俺たちA組の面々と通形先輩は体操服に着替えて、戦闘の体制に入る。
轟は仮免を所持していないというので辞退したみたいだ。
出久が先頭で向かうと宣言して、それ以外の近接格闘を得意とする面々もそれに続こうとする。今回、俺は後方支援に入った。
それに対し通形先輩は佇んでいるままだ。
「よっしゃ先輩、そいじゃご指導ぉ、よろしくお願いしまああっ!?」
そして俺たちが攻撃しようとした瞬間、通形先輩の着ていた体操服が地面に落ちる。
脱いだ…、というより先輩の体をすり抜けるって感じだな。
「服が"落ちた"ぞ!?」
「ああ、失礼。調整が難しくてね」
その後、すぐにズボンを引っ張り上げる先輩に、出久が蹴りを入れようとするが、何もないという風に通り抜けてしまう。
芦戸の酸も、瀬呂のテープも同じように通り抜けていく。
そして、先輩は体の大部分を地面に沈め、ポーズをとる。恐らく、後ろにいる俺たちを狙ってくるのだろう。
「Transform,ゲンガー!」
俺はゲンガーに変身する。ジュナイパーはヴィジランテ用なので使うことができないのでゴーストタイプでは最も使うポケモンだ。
その間にも一番後ろにいた響香と上鳴がやられ、二人はイヤホンジャックで巻かれてしまう。
八百万、芦戸、蛙水と倒され、続けて俺の鳩尾に攻撃を入れようとするが霊体になっている俺の体には攻撃はすり抜けてしまう。
だが、気にしていないように、というか先に他の面々を倒そうとしたのか、他の遠距離攻撃持ちを続けて倒していく。
残った俺はまだ生きている近接メンバーに合流する。
「何したのかサッパリ分かんねえ! すり抜けるだけでも強えのにワープとか、それもう無敵じゃないスか!」
「よせやい!」
その中で出久が言う…というかブツブツモードに入る。
「…いや、何かカラクリがあると思う。"すり抜け"の応用でワープしてるのか"ワープ"の応用ですり抜けてるのかどちらにせよ直接攻撃されているからこっちも触れられる機会があるハズだ障子くん耳郎さんの警戒も突破できている辺りにヒントがあると思う…何してるか分からないなら、分かってる範囲から仮説を立てて、とにかく勝ち筋を探っていこう!」
出久が気合を入れ、それは残っている面々にも移っていく。
その後先輩は地面に姿を消す。
どこからくる…?恐らく来るとしたら…。俺は腕に力を貯める。
そして先輩は俺たちの前に現れる。だが、それは予想済みだ!
「ビンゴ!シャドーボール!」
出久の蹴りと俺の攻撃が先輩に迫っていく。
だが、シャドーボールはかわされ出久は先輩の「ブラインドタッチ目潰し」で潰される。
…さすがは消太さんが"ナンバーワンに最も近い"って言うだけはある。
出久がやられ、それに動揺したほかの面々も潰されていく。
「さて、後は君だけだね。我羅琉君!」
「ええ、俺がこいつらの最後の希望っすからね」
その流れで俺は消太さんに聞く。
「消太さん、どれぐらい戦っていいですか?」
「できる限り早くな。俺がもういいって言ったらすぐやめろよ」
消太さんの許可は出た。短時間だが、俺の本気、久しぶりに出せそうだ。
「いいね、その態度!やっぱ君は他の子たちは違うね」
「褒めていただいて光栄です。先輩、攻撃が透過するもの同士、仲良くしましょうかっと!」
俺と通形先輩の戦いが始まった。
その他用語解説
「俺がこいつらの最後の希望っすからね」…元ネタは操真晴人(仮面ライダーウィザード)の「俺が最後の希望だ!」。再び結構無理矢理な感じが…。