ファットと別れた俺は飛ばされてきた道を逆戻りして壁をドラパルトのまま通り抜けていった。
そうして壁を通り抜けていった瞬間俺はある一団と出会った。
「ヴィラン…!?なら俺が…」
「ま、待ってください、環先輩!俺です、牙那です!」
俺は変身を解き環先輩に見せる。恐らくあの3人を倒した後、急いで駆け付けてきたのだろう。
「な、なんだ、牙那君か…。よかった…」
「俺もです、環先輩。…ファットと切島はさっき敵と戦って離脱しました、今治療中です」
「ありがとう、牙那君。ついてきてくれる…?」
「もちろんです」
警察の人も含めた俺と環先輩を含んだ一団はそのまま進んで行った。
そんな中、道を進んでいると、俺は倒れている一人の姿を見つけた。
…それは、多数の傷で戦闘不能になっている通形先輩だった。
「「ミリオ(通形先輩)!」」
俺と環先輩は通形先輩の元に駆け付ける。
…よかった、まだ意識はある。
とりあえずは応急処置だ。
「Transform,ルカリオ、いやしのはどう」
俺はいやしのはどうで傷を回復させる、いや、ダメージ受けすぎだろ、コレ…。
「やっぱ君ってなんでもできるね…」
「さすがに複雑骨折とかの大怪我になれば無理ですがね、普通の骨折レベルまでなら何とかなりますが…、とりあえず応急処置だけはしておきました」
環先輩の言葉に俺は返す。処置をした通形先輩は環先輩が背負い俺たちは動く。
周りには激戦だったということを証明する痕跡があちらこちらに残っていた。
恐らく上からの衝撃で空いたのであろう天井を見上げてみると誰かが戦っている波導が届いた。
この感じ慣れた波導は出久か、もう一人は恐らくここのトップの治崎であろう。
それ以外にも戦っているリューキュウ事務所のヒーロー達の波導も俺に届いていた。その近くにいたナイトアイは波導からするとまずい状態だ、コレ…!
だが、それ以外にも俺は不穏な波導を感じた。
弱っている…、この感じは消太さんの波導か、後はもう一人…。
…加勢に行くか。
「環先輩、あっちで消太さんの波導を感じ取りました。俺、加勢に行ってきます」
「…それじゃあ、俺も行く…。君を一人にするわけにはいかないから…」
そう言って俺と環先輩は消太さんが発する波導の方へ向かう。
…見つけた。アイツは確かクロノスタシス、対象の行動を遅くする個性だったか?
「…行くよ」
「…了解です」
その言葉と同時にドアを開け、環先輩はカジキの角で、消太さんにとどめを刺そうとした玄野の腕を刺して玄野の動きを止める。警察の方たちは銃を構えて有事に備えている状態だ。
その間に俺はしんそくで消太さんを相手から離す。
「大丈夫ですか、消太さん」
「イレイザーと呼べ…。まあ、なんとかな…」
環先輩と警察の方々が玄野を確保し、俺は消太さんが「上に連れていけ」という言葉で地上に上がる。
そこにはやられた治崎と、少女を背負って立っている出久の二つの姿があった。
しかし治崎は完全には倒れていないみたいであり、出久に攻撃を仕掛けるが、出久が背負っている少女の個性の影響なのか体が分離して、そこを麗日がしっかりと組み伏せて治崎を拘束する。
出久の方を見ると、少女の個性が暴走しているのか力を増すばかりであった。どうすりゃアレを止められる…?
だが、俺の体を消太さんが掴み、それで察した俺は消太さんの視線を少女の方に向ける。
そして消太さんの抹消が発動し、勢いはなくなり少女は気を失った。
◇ ◇ ◇
戦いは終焉を迎え、救急車が到着して怪我を負った多数のヒーロー達が運ばれていく。…この場所にはここまでの力があったのかと俺は呟く。
少女も厳重な警戒の中でで救急車に乗せられた。
とりあえず…これで終わりだ。
AM9:15、保護完了!