個性「tfポケモン」   作:W297

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96話

 

 戦いが終わり、負傷したヒーロー達は一番近い大学病院で治療を受けることになった。

 

 幸いにして、俺を含むファットガム事務所の面々は今後のヒーロー活動に支障が出るような怪我はなかった。

 

 俺は一応検査してもらったが何もなし、切島は全身裂傷に打撲と酷いが命に別状はなしでまるでミイラのような状態、環先輩は顔面にひびが入ったが後に残るようなものではないということ、ファットは何か所か骨折したものの元気そうであった。

 

 だが、あくまでこれはファットガム事務所の中では…の話である。

 

 あの後、ナイトアイが亡くなったらしい。

 

 リカバリーガールの治癒でも無理だったらしい。戦いの後、俺も見せてもらったがあのレベルになれば俺も無理だ。

 

 ただ、最後を看取った出久に聞けば、「笑っていろ」と言われたらしい。

 

 確かにヒーローとして、下向いてたら市民に顔向けできない。そんなヒーローに守ってもらいたいか、と聞かれれば違うだろう。

 

 …ナイトアイは最後までヒーローとしてなるべき姿を教えてくれた。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 翌日、通形先輩を残し雄英の面々は学校に戻ることになった。

 

 ただ、…ここに来てヴィラン連合が治崎を襲撃したということだ。

 

 恐らく、目的は個性をなくす弾丸を奪い取ること。もう相手にわたったと考えてもおかしくはないはずだ。

 

 アイツらはヒーローを倒すためなら何でもしてくる奴だ。警戒を増やすことに越したことはないだろう。

 

 その後、学校に戻ってからも色々と調査や手続きが立て続けであり、寮に結局帰ってこれたのは夜だった。

 

「とりあえず、やっと終わった…」

 

「ああ、やっとな…」

 

 俺が寮の共有スペースの戸を開けた瞬間、峰田の叫び声が響いてきた。

 

「帰ってきたァァァ!奴らが帰ってきたァァァ!」

 

「大丈夫だったかよぉ!」

 

「ニュースみたぞおい!」

 

「皆心配してましたのよ」

 

「まぁとにかくガトーショコラ食えよ!」

 

 その後、俺たちインターン組を襲ったのは1-A全員の心配の嵐である。それに俺たちは戸惑うしかなかった。

 

「…なあ、お前らここまですることねーだろ」

 

 その俺の言葉に上鳴は俺の両肩を掴んで俺の体を揺らしながら言う

 

「当たり前だろ!おまえら毎度凄ぇことになって帰ってくる!怖いよいいかげん!」

 

「無事でなにより」

 

「ブジかなぁ…、無事、うん…」

 

「皆!心配だったのはわかるが!!落ち着こう!」

 

 そう言って遮ったのは飯田だ。

 

「報道で見ただろう!あれだけの事があったんだ!級友であるなら彼らの心を労わり静かに休ませてあげるべきだ、身体だけでなく、心も擦り減ってしまっただろうから…」

 

 飯田はそう言うと、出久の方を向く。

 

 それに気づいた出久は飯田に話しかける。

 

「飯田くん、飯田くん」

 

「ム!」

 

「大丈夫」

 

 出久はその一言だけ飯田に言った。

 

「…じゃあ、いいかい」

 

 飯田は確認を取ると出久の両肩をガシッと掴んで言う。

 

「とっっっっても心配だったんだぞもう!俺はもう君たちがもう!」

 

「おめーがいっちゃん激しい」

 

 飯田は今までの我慢してたであろう心配を出久にぶつけていた。

 

 そんな中俺に響香が話しかけてきた。

 

「牙那、大丈夫だった?」

 

「平気だよ、俺を誰だと思ってんだ。アレぐらいでやられるようなやつかよ、俺が」

 

「あ、なんか今変わってなくてすっごい安心した」

 

「腹立つ言い方だな、オイ」

 

 俺が突っ込むが響香はいつもの感じで続ける。

 

「まあね、さすがのアンタだとは言え、心配したのは本当なんだから」

 

「ありがとな、響香」

 

 

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