97話
「見て見てー見ててー!」
授業の合間の休み時間。芦戸がストレッチをしていた。
俺がその方向を向くと、芦戸がステップを踏み始める。
ステップからの体に捻りを加えたジャンプ。そして床に着地すると、肩を軸にし体全体を回してブレイクダンスを披露した。
「ブレイキン!ブレイキン!」
「なるほどね、ブレイクダンスか」
周りの奴が言うには芦戸の趣味はダンスなんだとか。
それを見ていた出久が自分で纏めているヒーローノートを開いて言う。
「芦戸さんは身体の使い方がダンス由来なんだよねなんというか、、全ての挙動に全身を使う感じだ」
「まー、結構俺もダンスというかそんな技使ったりもしてるからな。使えることは確かだな」
俺の言葉に芦戸が返す。
「そうなの?じゃ我羅琉も何かみせてよ!」
「俺がか?…まあ次の授業も座学だし、まあいいか」
そういわれた俺は変身態勢に入る。
「Transform,ルカリオっと」
俺は慣れた手つきでルカリオに変身する。
そして俺は舞う。
「…つるぎのまい。…まあこんなやつだ」
「何というか…、ダンスっていうより舞踊とかそっち系な感じだね」
葉隠が率直な感想を俺に告げる。俺は「そうだな」と肯定し変身を解く。
「Trans,オフ…。まあ、これは戦いの舞いだからな。舞って気合を入れて攻撃力を上げるってシロモノなんだよ」
「え、それだけで力が強くなるのか?」
そう聞い敵たのは尾白である。
「ああ、だけど敵の前でこんなことやったら隙だらけだからな。基本的には移動中とかにしてるよ」
「いやー、それにしてもよぉ、砂藤のスイーツとかもそうだけどさ、ヒーロー活動にそのまま活きる趣味は良いよな!強い!」
そう切り出したのは上鳴だ。その視線の先には響香がいる。
「ちょっ、やめてよ」
「あの部屋楽器屋みてーだったもんなぁ」
「もぉ!やめてってば!部屋王忘れてくんない!?」
「いや、ありゃプロの部屋だね‼︎なんつーか正直かっ…」
照れたのか響香は上鳴が全て言い切る前に、自身のイヤホンジャックを上鳴に向ける。
「マジで!」
響香はイヤホンジャックを引っ込めると赤面しながら自分の席に戻って行った。
「何で…?」
その後、上鳴が「なんで?」とオロオロしていたがチャイムがなり集まっていた面々はそれぞれの席へと戻っていった。
◇ ◇ ◇
「文化祭があります」
「「「ガッポォォォォォイ!」」」
いや、がっぽいってなんだよ。学校っぽいの略か?
消太さんの言葉で1Aの面々のテンションが上がる。
「ガッポイの来ました‼︎」
「何するか決めよー!」
…だが、個性派集団の塊である俺たちの意見がまとまるわけもなく。最初から挙手の嵐で各々が自分の意見を通そうとして、何も決まらずに1時間を経過してしまった。
消太さんが「実に非合理的な会だったな」と立ちあがり、寝袋を小脇に抱えて教室を出て行きながら、俺たちに向かって言う。
「明日の朝までに決めておけ、決まらなかった場合…、公開座学にする」
あ、やっべ。あれガチの奴じゃん。とは言っても俺たちはこの後補習だし、それ以外の奴らに任せるか。