ダシマ式僕のヒーローアカデミア「僕のハーレムアカデミア♥」   作:ダシマ

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第16話「雨の中の決意」

 こんにちは。緑谷出久です。何やらいろいろ騒がせているようですが、これからもPlus ultraしていくので宜しくお願い致します。

 

 さて、本日のお話なんですが…。

 

「……」

「……」

 

 雨が降るある日の事、僕は今下校中だったのですが、一人の女子生徒がこっちをじーっと見つめていました。顔が蛇の女の子です。

 

 無視しました。

 

「ちょっとぉ!! 何で無視するのよぉ!!!」

 

 あらまぁ。突っ込んできました。

 

「君のツッコミ待ち」

「え ?あ、そ、そう…?」

 

 出久のマイペースぶりに女子生徒も思わず怯んでしまった。

 

「それはそうと、何か用かな?」

 

 出久は少女に話しかけた。

 

「そういえば自己紹介がまだだったわね。私は万偶数羽生子(まんぐうす はぶこ)。梅雨ちゃんの友達よ」

「ああ。蛙吹さんの」

 

 出久が納得した。

 

「で、どうかしたのかな?」

「話があるの。時間いい?」

 

 暫くして…。

 

「あーあ。天気悪いなー」

「梅雨明け来週らしいぞ」

「マジかよ!!」

 切島と瀬呂が歩いていた。

 

「ん?」

 瀬呂がある事に気づいた。

「どうしたんだよ瀬呂」

「おいあれ見ろよ。緑谷じゃね?」

「あ、ホントだ…って、あれ?」

 羽生子の存在に気付いた。

 

「もしかして…」

「マジかよ!!!(大汗)」

 

 切島と瀬呂が向き合い、瀬呂が絶叫したが切島は複雑そうにしていた。

 

「とりあえずファミレスにでもいこっか」

「ええ」

 と、出久が羽生子とファミレスに行くと、瀬呂と切島をあとをつけた。

 

「緑谷の奴、どんだけ女にモテるんだよ…」

「……」

 瀬呂が切島にそう言うが、切島は返事をしない。

 

 切島の脳裏には芦戸の事がよぎっていた。

 

 テーブルについた2組はそれぞれ注文した。出久・羽生子テーブルは出久が注文して、切島・瀬呂テーブルは2人で注文をしていた。店員がオーダーを取り終わってその場を去ると、瀬呂と切島は出久と羽生子の事を監視していた。

 

「思った以上に聴き取れねぇな…」

「ああ…」

「こんな時耳郎がいてくれたらなぁ…」

 と、瀬呂が嘆いていると、

 

「緑谷くん」

「!!」

 

「梅雨ちゃんの事、どう思ってるの?」

 羽生子の問いに切島と瀬呂が反応した。

 

「クラスメイトだと思ってるよ」

 出久が羽生子の顔を見て答えた。

 

「そう…」

「……」

 落ち込んだ様子の羽生子を見て出久は何も言わなかった。

 

「あなた、彼女とか作る気はないの?」

「無いね」

 

 切島と瀬呂も衝撃を受けたが、この時切島は怒りの感情も沸き起こっていた。

 

 - 回想 -

 

「芦戸!!」

「!!」

 

 去年の事、切島は芦戸と女子生徒の所を訪ねた。この時の切島の髪形は今の派手な赤色で逆立ちへあーではなく、黒のストレートだった。

 

「すまなかった!!」

 切島が頭を下げると、芦戸達は驚いた。

 

「え、何急に…」

「その…」

 切島は芦戸がヴィランに襲われていた時に、自分は足元がすくんで助ける事が出来ず、出久に任せてしまった事を芦戸に説明した。

 

「あーそっかー」

「本当にすまねぇ!!!」

 切島が再度謝った。

 

「それは別にいいよ。足元がすくんで動けなかったのはアタシも同じだったし」

「でも!!」

「切島の気持ちは分かったから。ありがと」

 芦戸が口角を上げた。

 

「芦戸…」

「切島がいたって事はさ。あの子も見てたんだよね?」

「え?」

「あの緑色の子!」

「あ、ああ!」

「あの子凄いよね。何かなよなよとしてた感じがしてたけど、戦ってる時とか凄く男らしくてさ」

 芦戸が出久の事を楽しそうに話し始めたが、その時に本当に出久に恋をしているんだという事が分かっていた。

 

 - 回想 終わり -

 

 そんな出久の返答を聞いて切島は握り拳を作って、今にでも出久を殴りそうだった。

 

「どうしてかしら?」

 出久は目を閉じた。

 

「万偶数さんは僕が個性がない事は知ってるかい?」

 出久の言葉に万偶数はこう答えた。

 

