ダシマ式僕のヒーローアカデミア「僕のハーレムアカデミア♥」 作:ダシマ
葉隠から「どうして皆は緑谷くんの事を好きになったの?」という質問を受けて、答える事になったお茶子たち。芦戸が恥ずかしい思いをしながら答えたのに対し耳郎が「チョロインかよ」と思わず本音を漏らしたため、2番手は耳郎となりました。
「喋らなかったらお父さんから小さい頃の写真を仕入れてるので、公開ね」
「何してくれてんだあのおっさんはぁああああああああ!!!!(激怒)」
「耳郎ちゃん。他にもお客さんがいるから静かに」
「はい」
芦戸の脅迫に耳郎が怒鳴ると、梅雨が冷静に突っ込んだ。
「え、えーと…//////」
耳郎がモジモジした。両耳にあるイヤホンジャックを指をツンツンするかのように、くっつけていた。
(カワイイ)
「可愛い思うなぁ!//////」
あからさまにお茶子たちから可愛いと思われているのに気付いて突っ込む。
「ほら早く!」
「無理強いはよくないわ」
「うん。今ので十分に好きって言うのは伝わったよ」
芦戸が急かそうとすると梅雨と葉隠が諫めた。
「思った以上に引っ込み思案だったのね…耳郎って」
「ち、ちがわぁ!! えっと…うちが最初に出久に出会ったのは夏休みの時だ」
耳郎が息をのんだ。
「夏休み?」
「ああ…。気分転換にフェスに出かけたんだよ。ただ…」
「ただ?」
「フェスに出かける直前に、友達とくだらねぇ事で喧嘩したんだけどな…」
「ああ…」
耳郎の言葉に何とも言えない感じだった。
「で、それが惚れるきっかけになったんでしょ?」
「そ、そうだよ…////」
芦戸の言葉に耳郎が頬を染めた。
「もっと詳しく教えて!!」
「……」
葉隠の言葉に耳郎は観念したのか、詳細をおしえた。
- 回想 -
「はぁ…」
フェス会場にやってきたが、耳郎は浮かない顔をしていた。
『もういいよ! 電話かけてくんな!!』
と、耳郎は電話越しの友達にそう叫んだ。
(うちの悪い癖だなぁ…。ああやってすぐにムキになんの。これじゃヒーローになんて慣れる訳ないよ…)
と、耳郎が考えていると、耳郎の前にいた人がひょいっと避けた。あまりにも変な動きをしたので耳郎が思わず振り返った。その変な動きをした男こそが緑谷出久である。白のTシャツに緑色の短パンを穿いていた。
「前を見て歩かないと危ないですよ」
「す、すみません…」
出久の言葉に耳郎は頭を下げた。
「元気ないけど、具合悪いの?」
「い、いえ違います!」
「そっか。それならいいけど無理しないでね」
そう言って出久は去っていった。
「……」
このままじゃいけないと思い、耳郎は気をしっかり持ち直してライブ会場に向かった。
そして熱狂に包まれたままフェスが行われた。ヴィランが来る事もなく平和なひと時だった。
「……」
耳郎もそれなりに楽しんでいたが、喧嘩の事が脳裏によぎっていた。
そんな時だった。
『続いてはこのバンドです!!』
と、アナウンサーの紹介で5人の男女が現れたが、ボーカルを務めていたのが出久だった。
「!!?」
「えー。どうもこんにちは。ザ・デクバンドです」
出久が凛々しい顔でMCを務めていました。
「えー。本当は僕ギターだけだったんですけど…。あ、自己紹介しますね」
出久が口角を上げた。
「代役で歌う事になった緑谷出久だぜベイベー!!!」
出久が高らかにそう言い放つと大歓声が上がった。普通に考えたら「MCになってなくね?」と思うかもしれない。だが、観客たちはヒートアップしていて、出久のノリに全力で乗っかっていた。
「……!!」
耳郎もなぜかその姿に心を奪われていた。
「それでは早速ですが聞いてください。大きな栗の木の下で」
童話をバンド風に演奏し、出久もそれっぽく歌い始めた。普通なら笑いが生まれる所だが、出久の歌唱力は人並み以上はあり、他の4人の演奏が完全に出久が放つ世界観に合っていて、観客を盛り上げるには十分だった。
「素敵…//////」
耳郎はこの時点で出久にときめていた。歌唱力でも演奏でもなく、演奏を心から楽しんで、ありのままの自分を素直にさらけ出している姿に。
素直になる事。それこそが彼女が今一番求めていた姿であり、決心した。友達にちゃんと謝ろうと。
ライブが終わり、耳郎は出久を待ち伏せしていた。友達に謝る前に出久にちゃんとお礼を言おうと。
すると出久がやってきて、チャンスだと思った耳郎は出久の前に現れた。
「あら」
「……!」
耳郎が緊張した面持ちだった。
「今度はどうしたの?」
「その…」
耳郎が口をつぐんだ。
「ライブ。とっても良かったです」
「そっかー。ありがとう」
出久が苦笑いした。
「それから…歌、聞いて…元気が出ました」
「そりゃよかった。本当に代役だったんだけど、頑張った回があったよ」
出久がそう言うと、耳郎は出久を見つめた。
「その…プロの方ですか?」
「違う違う。息抜きに来た受験生だよ」
「え」
耳郎が驚いた。
「じゅ、受験生って…高校3年生ですか?」
「ううん。中学3年生」
「同い年!!?(大汗)」
出久の年齢を聞いて耳郎が驚愕した。
「まあ、それはそうと…悩みは解決した?」
「え」
出久が口角を上げた。
「元気なかったから、悩んでたのかなって思ったんだけど」
「あ、えっと…」
耳郎が事情を説明した。
「うん。何事も素直になるのが一番いいよ」
「!」
出久が口角を上げる。
「頑張って。耳郎さんなら出来るって信じてるから」
「……!」
「じゃ、そういう事で」
そう言って出久は去っていった。
- 回想終わり -
「…で、ずっと出久の事を考えてて、気が付いたら恋心に気づいたってパターンか」
「言うな…//////」
芦戸の言葉に耳郎が頬を染めて突っ込んだ。
「うーん。こうしてみると緑谷くんってヒーローみがあるよね」
「それな」
葉隠の言葉に芦戸と耳郎がツッコミを入れた。
「雄英高校に入ってからわかったけど、緑谷ちゃん。普段からほうしかつどうをしているのよね…。わたしたちのしらないところで」
「勉強とかいつしてるのかな…」
と、出久の話題になった。
「いやー…もう本当に罪な男だよね。出久って。ねえ耳郎」
「うちに話を振るなっ!!//////」
「こうなったらもうお互いカミングアウトした者同士、仲良くしよーよ」
芦戸の言葉に耳郎は何か腑に落ちなかったのか…。
「ええい! 次は梅雨ちゃんだ!!」
「ケロッ」
ガールズトークはまだまだ続く。
おしまい
キャラクターファイル15
切島 鋭児郎(きりしま えいじろう)
男気ヒーロー・クリムゾンライオッドに憧れる熱血漢。
その半面で自信がない所があり、中学時代に同級生だった芦戸を
ヴィランから守れなかった事を悔やんでいて、
その雪辱を晴らすために日々奮闘している。
それでも勉強は苦手。