R団ボスの娘   作:九戸政景

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政実「どうも、好きな炎タイプはリザードンの片倉政実です」
ツバキ「どうも、ツバキです。リザードンって、メガシンカも二種類あるし、キョダイマックスの姿もあるから、結構公式から愛されてるわよね」
政実「そうだね。他の炎タイプのポケモンも好きだけど、その中で一番を決めるならやっぱりリザードンかな」
ツバキ「そう。さて……それじゃあそろそろ始めていきましょうか」
政実「うん」
政実・ツバキ「それでは、第7話をどうぞ」


第7話 穏やかな朝とバトルの誘い

 ヒビキ君達やチコリータのリアと出会った翌日の朝食後、私は今日もレインを湖で泳がせてあげるために研究所へと向かっていた。

 ん……今日も良い天気。こんなに良い天気なら、ディーネ達も外に出して、私も一緒に研究所のポケモン達と遊んでみるのも良いかもしれないなぁ……。

 そんな事を思いながら歩いていたその時、「おーい、ツバキさーん!」ととても元気な声が後ろから聞こえ、私は後ろを振り返った。すると、目に入ってきたのは嬉しそうな笑顔を浮かべながら手を振りつつ走ってくるヒビキ君の姿だった。そして、ヒビキ君は私の目の前で足を止めると、少し息を切らしながらニッと笑った。

「おはようございます、ツバキさん!」

「うん、おはよう。今日はコトネちゃん達と一緒じゃないんだね?」

「はい、コトネ達は今日は家の都合があるみたいっす。ツバキさんも今日はシルバーと一緒じゃないんすね?」

「うん。シルバーは家でルーク──ワニノコの事や他のポケモンの事について勉強したいって言って、部屋で読書をしてるみたいだよ」

「なるほど……あ、それなら『キキョウシティ』の『トレーナーズスクール』もオススメっすよ」

「『トレーナーズスクール』……たしかポケモントレーナーのためのポケモンについての基礎知識を学ぶ学校だよね」

「はい。新人トレーナーはもちろん、トレーナーとして初心に返りたいって事で『トレーナーズスクール』に行くトレーナーもいるって聞いた事があるっす」

「なるほどね。そういう事なら私も『ジョウト地方』にいる間に行ってみようかな。もちろん、シルバーやヒビキ君達も誘ってね」

「え、俺達も良いんすか?」

「うん。一緒に勉強した方が絶対楽しいからね」

「ツバキさん……ありがとうございます!」

「どういたしまして。そういえば、ヒビキ君はどこに行くつもりだったの? 私はレインを湖で泳がせてあげるために研究所へ行くところだったけど」

「あ、俺も研究所っす。ホムラ──ヒノアラシの事について色々ウツギ博士に訊こうと思ってて」

「そうなんだ。それじゃあ一緒に行こうか」

「はい!」

 ヒビキ君がとても嬉しそうに返事をするのにクスリと笑った後、私はヒビキ君と話をしながらウツギ博士の研究所へ向かった。そして、そうして歩く事数分、ウツギ博士の研究所に着いた後、私達は自動ドアを通って研究所の中へと入った。すると、研究室からウツギ博士がちょうど出てくるのが見え、私達はあいさつをするためにウツギ博士へと近付いた。

「ウツギ博士、おはようございます」

「おはようございます、ウツギ博士」

「ああ、おはよう。今日は二人だけかな?」

「はい。シルバーは家で読書中で……」

「コトネ達は今日は家の都合があるみたいっす」

「あはは、なるほど。ところで、今日は何の用事かな?」

「あ、はい。今日もレインの事を湖で泳がせてあげたいんですけど、良いですか?」

「ああ、もちろん。ヒビキ君はもしかしてヒノアラシについてかな?」

「はい。昨日のツバキさん達のバトルを観て、俺も早くヒノアラシ──ホムラと一緒にバトルがしたいので、色々訊こうと思ってきたんです」

「なるほどね。そういう事なら、私も出来る限り質問には答えるよ。でも、まずはレインを湖で泳がせてあげるとしよう」

「「はい」」

 ウツギ博士の言葉に揃って返事をした後、私達は研究所の外に出て、湖へと向かった。そして、湖に着いた後、私はレインが入ったモンスターボールをポーチから取りだし、モンスターボールのスイッチを軽く押した。

