ダシマ式僕のヒーローアカデミア「僕のハーレムアカデミア♥」 作:ダシマ
とある日の事。
「なあ、緑谷」
「なに?」
A組の教室で出久は女子達と談笑していたが、轟が話しかけてきた。
「お前に相談がある」
「いいよ。なに?」
轟が困惑した。
「オレと一緒に海に来てくれねぇか」
「!!?」
轟の発言に皆が驚いた。あまり人に関心を持たない爆豪ですらちょっと驚いていた。
「急にどうしたんだよ轟!!」
「ナンパに目覚めたのかぁ!!?」
「お前らと一緒にするな!!」
上鳴と峰田が騒ぐと耳郎が突っ込んだ。この時女子達は上鳴と峰田と同じであって欲しくないと心の底から思っていた。葉隠以外の女子は普段は出久しか見ていないものの、こういう時はちゃんと他の男子の事も気にかけたりしている。仲間だもの。
「もしかして…」
出久が呟くと、皆が出久を見た。
「エンデヴァーが関係してる?」
エンデヴァー。この国のトップヒーローであり、轟の実父でもある。しかし、色々自分勝手な性格な為、轟は嫌っている。
「ああ」
「しかし、何でまた海に行こうだなんて…」
耳郎が言い放つと轟はこういった。
「海で特訓するとしか聞いてねぇ」
「それ多分家族水入らずで行きたいんじゃないかな」
轟が露骨に嫌そうにした。
(嫌がり過ぎだろ…(汗))
(どんだけエンデヴァー嫌いなんだよ…)
(ていうか、轟そういう顔出来たんだな…(汗))
轟がエンデヴァー嫌いだという事はクラスメイトも知っていたが、父親絡みになると普段から想像も出来ない事もするという事が分かり、辟易していた。
「で、気まずいから僕にも来て欲しいと?」
「姉さんと兄貴には承諾を得た」
轟には姉が一人、兄が二人いてエンデヴァ―の事を相談すると、兄が「友達連れてくればよくね? 親父の事だからいい所見せようとしてるだろうから、断れねー雰囲気作っちまえばこっちのもんよwwwww」といい、エンデヴァーに対して嫌がらせをしようとしていた。
その時の表情はとても良い表情で、姉である冬美はドン引きしていた。程々にしなさいよ…と言わんばかりに。だが、友達を連れてくるという事は冬美も大賛成だった。
「いいよ」
「!!」
出久は二つ返事で承諾した。
「ヒーローらしく、君を救ってみせようではありませんか」
「緑谷…!!」
出久がどや顔をすると、轟は本当に感謝した。
「ところで轟くん」
「何だ?」
お茶子が轟に話しかけた。
「海って…プライベートビーチか何かなん?」
「そうですわ」
「そういや…そこまで聞いてねぇな」
「確認して!」
「分かった」
と、耳郎に言われて轟が電話でエンデヴァーに確認した。凄く嫌そうだったが…。
そして確認が取れた轟は出久達に報告する事になった。
「…公衆の面前でやるらしい。マスコミにアピールするとかで」
轟が頭を押さえていた。
「まー。じゃなかったら今まであんな事しないもんね」
「……!!」
ヒロインズもまずそうにしていた。プライベートビーチなら出久が逆ナンパされる心配はないが、公衆の面前であれば逆ナンパされる可能性はある。だって、自分達もコロッと出久に落ちてしまったから分かるのだった。
(何としてでも阻止しなければ…!!)
すると芦戸が口を開いた。
「あ、そういえば緑谷が行く件についてはちゃんと話したの?」
「ああ。嫌そうにしていたが知らん」
轟の容赦ない一言に、皆が辟易していた。
「そういやどこの海水浴場!!?」
芦戸がそう聞いた。
「お前らまさか…ついてくるつもりか?」
「はい!! そりゃあもう!!」
と、皆が言い放った。
「もちろんべつこうどうよ。エンデヴァーと出久ちゃんのようすをとおくからみまもらせてもらうわ。さすがにおおぜいでおしかけるのはしつれいだとおもうの」
「そ、そうか…」
梅雨はその辺空気が読めていた。
「皆。すまねぇ…」
「良いって事よ。あ、でもね轟くん」
「何だ。何でも言ってくれ」
轟が出久を見ると、
「そこはね。ありがとうだよ」
「!!」
「ごめんねだと相手に気を遣わせるから。ありがとうって言った方が相手も喜ぶし、話が終わりやすくなるんだよ。次からはそうしてみて」
「あ、ああ…」
出久の言葉に皆が口角を上げると、出久は峰田を見た。
「僕、今すっごいいい事言ったでしょ」
「その一言ですべてが台無しだよ!!!(大汗)」
「いやー。このままだと僕めっちゃいい人になっちゃってやり辛くなるから」
「そこはボケなくていいから!!」
と、峰田が突っ込むと笑いが生まれた。轟も口角を上げた。
(緑谷…。お前は本当に凄い奴だよ。ふだんはふざけてるように見せかけて、オレ達をいつも助けてくれる。お前なら…オールマイトを超えるヒーローにだってなれそうだ)
轟が目を閉じた。
(オレの親父もこうだったらなぁ…!!!!)
出久の凄さを実感すると同時に、父・エンデヴァーの幼稚さに絶望していた。
こうして、出久は轟と一緒にエンデヴァーと訓練という名の海水浴に行く事になった。
親子水入らずじゃないという事にエンデヴァーは憤慨していたものの、出久がこっそり「あ、ツーショット写真撮りますんで」と一言言い、実際にエンデヴァーが満足するようなツーショット写真を撮ってみせたので、エンデヴァーは上機嫌になった。
轟の態度は相変わらずだったが…。
お茶子たちが心配していた逆ナンパについてだったが…。
「この海水浴場は金を払えばプライベートゾーンとして利用する事が出来る! そう、マスコミや一般市民に訓練している所をアピールしたいヒーロー向けに開発されたのだ!!」
トップヒーローがそんなんいらんやろと思うだろうが、エンデヴァーの目的はあくまで息子と仲がいいアピールをする事である為、特に気にしちゃいなかった。
エンデヴァーの思惑通り、柵の向こうには市民やマスコミが集まって来ていて注目を浴びていた。轟もイケメンだったので、女性からの黄色い悲鳴も聞こえる。
「おのれ轟…!!!!」
「イケメンがぁ…!!」
上鳴と峰田が嫉妬していた。
(あの黄色い悲鳴が轟くんでありますようにあの黄色い悲鳴が轟くんでありますようにあの黄色い悲鳴が轟くんでありますようにあの黄色い悲鳴が轟くんでありますように…)
ヒロインズは出久に視線が行かない事を心の底から祈っていた。
だが、
「ねえあの緑色の子もカッコよくない?」
「そうね! ムキムキだし…」
「あれ? よく見たらあの子どこかで…」
「去年や体育祭で色々大活躍してた凄い子じゃん!!」
「!!!」
という声が聞こえていたので、お茶子たちが焦り始めてそこから攻防戦が繰り広げられたのは言うまでもなかった。
「あー。今日もいい一日でした☆」
出久はそう言いながら、ジュースを飲んだ。
おしまい
キャラクターファイル18
口田 甲司(こうだ こうじ)
動物を自在に操る個性を持つが、普段は無口。
体が大きい割には小心者であるが癒し系となっている。
本作では彼の台詞を誰かが代弁している事が多い。