはくらっていないようだ。
「牙那っていいます。これを機会に覚えてくださいねっと!」
俺は続けてほのおのパンチを叩きこむが、それはしっかりガードされる。
その時、横から氷の大波がオルカさんに押し寄せていく。
だがそれも躱される。
「我羅琉、俺も加勢する!」
轟がこの場所にやってきたようだ。それと同時にもう一つの声がする。
「ヴィラン乱入とか!! なかなか熱い展開にしてくれるじゃないっスか!!」
士傑の夜嵐も来たようだ。
…だが、大丈夫なのだろうか。確かこの二人の間に起こる雰囲気はヤバかったはずだ。
もし争いなんかしやがったら大幅な減点になる。
こんなところで、衝突しなければいいのだが…。
その他用語解説
「アンタの