サー・ナイトアイ事務所にて会議が行われてから、2日後の深夜。雄英高校学生寮、ハイツアライアンス1階。
「いよいよ、だな」
「……うん」
部屋着のままに集まった5人。対死穢八斎會への作戦に参加する彼らは、一様にスマートフォンを手にしていた。
送られてきたメッセージは、作戦の決行日である。
…ついに決まったか、というのが俺の反応だ。
◇ ◇ ◇
AM8:00、警察署前。
ナイトアイが構成員のその後を"見た"結果、八斎會邸宅には届出のない入り組んだ地下施設が存在し、その中の一室に今回の目的である女児がかくまわれていることが確定した。
構成員の男は、地下への入り口から女児の部屋まで一切寄り道せず行ったため、地下全体は把握できなかったらしいが、男が歩いた道はそのまま目的への最短経路。
広い敷地の中だと、非常に有益な情報である。
「しかし、目指すにしても‟個性‟を駆使されれば捜査は難航する。そこで、分かる範囲だが八斎會の登録個性をリストアップしておいた。頭に入れておいてくれ!」
…あー、こういうのマジ助かる。いちいち相手について自分で調べるのは面倒くさいんだよな。
「隠蔽の時間を与えないためにも、全構成員の確認・補足など、可能な限り迅速に行いたい」
その場には多数のヒーロー、機動隊を含めた大きな集団が出来上がっていた。本気度の現れだろう。
「決まったら早いっすね!」
「君、朝から元気だな…」
「まー、これが切島の良さですからねー」
俺たちは移動までの間、準備をしながら話をする。
リューキュウさんが言うことには「こういうことは、学校じゃ詳しく教えてくれなくて、新人時代苦労した」とのこと。
その分、俺たちはここで学べてるってことは恵まれてるんだろう。
「プロみんな、落ち着いてんな!慣れか!」
切島が話す中、出久は誰かを探しているような素振りを見せていた。
「出久、どうした?」
「皆…、…グラントリノがいないよ…。どうしたんだろ」
そういえば確かに今日は見てないな…。
それを聞いていたナイトアイが話す。
「あの人はこれなくなったそうだ」
「え…」
「塚内が行ってる連合の件に大きな動きがあったみたいでな。悔しそうだったよ。だがまぁこっちも人手は十分、支障はない」
「そっか…」
刑事さんの言葉に出久が納得したようだった。
確かにそれだったらそっち側の方が優先度は高いな。
「ヒーロー、多少手荒になっても構わない。少しでも怪しい素振りや反抗の意思が見えたら、すぐ対応を頼むよ」
その話の中でファットが環さんにある食材を渡していた。
「環、コレ食うとき、カジキ」
「…なんでカジキ、頂いておきます」
カジキか…、先の尖がった部分で戦えってことなのかな。使うのは環さんだから任せるとして。
「…相手は仮にも今日まで生き延びた極道者、くれぐれも気を緩めずに各員の仕事を全うしてほしい!」
「出動!」