轟と夜嵐が俺とオルカさんのバトルに合流してきた。
俺は二人に遠距離攻撃を任せ、俺は接近戦をしかけようとした。
…だが、それは出来ずに終わってしまう。
轟の起こした熱風と夜嵐が起こした風は、互いに干渉してオルカさんには向かって行かずに見当違いの方向に向かってしまう。
…その方向には攻撃を仕掛けようとした俺がいた。
「マ、ジ、か、よ!?」
俺は体制を無理矢理ガードの体制に変えたが遅かった。俺は熱風に吹き飛ばされてしまい、近くの壁にぶつけられてしまう。…くそ、恐れてたことが…。
「だってアンタはあの、エンデヴァーの息子だ!!」
そして2人が喧嘩を始めてしまった。
俺には原因がどちらにあるのかはわからないが、試験だとは言え、ヴィランの前でそんなことをする奴は論外だろう。
恐らく、夜嵐が突っかかっていったのを、轟が受け流せなかった形に見て取れるが、こんなことは初歩以前の心構えの話になってくる。
そして、再び攻撃をするがさっきと同じように見当違いの方向へ熱風が向かってしまう。
(マズい!あの方向には!)
熱風が向かった方向には真堂さんが倒れている。このままだとまずい。
「こうそくいどう!」
俺は攻撃から救助へと方針を転換し、ハイスピードで真堂さんがいる方向へ向かう。
…俺はしっかりと救助しようとしたが、そこにはいなかった。
俺はその先にいた人影を見つける。
「出久!」
出久が俺より先に到着して、救助していた。
見渡すと尾白が向こうで戦っている。出久が今向いている方向から考えると、尾白に推進力をもらって飛んできた形か。
「何を、してんだよ!」
出久が轟と夜嵐に向かって叫ぶ。
この短い言葉は二人にとって気持ちを入れ替えるいい機会になってくれればいいのだが。
…しかし、その間に轟と夜嵐がオルカさんの超音波攻撃で落とされ、俺たち3人に向かって他のヴィラン役の人たちが迫ってくる。
だがその心配は杞憂に終わることになる。
「震伝動地!」
真堂さんが個性で地面を割り、ヴィラン役の人たちを巻き込んでいく。
「真堂さん!」
「動けるんですか、無理しない方が…」
出久と俺の声に真堂さんが返す。
「ああ、個性柄揺れるのには耐性があってね。折角倒れたフリして隙を伺ってだまし討ち狙ってたのにねェ!、そこのお前とあっちの1年二人がさァ!」
…俺と出久は言葉を失っていた。
あの人がこうなるのか…と。
俺も素を隠しているとは思ったがここまでとは思ってなかった。
その時、また俺たちは風を感じた。その熱風は紅蓮の竜巻となりオルカさんの周りを囲んでいく。
…ようやくかよ、と俺は呟いた。
個性をギリでコントロールできる夜嵐が風を起こし、足りない火力は轟が炎を放ってカバー。この連携が最初からできていたらと思ってしまう。
「出久、仕掛けるぞ!」
「了解!」
俺と出久はオルカさんが俺たちから視線を離したすきに攻撃を仕掛けていく。
この程度でオルカさんは倒れない。いくら乾燥が苦手だとはいえ、こんな状況はいくらでも経験してきたはずだ。
俺の読み通り、嵐の中でもオルカさんは平然としていた。
轟たちに興味が移っているこの瞬間俺は攻撃を仕掛ける。
「ブレイズキック!」
俺は脚に炎を纏って蹴りを入れる。出久のフルカウルで強化した蹴りもほぼ同時に、しっかり攻撃がとオルカさんに刺さる。
だがその蹴りが刺さった瞬間、終わりを告げるブザー音が会場に鳴り響く。
『只今をもちまして、配置されたすべてのHUCが危険区域より救助されました。まことに勝手ではございますが、これにて仮免試験全工程、終了となります!』