「出てきて、レイン」

「キュー!」

 レインはモンスターボールから飛び出すと、嬉しそうな笑顔を浮かべながら頭を私の手のひらに擦りつけてきた。

「キュー♪」

「ふふっ、さっきぶりだね。今日もこの湖でのびのびと泳いでおいで」

「キュー!」

 レインは嬉しそうに鳴き声を上げると、のしのしと湖に向かっていき、そのまま静かに湖の中へと入ると、昨日と同じくとても気持ち良さそうな顔で泳ぎ始めた。

 とりあえずお昼までレインにはここで泳いでてもらえば良いから、ひとまず私の用事はこれで良いかな。後はヒビキ君の用事だけど……せっかくだから、私もリアについてもう少しウツギ博士から話を聞いておこうかな。

 そんな事を思った後、私はウツギ博士の方へ顔を向けた。

「ウツギ博士、私もリア──私のチコリータについて色々話を聞いても良いですか?」

「ああ、もちろん。それじゃあ、まずは研究室に行くとしよう」

 その言葉にヒビキ君と一緒に頷いた後、私はレインに一言声を掛けてから二人と一緒に再び研究所の中へと入り、そのままウツギ博士の研究室へと入った。

「さて……君達のポケモンについてだったね。まず、昨日のツバキさん達のバトルの後に軽く話したように君達のポケモンは新人トレーナー用のポケモン達の訓練所にいた個体の中でもとても優秀な子達で、その訓練の過程で色々な技を自分達で会得していたらしい。シルバー君のワニノコの『アクアジェット』やスズカちゃんのヒノアラシの『ほのおのちかい』などが良い例だね」

「って事は……俺のホムラも色々な技を覚えてるってわけっすね」

「そういう事だね。そして、君達のポケモンと他の個体の大きな違い、それは()()()()()という事だ」

「特性が違う……? それって、一体どういう事っすか?」

 ヒビキ君が不思議そうに首を傾げる中、ウツギ博士は私の事を見ながら静かに問い掛けてきた。

「ツバキさん、本来チコリータ達が持っている特性は何かわかるかな?」

「はい。チコリータは『しんりょく』、ヒノアラシは『もうか』、そして、ワニノコは『げきりゅう』。全て新人トレーナー用のポケモン達が持つ特性で、そのどれもが体力が少なくなった時に効果を発揮する特性ですね」

「その通り。『しんりょく』は草タイプの技の威力が、『もうか』は炎タイプの技の威力が、『げきりゅう』は水タイプの技の威力が上がる特性で、ツバキさんが言っていたようにそのどれもが体力が少なくなった時に効果を発揮するものだ。けれど、君達の持つポケモン達の特性は、それらとは違う物で、『イッシュ地方』で行われたある実験の最中に初めて見つかった事から研究者達の中では『夢特性』という名前で呼ばれているよ」

「『夢特性』……! それで、俺達のポケモン達が持ってる特性は一体何なんすか!?」

「ツバキさんとコトネちゃんが手に入れたチコリータ達は、ひざしが強い時に状態異常にならなくなる『リーフガード』、ヒビキ君とスズカちゃんが手に入れたヒノアラシ達は、受けた炎タイプの技のダメージや効果を無効にし、それ以降に出す炎タイプの技の威力を上げる『もらいび』、シルバー君とウズヒコ君が手に入れたワニノコ達は、追加効果を持つ技を使った際にその追加効果が発動しなくなる代わりに技の威力が上がる『ちからずく』を持っているよ」

「ホムラ達は『もらいび』か……でも、炎タイプのポケモン相手に炎タイプの技を使う事ってあまり無いから、この場合は結構扱いづらくないっすか?」

「たしかにシングルバトルでは場面は限られるけれど、昨日みたいなダブルバトルではそうとも言い切れないよ。『ふんえん』のように自分の味方にも攻撃が当たってしまう事がある技を味方が安心して使えるという利点もあるし、『もうか』だと思って油断した相手の戦略を崩す事も出来るからね」

「なるほど……」

「続いて『リーフガード』だけど、これは他の二つと違って本当に場面が限られる特性だね。特性の『ひでり』や炎タイプの技の『にほんばれ』でまずはひざしが強い状態にしないと発動しないから、こちらもダブルバトルがメインになりそうだね。まあ、シングルバトルで自分から『にほんばれ』を使ってみたり、相手が『ひでり』の特性を持つポケモンを出した時や『にほんばれ』を使えるポケモンを出した時に交代して出すという手もあるけれど、ひざしが強い時というのは炎タイプの技の威力が上がっている時だから、炎タイプの技が弱点の草タイプには中々苦しい状況になると思うよ」

「そうですね」

「そして、せっかくだから『ちからずく』についても説明しておこうか。『ちからずく』はさっきも軽く説明したように技の追加効果が発動しなくなる代わりに技の威力が上がるという特性だよ」

