壁を突破した後、俺たちはめまぐるしく変わっていく通路の対応に追われていた。
通形先輩だけは個性を活かして順調に進んで行く。
俺もルカリオからゴーストタイプのギルガルドに変身しておく。こういう場所の時はゴーストタイプの方が勝手が良い。
そんな中、周りの壁に意識がとられていた俺たちだったが、そんな中俺たちの立っていた床に大きな穴が空いた。
一瞬で階下に落とされた俺たちが着いた場所は広間のような空間であった。
「おいおいおいおい。空から国家権力が…不思議なこともあるもんだ」
そして待っていたかのように俺たちの前に3人の敵が現れた。
「よっぽど全面戦争したいらしいな…!さすがにそろそろプロの力見せつけ…」
ファットが流石に我慢ならないといった様子で前に出ようとした。
だが、それを制した者が1人いた。
「そのプロの力は目的の為に…!!こんな時間稼ぎ要員…俺1人で充分だ」
環先輩だった。
…確かにこの場だと、それが最善か。
俺たちの目的はまだ先、ここで変に体力を削がれるわけにはいかない。
あの3人は窃野、多部、宝生だったはず。あの3人の中で1番厄介なのは…、
「…ん、どないしたんや?」
俺は相手から姿が見えないよう、ファットの体の影に隠れる。
「黙っててください…Retranceform,パンプジン」
俺はファットに声を出さないでと言いながらパンプジンに変身する。
そして俺は影に潜みながら3人の後ろに向かう。
背後を取った俺はある一人に対し、後ろから闇で出来た腕を伸ばす。
…そこからは一瞬だ。一気に体を地面に叩きつけて気絶させる!
「…ゴーストダイブ」
…俺が狙ったのは窃野だ、アイツの‟個性‟窃盗は身にまとっている個性を自分の元へと奪うというもの。環先輩にとっては厄介な相手になることは間違いなかっただろう。
ちなみにその窃野はゴーストダイブを見事に喰らってダウンだ。
「先輩、後は頼みます」
「…分かってる」
環先輩の目はいつものオドオドしてる環さんの目じゃなかった。ここはもう大丈夫だろう。
「ふざけんな、ガキ!仲間1人やられてみすみすと行かせるわけねえだろうが!」
そのやり取りの中で宝生が怒りをあらわにして俺に向かってくる。
「どこ見てんだよ」
俺が言い返した瞬間、宝生には環先輩が繰り出したタコの足が襲い掛かる。
敵2人を壁に拘束した環先輩は俺たちに向かって言う。
「皆さん!ミリオを頼むよ!あいつは根っからのヒーローだ。多分無理する。だから助けてやってくれ!」
その声を聞きながら俺たちは走り出す。
俺はその中で、手早くギルガルドに戻っておく。波導を感じるうえでいつでもルカリオになれるようにはなっておいた方がいい。
「…流石だな、牙那」
「…まさか、あそこまでたやすく倒すとは」
その道中で消太さんが俺に向かって言う。ナイトアイも同感みたいだ。
「そいつを育てたのは誰だと思ってんですか、消太さん。ナイトアイさんも、まだまだですよ、俺は。褒めていただき光栄ですがね」
俺たちはそのまま目的へと進んで行く。