ダシマ式僕のヒーローアカデミア「僕のハーレムアカデミア♥」   作:ダシマ

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第12話「強い理由」

 ある日のこと、今日も今日とて出久たちは一人前のプロヒーローになるために、修行に励んでいた。

 

「僕ら、最強」

 

 …まあ、出久はいつも通りだったが。

 

「こんなのおかしいだろー!!」

「やっぱりチートだろ緑谷!!!」

 

 今日の修業は2対2の戦闘模擬戦で、出久は轟焦凍という少年と組み、対戦相手は峰田と上鳴だった。

だが出久はもちろんのこと、轟も戦闘力はA組の中でもトップクラスだったため、峰田と上鳴はなすすべもなかった。

 

「デクくんすごーい!!」

「さすがですわ!!」

 

 と、お茶子と八百万が出久を称賛していた。耳郎、芦戸、梅雨も言葉には出していないものの、同じ気持ちだった。

 

「…!!!」

「まあまあ…」

 

 爆豪が出久を睨みつけると、一番仲がいい切島が諫めた。

 

「お疲れ様。轟くん」

「ああ…」

 

 轟は出久を見つめていた。そして出久も轟の視線に気づく。

 

「どうしたの?」

「いや、なんでもねぇ…」

 

 そういって轟は視線をそらして、出久の前から去っていった。

 

「……」

「次の組」

 

 

 そして放課後

 

「緑谷」

 出久が教室で荷物をカバンの中に入れていると、轟が出久に話しかけた。

 

「やっぱり何かある?」

「!!」

 

 出久が口角をあげた。

 

「いいよ。付き合うよ」

「……」

 

 

 そして出久は轟を連れてハンバーガーショップへと移動した。

 

「ハンバーガーショップは初めてかい?」

「…そうだな」

 

 轟の様子を見て出久は口角をあげた。

 

「そうだよね。まあ、社会勉強だと思って体験してみよっか。そういうのも大事だからね」

「ああ…」

 

 と、出久は轟と一緒に並んで、ハンバーガーの注文の仕方などを教えてあげることにした。気のせいか出久と轟を見て、

対応していた女性店員たちのテンションがあがっていたのは気のせい…ではなかった。

 

「ねえ、あの2人なかなかいいかんじじゃない?」

「うん! あの白と赤の子(轟)なんかすごくイケメン!!」

「緑色の子もなんかかわいくない?」

「わかる~!!!」

 

 丸聞こえしていたため、轟は何て言えばいいのかわからなかった。

 

「仕事してください」

 

 出久が遠慮なく言うと、轟がはっとした。

 

「いやね。店員さんに横柄な態度をとるのはよくないけど、言わなきゃいけない時もあるんだよ。難しいよね」

「あ、ああ…」

 

 そして注文した品を渡された二人は空いていた席を見つけ出して座った。

 

「これが3人以上だと、1人が座席に座るの。じゃないと他のお客さんにとられちゃうから」

「そうか…」

 

 2人が向き合うように座る。

 

「食べながらはなそっか」

「あ、ああ…」

 

 すっかり出久のペースであるが、轟は気にしなかった。

 

「で、轟くん」

「……」

 出久が轟の顔を見て口角をあげた。

 

 

「聞きたいことって何だい?」

「……」

 出久の言葉に轟はうつむいた。

 

 

「お前は何故強いんだ」

 

 空気が止まった。すると出久は満面の笑みを浮かべた。

 

「いい質問だねぇ~~~~~~~」

「……?」

 

 出久がなぜこんな風に言っているのかよくわからない轟だったが、いったん黙っていることにした。

 

「僕も遂にこういうことを言われるようになったか…」

 と、うんうんと頷く。

 

「まあ、早い話がね。強くなる為に努力したから」

「……」

 

 出久が口角をあげる。

 

「全部話すといろいろ長くなるから、一部だけ話すね」

「ああ…」

「轟くんももう知ってると思うけど、僕個性がないの。だから色々苦労した」

 

 出久が轟の目を見た。

 

「かっちゃんにもね、個性がない奴はヒーローになれないって言われたよ。まあ、個性がないプロヒーローなんて前例がないからね。それは仕方ないと思った。でもね」

「!」

 出久はまた口角を上げて楽しそうにしゃべる。

 

 

「チャンスだと思ったの」

「え?」

 

 

「個性がないままプロヒーローになったら、絶対有名になれるってね。まあ、有名になりたいからプロヒーローになるんじゃないけど」

「……」

 

「それにね、個性がないならないで、プロヒーローになったら同じように個性がなくて苦しんでいる人を救えるんじゃないかなって。ヴィランと戦うだけがヒーローじゃないし」

「!!」

 轟は目を大きく開けた。

 

「そりゃあ個性がない分は、ある人より苦労はするし、今までもね。かっちゃんと同じように「ヒーローになれるわけがない」とか「馬鹿げてる」とか言われたし、ましてや個性がないってだけで嫌がらせも受けたよ」

「……」

 

「でもそれって…」

「?」

 

「漫画の主人公みたいじゃない?」

 出久の言葉に轟はきょとんとした。

 

「もうなおさらやるしかないでしょこれはと思って、気が付いたら雄英の推薦もらってた。とにかく我武者羅だったね」

「……」

「でもね、それでも認めてもらえなかった事もあったの。お前には無理だとか、オレは認めないとかね。でももうそんなのどうだっていいの」

 轟は出久を見た。

 

 

「僕がやると決めたからやるの。個性がないからヒーローになれないなんて、そんなのおかしいとも思ってるから」

「!」

「だから僕はこれからも強くなるよ。ヒーローになることもそうだけど、たった一度の人生をヒーローとして貫き通したいから。以上!!」

 

 出久の言葉に轟はぽかんとしながらも、くすっと笑った。

 

「面白かった?」

「ああ…お前、本当に面白いやつだし、大したやつだよ」

 轟が口角をあげた。

 

「お前を見てると、本当に頑張らないとって思うし…。親父が敷いたレールを歩いてただけだったなんてなって…」

「轟くん…」

 

 轟の父親はトッププロヒーローであるが、とても厳しく轟を束縛していた。家族も顧みなかったので嫌っていたが、少しずつ変わりつつある。

 

 

「今日はありがとな」

「うん。こっちも楽しかったよ」

 食べ終わって、出久と轟は別れようとしていた。

 

「緑谷」

「?」

 轟が口角をあげた。

 

「オレもオレの信念を貫くために、必ず親父を超えるヒーローになる」

「頑張って!」

「ああ、それじゃまた明日」

「また明日ー」

 

 そういって轟は去っていった。

 

「……」

 轟を見送った後、出久も背中を向けた。

 

 

「僕ももっとがんばろーっと」

 

 

 

つづく

 

 

 

 




キャラクターファイル12
轟 焦凍(とどろき しょうと)

トップヒーロー・エンデヴァーの息子。
自己中心的で、私利私欲のために家族を傷つけた父を避けていたが、
出久との出会いで少しずつ向き合うようになっていく。
だが、それでも生理的に受け付けず、エンデヴァーが酷い目に逢うと、
普段から想像もつかないほどの笑みを浮かべる。

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