ダシマ式僕のヒーローアカデミア「僕のハーレムアカデミア♥」 作:ダシマ
こんにちは。緑谷出久です。何やらいろいろ騒がせているようですが、これからもPlus ultraしていくので宜しくお願い致します。
さて、本日のお話なんですが…。
「……」
「……」
雨が降るある日の事、僕は今下校中だったのですが、一人の女子生徒がこっちをじーっと見つめていました。顔が蛇の女の子です。
無視しました。
「ちょっとぉ!! 何で無視するのよぉ!!!」
あらまぁ。突っ込んできました。
「君のツッコミ待ち」
「え ?あ、そ、そう…?」
出久のマイペースぶりに女子生徒も思わず怯んでしまった。
「それはそうと、何か用かな?」
出久は少女に話しかけた。
「そういえば自己紹介がまだだったわね。私は万偶数羽生子(まんぐうす はぶこ)。梅雨ちゃんの友達よ」
「ああ。蛙吹さんの」
出久が納得した。
「で、どうかしたのかな?」
「話があるの。時間いい?」
暫くして…。
「あーあ。天気悪いなー」
「梅雨明け来週らしいぞ」
「マジかよ!!」
切島と瀬呂が歩いていた。
「ん?」
瀬呂がある事に気づいた。
「どうしたんだよ瀬呂」
「おいあれ見ろよ。緑谷じゃね?」
「あ、ホントだ…って、あれ?」
羽生子の存在に気付いた。
「もしかして…」
「マジかよ!!!(大汗)」
切島と瀬呂が向き合い、瀬呂が絶叫したが切島は複雑そうにしていた。
「とりあえずファミレスにでもいこっか」
「ええ」
と、出久が羽生子とファミレスに行くと、瀬呂と切島をあとをつけた。
「緑谷の奴、どんだけ女にモテるんだよ…」
「……」
瀬呂が切島にそう言うが、切島は返事をしない。
切島の脳裏には芦戸の事がよぎっていた。
テーブルについた2組はそれぞれ注文した。出久・羽生子テーブルは出久が注文して、切島・瀬呂テーブルは2人で注文をしていた。店員がオーダーを取り終わってその場を去ると、瀬呂と切島は出久と羽生子の事を監視していた。
「思った以上に聴き取れねぇな…」
「ああ…」
「こんな時耳郎がいてくれたらなぁ…」
と、瀬呂が嘆いていると、
「緑谷くん」
「!!」
「梅雨ちゃんの事、どう思ってるの?」
羽生子の問いに切島と瀬呂が反応した。
「クラスメイトだと思ってるよ」
出久が羽生子の顔を見て答えた。
「そう…」
「……」
落ち込んだ様子の羽生子を見て出久は何も言わなかった。
「あなた、彼女とか作る気はないの?」
「無いね」
切島と瀬呂も衝撃を受けたが、この時切島は怒りの感情も沸き起こっていた。
- 回想 -
「芦戸!!」
「!!」
去年の事、切島は芦戸と女子生徒の所を訪ねた。この時の切島の髪形は今の派手な赤色で逆立ちへあーではなく、黒のストレートだった。
「すまなかった!!」
切島が頭を下げると、芦戸達は驚いた。
「え、何急に…」
「その…」
切島は芦戸がヴィランに襲われていた時に、自分は足元がすくんで助ける事が出来ず、出久に任せてしまった事を芦戸に説明した。
「あーそっかー」
「本当にすまねぇ!!!」
切島が再度謝った。
「それは別にいいよ。足元がすくんで動けなかったのはアタシも同じだったし」
「でも!!」
「切島の気持ちは分かったから。ありがと」
芦戸が口角を上げた。
「芦戸…」
「切島がいたって事はさ。あの子も見てたんだよね?」
「え?」
「あの緑色の子!」
「あ、ああ!」
「あの子凄いよね。何かなよなよとしてた感じがしてたけど、戦ってる時とか凄く男らしくてさ」
芦戸が出久の事を楽しそうに話し始めたが、その時に本当に出久に恋をしているんだという事が分かっていた。
- 回想 終わり -
そんな出久の返答を聞いて切島は握り拳を作って、今にでも出久を殴りそうだった。
「どうしてかしら?」
出久は目を閉じた。
「万偶数さんは僕が個性がない事は知ってるかい?」
出久の言葉に万偶数はこう答えた。
「知ってるわよ。梅雨ちゃんから聞いてるもの。そしてあなたの夢も知ってる」
万偶数が出久を見つめた。