「ウツギ博士、技の追加効果ってなんすか?」

「追加効果というのは、その技が当たった時に相手を状態異常にしたり、相手や自分のステータスを上下させる物の事で……うん、例を出すならどちらのワニノコも覚えていた『れいとうパンチ』が良いかな。『れいとうパンチ』は攻撃が当たった相手をこおり状態にするという追加効果がある。けれど、『ちからずく』を持ったポケモンがそれを使うと、相手をこおり状態にする効果が発動しなくなる代わりに『れいとうパンチ』の威力が上がるんだ。因みに、昨日のバトルの決め手となった悪タイプの技の『かみくだく』にも当たった相手の物理的な防御力を下げる追加効果があったから、『ちからずく』の対象となり、更に威力が上がった状態になったというわけだね」

「へー……ポケモンってやっぱ奥が深いっすね……」

「あはは、そうだね。だから、二人ももっとポケモン達の事を知ってみてほしいんだ。ヒビキ君が言ったようにポケモン達というのは、とても奥が深く、まだまだ謎に満ちている。でも、それをポケモン達と一緒に解き明かしていくのもまた楽しいからね」

「「はい!」」

「さて、これで彼らの特性については以上かな。後、何か質問はあるかな?」

「そうっすね……あ、俺のホムラが覚えている技について訊いても良いっすか?」

「ヒビキ君のヒノアラシか……ちょっと待っててね。今、それについての資料を出すから」

 そう言うと、ウツギ博士は机の上の資料をガサガサと漁りだし、「おっ、あったあった」と少し嬉しそうな声を上げながら二枚の紙を手に取ると、一枚の紙をヒビキ君に、もう一枚の紙を私に手渡した。

「これが君達のポケモンのデータだよ」

「ありがとうございます、ウツギ博士」

「ありがとうございます。えーと……覚えている技はっと……」

 ヒビキ君がホムラについての資料を読み始める中、私もリアについての資料を読み始めた。正直な事を言えば、ステータスについては転生特典の『ポケモンの能力を可視化できる能力』で既に視ているから、それに関しては確認する必要はあまり無いけど、リアについては色々知っておきたいし、こういう情報はやっぱり必要だよね。そして、資料を読み終え、揃って資料をウツギ博士へと返した後、私がさっき読んだ情報を思い返していたその時、「あの、ツバキさん……!」とヒビキ君は少し緊張した面持ちで私に話し掛けてきた。

「ヒビキ君、どうかした?」

「俺と……バトルをしてくれませんか?」

「それは良いけど……もしかして、昨日のバトルの事を思い出して、自分もすぐにバトルをしたくなった感じかな?」

「それもありますけど……俺、10歳になったら旅に出て、ポケモンリーグに挑戦するっていう夢があるんです。でも、そのためにはやっぱりバトルの経験が必要です。なので、その相手をジムリーダーを親に持つツバキさんに務めて欲しいんです。相手が強ければ強い程、得られる物も多いと思いますから」

「……なるほど、ね。わかった。そういう事なら私もしっかりと相手をするよ。でも、一切手は抜かないからね」

「ツバキさん……! はい、もちろんっす! ツバキさん、よろしくお願いします!」

「こちらこそよろしくね」

 礼儀正しく一礼をしながら言うヒビキ君の言葉に返事をした後、私がウツギ博士へ視線を移すと、ウツギ博士はニコリと笑いながら静かに頷いた。

「もちろん、バトルフィールドは使って良いし、審判も私が務めよう」

「ウツギ博士、ありがとうございます」

「ありがとうございます!」

「どういたしまして。それじゃあ移動しようか」

 その言葉に頷いた後、私達は研究所を出て、昨日もバトルをしたバトルフィールドに向かった。そして、それぞれ位置についた後、私はポーチの中からモンスターボールを一つ取り出した。

 今回はこの子にお願いしようかな。この子なら色々な戦い方を出来るから、ヒビキ君にとっても良い経験になるだろうし。

 そう思いながらモンスターボールを軽く握り込んでいると、ウツギ博士は私達を静かに見回してから声を掛けてきた。

「それでは、これからツバキさんとヒビキ君のポケモンバトルを始めます。使用ポケモンは一体、どちらかのポケモンが先に戦闘不能になった時点で試合は終了にします。二人とも準備は良いかな?」

「はい」

「いつでも良いっすよ!」

 私達が返事をすると、ウツギ博士は静かに頷き、両手を高く挙げた。

「それでは、バトル……スタート!」




政実「第7話、いかがでしたでしょうか」
ツバキ「次回はヒビキ君とのバトル回ね」
政実「そうだね。このバトルでツバキが誰を出すのか、それは次回のお楽しみという事で」
ツバキ「わかった。そして最後に、今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします」
政実「さてと、それじゃあそろそろ締めていこうか」
ツバキ「ええ」
政実・ツバキ「それでは、また次回」
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