「知ってるわよ。梅雨ちゃんから聞いてるもの。そしてあなたの夢も知ってる」

 万偶数が出久を見つめた。

 

「個性が無くてもプロヒーローになって、無個性の人達に希望を与える。それがあなたの夢…」

 万偶数の言葉に切島は握り拳をほどいた。

 

「その通りだよ」

「……」

 出久が目を閉じた。

 

「ここまで来るのに色々犠牲にしてきたし、沢山の人達が自分の時間を割いて僕に協力をしてくれた。僕の夢はもう僕一人だけのものじゃなくなったんだよ」

「!!」

 出久が目を見開いて万偶数を見た。

 

「僕にはこの夢を叶える義務がある。後戻りも出来ない」

「……!」

 

「蛙吹さんや君たちには悪いけど、僕はその為に雄英にいる。恋は…夢を叶えてからでも遅くないと思ってる」

「そう…」

 万偶数が呟くと、切島は俯いた。そして出久を殴ろうとしていたことを恥じた。

 

 芦戸を応援したい気持ちはあるけど、出久には出久の都合があるし、皆ヒーローになりたくて雄英高校に来ている。それを邪魔してはいけないと考えていた。

 

「ごめんね」

「謝らないで」

 羽生子が出久を見た。

 

「今の貴方の目を見たら私も止められないわ」

「…ありがとう」

「それに、夢よりも女の子を優先させても、梅雨ちゃんは喜ばないわ」

「!」

 出久が羽生子を見た。

 

「だって梅雨ちゃんは優しい子だもの。私なんかともお友達になってくれたし」

「万偶数さん…」

 万偶数は口角を上げた。

 

「でもね」

「?」

 万偶数が個性を使って蛇にらみをした。

 

「無暗に梅雨ちゃんを悲しませたら許さないから」

「それはもう」

 出久が普通に答えた。

「…本当に肝が据わってるのね」

「ええ。そりゃあもう」

 

 と、その後も出久と羽生子の談笑は続いたが、切島は浮かない表情のままだった。

「まー…これはちょっと冷やかすのはよした方が良さそうだな」

 瀬呂も流石に空気を読む事にした。

 

 そして…

「ありがと。送ってくれて」

 ファミレスを出た後、出久は羽生子を駅まで送った。

「いやいや。それにしても雨が止んで良かったね」

「そうね」

 出久と羽生子は見つめ合った。

 

「お互い頑張ろう」

「そうね。あなたには頑張ってもらわないといけないから。それじゃあね」

「はーい」

 と、羽生子は定期券を機械に通して、ホームの中に入っていった。そして出久は羽生子が見えなくなるまで見送った。

 

 

「…さて」

 羽生子が見えなくなった後、出久は呟いた。

 

「そろそろ出てきていいよ。切島くん、瀬呂くん」

「バレてたか…」

 切島と瀬呂が現れたが、瀬呂は苦笑いしていた。

 

「蛙吹さん達にバラすの?」

「最初はそうするつもりだったけどやめる。瀬呂さんは空気の読める男だから」

 と、瀬呂はおどけてみせた。

「…とまあ、切島がどうしても言いたい事があるみたいだぜ」

「知ってる」

 切島が出久に詰め寄った

 

「緑谷ァ」

「何だい?」

 切島が出久の胸ぐらをつかんだ。

 

「!!?」

「あ、大丈夫です。喧嘩とかじゃないんで…」

 それを見て瀬呂は困惑しながらも、心配していた周囲の人を宥めた。

 

「お前、夢を語ったよな」

「語ったよ。そして二言はない」

「言ったな。いいか! 言ったからには絶対夢叶えろよ!!」

「叶えます!!」

「よし!!」

 と、切島が出久を離した。

 

「いや、あっさり終わるんかい…」

「そりゃあ終わるよ。お巡りさんが来て三人仲良く事情聴取なんて嫌でしょ?」

「めっちゃ嫌」

「僕達も帰ろう」

「そうだな…」

 と、出久は切島と瀬呂と一緒にその場を後にした。ちなみに近くに交番があり、おまわりさんも見ていたが、止めなかった。

 

「止めなくて良かったんですか?」

「男が夢を語り合っていた。止める理由がどこにある!」

 

 そして、羽生子は電車の中で出久の事を思い出していた。

 

(梅雨ちゃん。あなた、結構いい男の事を好きになったのね。友達として誇らしいわ♪)

 

 という内容のメールをして、梅雨が顔を真っ赤にしたのは言うまでもなかった。

 

おしまい

 




キャラクターファイル16
瀬呂 範太(せろ はんた)

A組のガヤ担当。地味で目立たないが、それでもめげないある意味凄い奴。
そして空気も読める為、なくてはならない存在だ。
でも、なんだかんだ言って報われない。
さあ皆さんもご唱和ください。どーんまい。
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