「個性が無くてもプロヒーローになって、無個性の人達に希望を与える。それがあなたの夢…」
万偶数の言葉に切島は握り拳をほどいた。
「その通りだよ」
「……」
出久が目を閉じた。
「ここまで来るのに色々犠牲にしてきたし、沢山の人達が自分の時間を割いて僕に協力をしてくれた。僕の夢はもう僕一人だけのものじゃなくなったんだよ」
「!!」
出久が目を見開いて万偶数を見た。
「僕にはこの夢を叶える義務がある。後戻りも出来ない」
「……!」
「蛙吹さんや君たちには悪いけど、僕はその為に雄英にいる。恋は…夢を叶えてからでも遅くないと思ってる」
「そう…」
万偶数が呟くと、切島は俯いた。そして出久を殴ろうとしていたことを恥じた。
芦戸を応援したい気持ちはあるけど、出久には出久の都合があるし、皆ヒーローになりたくて雄英高校に来ている。それを邪魔してはいけないと考えていた。
「ごめんね」
「謝らないで」
羽生子が出久を見た。
「今の貴方の目を見たら私も止められないわ」
「…ありがとう」
「それに、夢よりも女の子を優先させても、梅雨ちゃんは喜ばないわ」
「!」
出久が羽生子を見た。
「だって梅雨ちゃんは優しい子だもの。私なんかともお友達になってくれたし」
「万偶数さん…」
万偶数は口角を上げた。
「でもね」
「?」
万偶数が個性を使って蛇にらみをした。
「無暗に梅雨ちゃんを悲しませたら許さないから」
「それはもう」
出久が普通に答えた。
「…本当に肝が据わってるのね」
「ええ。そりゃあもう」
と、その後も出久と羽生子の談笑は続いたが、切島は浮かない表情のままだった。
「まー…これはちょっと冷やかすのはよした方が良さそうだな」
瀬呂も流石に空気を読む事にした。
そして…
「ありがと。送ってくれて」
ファミレスを出た後、出久は羽生子を駅まで送った。
「いやいや。それにしても雨が止んで良かったね」
「そうね」
出久と羽生子は見つめ合った。
「お互い頑張ろう」
「そうね。あなたには頑張ってもらわないといけないから。それじゃあね」
「はーい」
と、羽生子は定期券を機械に通して、ホームの中に入っていった。そして出久は羽生子が見えなくなるまで見送った。
「…さて」
羽生子が見えなくなった後、出久は呟いた。
「そろそろ出てきていいよ。切島くん、瀬呂くん」
「バレてたか…」
切島と瀬呂が現れたが、瀬呂は苦笑いしていた。
「蛙吹さん達にバラすの?」
「最初はそうするつもりだったけどやめる。瀬呂さんは空気の読める男だから」
と、瀬呂はおどけてみせた。
「…とまあ、切島がどうしても言いたい事があるみたいだぜ」
「知ってる」
切島が出久に詰め寄った
「緑谷ァ」
「何だい?」
切島が出久の胸ぐらをつかんだ。
「!!?」
「あ、大丈夫です。喧嘩とかじゃないんで…」
それを見て瀬呂は困惑しながらも、心配していた周囲の人を宥めた。
「お前、夢を語ったよな」
「語ったよ。そして二言はない」
「言ったな。いいか! 言ったからには絶対夢叶えろよ!!」
「叶えます!!」
「よし!!」
と、切島が出久を離した。
「いや、あっさり終わるんかい…」
「そりゃあ終わるよ。お巡りさんが来て三人仲良く事情聴取なんて嫌でしょ?」
「めっちゃ嫌」
「僕達も帰ろう」
「そうだな…」
と、出久は切島と瀬呂と一緒にその場を後にした。ちなみに近くに交番があり、おまわりさんも見ていたが、止めなかった。
「止めなくて良かったんですか?」
「男が夢を語り合っていた。止める理由がどこにある!」
そして、羽生子は電車の中で出久の事を思い出していた。
(梅雨ちゃん。あなた、結構いい男の事を好きになったのね。友達として誇らしいわ♪)
という内容のメールをして、梅雨が顔を真っ赤にしたのは言うまでもなかった。
おしまい
キャラクターファイル16
瀬呂 範太(せろ はんた)
A組のガヤ担当。地味で目立たないが、それでもめげないある意味凄い奴。
そして空気も読める為、なくてはならない存在だ。
でも、なんだかんだ言って報われない。
さあ皆さんもご唱和ください。どーんまい。