ダシマ式僕のヒーローアカデミア「僕のハーレムアカデミア♥」   作:ダシマ

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第49話「出久の本気の戦い(後編)」

 

 

 和哉の元でのインターンシップをかけて、和哉の地元である広島県・虹島のとあるスタジアムで和哉の弟である古堂孫と1VS1で戦っていた。

 

 パワーもスピードも孫の方が上であり、勝ち目はあると言い切れない戦いではあるが、出久は雄英高校で学んだ事と、経験を駆使して全力で勝負に挑んでいた。

 

 また、出久の事が心配になったクラスメイト達、教師、先輩も出久に内緒で応援に来ていたが、出久と孫の戦いを見て言葉を失った者、感動した者、そして改めて出久に対して敬意や恋心を抱く者がいた。

 

 お互い一歩も引かないまま、試合が始まって15分が過ぎた。

 

孫「……」

出久「……」

 

 舞台は壊れてしまったが、それでも孫と出久は気にせず、戦いに集中していた。普段からの姿から想像もつかない程真剣な顔をしていた。

 

お茶子「……」

 お茶子はそんな出久の顔を見て、改めて惚れ直していた。

 

お茶子「かっこいい…」

 お茶子のつぶやきに皆がお茶子を見た。するとお茶子が我に返って慌てたが。

リューキュウ「分かるわ。恥ずかしい事じゃないわよ」

 リューキュウがお茶子の肩を抱いた。

 

リューキュウ「今すぐ抱いてほしい!!」

相澤「お前は恥を知れ」

 

 自重しないリューキュウの言葉に相澤は冷徹な表情で突っ込んだ。今の彼の中ではリューキュウは峰田と同レベルになっていた。

 

峰田「ちくしょ~~~~~」

 峰田は出久の姿を見て悔しがっていた。

 

耳郎「何だよ」

八百万「何ですか」

峰田「何でこんなに緑谷かっこいいんだよちくしょーっ!!!」

上鳴「そうだ!!! こんなにかっこいいなんて聞いてないぞ!!!!」

 

 今まで女子にモテる事に対して、出久に対して嫉妬していたが今回の真剣な戦いを見て素直にかっこいいと思っていた峰田と上鳴。

 

耳郎「そ、そりゃあ…」

梅雨「そんなのきまってるわ」

八百万「そうですわね」

「?」

 

 お茶子、八百万、芦戸、梅雨、耳郎、リューキュウが苦笑いした。

 

お茶子「デクくんやもん」

八百万「出久さんだからですわ」

芦戸「出久だもん」

耳郎「出久だしな」

梅雨「出久ちゃんだからよ」

リューキュウ「出久くんだもの」

上鳴・峰田「キ―――――――――――――――――!!!!!」

 

 ヒロインズの自信満々の表情を見て、峰田と上鳴は発狂した。どうしたらあんな風になれるんだと思わずにはいられなかった。

 

切島「いけぇ――――――――――――!!!! そこだ緑谷――――――――――!!」

 

 切島が声援を送っていた。ヒーローになろうとするストイックさと、師匠である和哉に対して筋を通したいという義理堅い出久の姿を見て、完全に切島は心酔していた。そして出久は切島の声援にこたえるかのように、孫に立ち向かっていく。

 

 そして他の生徒達も心を動かされていき、出久への声援が大きくなっていった。

 

和哉「……」

 

 和哉もそんな声援を感じ取ったのか、観客席にいるオールマイト達を少しだけ見て、孫と出久の戦いに目をやった。

 

出久「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 出久は声を上げて孫に立ち向かっていった。

 

 

『み、緑谷出久です!』

 

 数年前、出久は飛鳥の紹介で和哉に出会った。その時から和哉は顔が怖く、見下していたので、出久は萎縮していた。

 

 それから色々あって稽古をつけたが…。

 

出久「うわーっ!!!」

 

 出久はぶっ飛ばされていた。

 

