「オラオラァ!れんぞくぎり!」
「きかんな」
俺は戦いを始めてからというもの、ずっとバリアを斬り続けている。
…やっぱ、かてぇな、オイ!
何回かひびを入れることには成功したが、そのたびに新しいバリアを張られ突破できないでいた。
…まあ、いいんだがな。ギルガルドの役目は次のポケモンに変身する中継点だ。コイツが油断するまではこのままで行く。
「…なら、これでどうだ!かわらわり!」
「…ほう」
俺はかわらわりでバリアを初めて突破する。それでも天蓋は表情を変えない。
「だが、こういうのはどうだ?」
「…やべっ!キングシールド!」
天蓋は迫る俺に対してバリアを張ってきた。俺はそれに対してキングシールドでガードし、その後距離をとる。
あのまま、突っ込んでいたら壁にぶつかって大きなダメージを受けていただろう。やっぱり、あの人はただもんじゃねえ。
「…盾は時として矛ともなる、覚えておけ」
「ありがとうございますっと!」
俺は再び円形状のバリアを張った天蓋に向けて叫びながら再び攻撃する。
だが、バリアの中に居た天蓋は切島の方を向いていた。
「どうしたんすか、天蓋さん!戦いの最中に余所見とか、余裕っすね!」
俺はバリアを攻撃しながら天蓋に向けて叫ぶ。その天蓋は冷たい表情で淡々と言う。
「…いや、あの少年はもう無理だなと思ってな、あの目は恐怖に染まった目だ。かわいそうに、ああなったらもう二度と立ち直れまい…」
切島の方を見ると確かにそんな目だった。
…一度、切島に聞いたことがある。なんでヒーローを目指すのか、と。
少し前、切島の同級生が大男に脅しかけるように道を聞かれてるのを見かけたそうだ。
だが、切島は動けなかった。何とかその場は芦戸の機転によって助かったらしいが。
そこから自己嫌悪に至ったが、たまたま憧れのヒーロー紅頼雄斗のインタビュー動画が映り、それに触発され「情けない自分との決別」を決意したらしい。
そんな奴が軽々とくたばると思うか?
…答えは否だ。
「…勝手にあいつを決めつけるんじゃねえ」
「何?」
俺は天蓋に向けて叫ぶ。
「勝手に決めつけるんじゃねえよ!あいつは何も守れねえやつじゃねえ!あいつは絶対に守り切るヒーロー、烈怒頼雄斗だ!」
そう叫んだあと、俺はここまであまり対策を練られないために温存してきた切り札のポケモンに変身する体制に入る。
「Retranceform,ドラパルト!」
俺はステルスポケモンのドラパルトに変身する。
こいつはいわゆる600族と呼ばれるポケモンであり、俺が変身するポケモンの中でも最強クラスと言ってもいいレベルのポケモン達の一つである。
ドラパルトの魅力は圧倒的な速さ、高火力な攻撃や特攻値、多様な技範囲であろう。
「…ほう。まだ、隠していたか」
「…黙れ、もうお前は俺のスピードにはついてこれねえよ」
俺はそのまま攻撃態勢に入りながら言葉をつづける。
「…さあ、振り切るぜ!」
その他用語解説
「…さあ、振り切るぜ!」…元ネタは照井竜(仮面ライダーアクセル)の台詞より。速さのライダーといえば…ということで。