和哉「どうした。終わりか」

出久「ううっ…」

 

 和哉が話しかけると出久は返事が出来ず、そのまま蹲っていた。それに対して和哉は静かに目を閉じた。

 

和哉「止めだ」

出久「!!」

 

 修業を打ち止めて去ろうとすると出久が起き上がって和哉を見た。

 

出久「ま、まだ僕は…!」

和哉「言った筈だ。もう出来ないと判断したら打ち止めると。耐えれるようになってから来い」

 そう言って和哉が消えると、出久は悔しさから涙があふれ出ていた。

 

 またある日の事。

飛鳥「今日はオレとトレーニングしよう」

 

 和哉との修業を見かねた飛鳥が出久に対して話しかけて、そのままトレーニングを行い、和哉が陰から見守っていた。

 

和哉「……」

未来「行かなくて良いんですか?」

和哉「構わん。オレが行った所で同じことの繰り返しだ」

 

 一緒に来ていた未来が心配するように言うと、和哉はいつもの様子で言い放って去っていった。

 

 そして…

 

出久「和哉さん!!」

和哉「……」

 

 少し小汚い様子の出久が和哉の元に現れた。和哉はいつも通りだった。

 

和哉「何だ」

出久「稽古をつけてください!!」

和哉「……」

 

 そして稽古をつけた。

 

出久「うわーっ!!!」

和哉「少しはマシになったと思ったが…まだまだだな」

 

 和哉がまた修業を打ち止め、その度に出久は自分でどうするべきか考えた。足りないと思った事は孫や飛鳥の力を借りて鍛え、自分でも出来る限りの事は自分で鍛えた。全ては和哉との修業を最後までやる為だった。

 

 しかし、そうすればそうする程、出久の調子はおかしくなった。

 

出久「ど、どうして…」

和哉「……」

 

 どうあがいても結果が出ず、絶望する出久に対し、和哉が出久にこう言った。

 

和哉「お前は何のために修業をしている」

出久「!」

 

 和哉の言葉に出久は顔を上げて和哉の顔を見た。いつもの怖くて涼しい顔だ。

 

出久「そ、それは…和哉さんとの修業を最後まで…」

和哉「それじゃあ結果が出なくて当然だ」

「!!」

 

 出久がショックを受けたが、和哉は言葉を続けた。

 

和哉「お前の目標は何だ」

出久「そ、それはヒーローになる事で…」

和哉「そうだろう」

出久「!」

 出久が和哉を見つめた。

 

和哉「ヒーローになる為で、オレとの修業を最後まで果たす事じゃないだろう。初心を忘れるな。自分を見失った人間に未来はない」

出久「!!」

 

 和哉の言葉に出久ははっと気づいた。

 

和哉「もう一度やってみろ」

出久「は、はい!!」

 

 

和哉「……」

 

 和哉は今の出久を見て、思い出していた。

 

 

和哉(あんなに貧弱だった奴がな…)

 

 体力がなくなり始め、孫に顔を数発殴られて、ぶっ飛ばされた。

 

芦戸「ああっ!!!」

切島「緑谷―!!!!」

 

 ぶっ飛ばされた様子を見て芦戸がショックを受けて、切島が声を上げて出久を応援した。

 

お茶子「デクくん…」

 

 心では分かっていても出久の事を見守る事しか出来ない事に、お茶子はやきもきしていた。

 

出久「はぁ…はぁ…」

 出久が息を切らして孫を見つめると、孫がまた出久に攻撃を仕掛けてきたので、一瞬のスキをついて、孫の手を取って、そのまま投げ飛ばした。

 

孫「うわあああっ!!!」

 

 孫はそのまま投げ飛ばされるが、受け身を取り、出久に攻め込んだ。

 

「ううっ…!!!」

 

 個性がなくても果敢に攻め込み、昔よりも成長していた出久の姿に島の観客たちも感動して涙を流していた。

 

陽炎『な、なんということでしょう…』

 

 飛鳥に抱えられながら陽炎は実況を続けていた。

 

陽炎『これ程…これ程泥臭く、熱い試合があったでしょうか!!! 私は…私は…涙が止まりません!!!!』

 

 陽炎が涙ながらに実況を続けていて、飛鳥は見守るように出久と孫を見ていた。

 

 

出久(やっぱり孫さんは強い…)

 

 出久は息を切らしながら孫を見つめていた。

 

出久(これ以上やっても、やられるだけだ!! ここで決める!!)

 出久が力を込めた。

 

出久(僕が自分の力で編み出した…僕だけの必殺技!!!)

 

 出久が右手に力を籠めると、周りの空気が出久の拳にまとわり、それが緑色の光になった。

 

「!!」

 

出久「行きますよ!! 孫さん!! 緑拳(りょくけん)」

孫「……!!」

 すると孫も磨旋鉄拳の構えをした。

 

 そして、大地を蹴った。

 

出久(見ていてください、和哉さん。見ていて、雄英の皆)

 

 出久が歯を食いしばって孫の磨旋鉄拳と真っ向勝負を仕掛けた。

 

出久(これが…僕の…全てだ!!!)

 

 

 

出久「緑衝撃!!!」

孫「磨旋鉄拳!!!!」

 

 2つの必殺技がぶつかり合った。とても大きな音を立て、衝撃波が観客席にも響いた。

 

 そして…

 

 

 ボッカァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

 

 

 大きな爆発と爆発音が響き渡った。爆発により煙が巻き起こり、これが全部払われたのは数分後だった。

 

 

爆豪「……!!」

上鳴「ど、どうなったんだ!!?」

瀬呂「絶対腕失くなってるぞ…」

 

 爆豪達が周りの煙を手で振り払いながら、舞台を見ると、舞台は完全に壊れていて、孫と出久はお互い吹き飛ばされて横になっていた。腕はなくなってはいなかった。

 

出久「くっ…!!」

孫「いたたたた…!!」

 

 孫が簡単に起き上がるが、出久は力を入れて起き上がろうとしていた。

 

「!!」

 

出久「……!!」

 

 しかし、もう起き上がる事が出来ず、出久はそのまま仰向けになって倒れた。

 

 

「あ…」

 

 出久が倒れる姿に、お茶子たちは声を漏らした。

 

 

飛鳥「……」

陽炎「……」

 

 飛鳥と陽炎が顔を合わせると、お互い頷いて、陽炎が正面を向いた。

 

 

陽炎「勝負あり!!! 勝者!! 古堂孫!!!」

 

 と、陽炎は孫の名前を呼んだ。孫は特に喜びもせず、出久の元に近づいた。

 

「!」

 

出久「……」

 

 出久は目を開けていた。自分は試合に負けたんだと悟った。

 

孫「イズク」

出久「…孫さん」

 

 出久が孫を見た。

 

孫「つよくなったな」

出久「ありがとうございます。でも…負けちゃいました」

 

 孫が出久の手を引っ張って、出久を起き上がらせた。

 

孫「つぎかてばいいんだ」

出久「ですが、ヒーローになったらそうはいきませんよ」

孫「オレもつぎはまけない」

出久「……」

 

 孫の様子を見て出久は口角を上げた。

 

出久「そうでしたね。負けなければいいですもんね」

孫「ああ! でも、よくがんばったな」

出久「…はい!」

 

 

陽炎『皆さん!! 試合には負けましたが、健闘した緑谷選手にも大きな拍手をお送りください!!!』

 

 陽炎のアナウンスで、出久にも惜しみない拍手が送られた。A組の生徒も、教師たちも、先輩たちも、出久を称賛した。

 

 

 

 次回、最終回。

 

 

 

 




キャラクターファイル49

陽炎 陽子

オリジナルキャラクター
アナウンサー歴20年のベテランアナウンサー。
虹島でイベントの実況を担当している。
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