ホワイトルームの刺客に綾小路の妹もいたら━━━ 作:KEI (~ ̄³ ̄)~
綾小路清隆はホワイトルームの最高傑作であり、私の兄である。
そして、私を見殺しにした男である。
真っ白い部屋で私達は真っ白な机に向かってひたすら高度な問題を解くことに専念をさせられていた。
課題をクリアできないものはみんな"廃棄"になった。
それは、肉体における体力の底上げの運動分野の課題でも同じだった。
当初の私は新しい知識を身につけること、体を鍛えることに楽しみを抱いていた。
真っ白なないもない部屋で過ごしているホワイトルーム生にも友達が出来ることがあった。しかし、その友達もすぐに"廃棄"され失っていく。
また一人、また一人と次々と脱落していく。
それを繰り返す内にストレスを処理する為にっこりと"偽りの笑顔"をうかべることもをできるようになっていた。
そうして生き残り、最後にお兄ちゃんと私だけが残った
━━━━━━━━━━━━かのように思われた
私は突然倒れた。
呼吸ができない。
つ らい。
痛い。
苦しい。
痛い。
苦しい。
きつい。
痛い
苦しい
いた い
くるしいっ
く るし
くるs……
私はお兄ちゃんに手を伸ばす。
「助けてっ」聴き取ることの難しい小さな小さな声で私は言った。きっとお兄ちゃんなら助けてくれるって信じて
それなのにお兄ち、いや、クソ兄貴が私に向けた眼差しは………
感情を捨て去った瞳だった。
──────何故────こんなにも近くにいるのに───何故───
何故──────こんなにも────
何故………………?
─────言葉を発することすらできない。
─────思考が消え失せった。
─────視界が歪んだ。
─────何の行動もしないバケモノの正気を疑った。
───────このバケモノは─────!!
それから、私は施設の大人たちに別の部屋に運ばれた。
その後のことは記憶にない
でも確かに覚えているのは、施設の大人たちが「やはり優華より清隆だったな」と話していたこと、そして、私を見殺しにしたクソ兄貴に復讐を誓ったこと
それ以外のことは覚えてない。
月日は流れ、2月某日。
東京都のとある施設のミーティングルームで私"達"は月城にスクリーンに映し出された資料の説明を受けていた。
「以上が、綾小路清隆及び2年生156名の詳細なデータです。全て頭に入りましたね?」
名前や生年月日、出身校はもちろん、両親や兄弟、幼少期からの成績から友人関係まで。通常、担任の教師ですら見ることのできないありとあらゆる詳細な資料を交えての極秘ミーティング。
「わかっていると思いますが、重要なのは4月の内に綾小路くんを退学にさせ、ホワイトルームに連れ戻すことにあります。これ以上計画を遅延させるわけにはいきませんからね。ですがスマートに遂行してください。けして事を公にしてはいけない。もしも私たちの動きが政府の耳に入れば、あの方の……先生の名前に傷がつく恐れがありますからね」
「つまり目立つなって?でも、『綾小路清隆の妹』っていう点だけでも十分に目立つと思うけどそういうところもバックアップはしてくれるんだよね?」
「ええ、あなたの
「ふーん、まあなるべく目立たないように行動するよ」
綾小路優華と同じく高度育成高等学校に学生として潜り込むことになったもう一人のホワイトルーム生の表情には一定の不満が含まれていた。
「あなたは、納得いかない、そんな顔をしてますね」
「彼が……綾小路くんが最高傑作だともてはやされるのが気に入らないのですか?私が送り込まれただけでなく、ついには再稼働していたホワイトルームの者までが実験を中断し"3名"も駆り出された。実に贅沢で、手厚い対応だと言わざるを得ないことです。同じ施設で育ってきて者にとってこれほど屈辱的なことはないかもしれませんねえ」
もう一人の刺客をそう分析し、月城は再び説明を続けていく。
「舞台は用意しました。あとは存分に力を発揮して頂きたい。お二人とも拝見したデータは申し分なかった。これだけの能力を有しているのであれば、彼を退学させることなど造作もないでしょう?」
歪曲しきった挑発を終えた月城はスクリーンの電源を落とす。
「さて。質問がなければこれでお開きにしましょう。時間はとても貴重ですから。━━━━それからひとつ、確認を忘れていました」
「私に隠し事なんてしていないでしょうね?」
不審の念がわいたのか、月城は私たちに問を投げる。
「もちろん!隠し事なんてないよ。そうだよね?」
隣のホワイトルーム生も振り返ることなく私の投げかけに小さく頷く。
そして、私達はミーティングルームが立ち去った。
「さぁ、行こっか!」
もう一人のホワイトルーム生はまた小さく頷くだけだった。
「早く会いたいなあ。会って……早く
そう呟くと私達は次の目的地に歩みを進めた。
きっと、この時の私の顔はもう一人のホワイトルーム生から見たら気持ち悪いと思われるほどやけていたのだろう
〜綾小路清隆side〜
4月にホワイトルームからの刺客が入ってくるであろうことは予想済みだった。しかし、月城の言っていたあの言葉。
「新学期になると、新入生としてホワイトルームから"2名"呼び寄せることになっています」「入学生160名。その中に存在するホワイトルーム生を4月のうちに"2名とも"突き止めることができたら私は身を引いても構いません」
これらの言葉は簡単には信用出来ないものだ。
しかし、それと同時に気になることでもある。
俺は目を閉じ、ゆっくりと見開いた。
「今までの考えは一度捨てる。
オレはこの先出し惜しみはしない」
〜2ヶ月ほど経過した高度育成高等学校入学式の翌日〜
私は月城に呼ばれ生徒会室にいた。
立会人となってほしいとのことだった。
そして、生徒会室には各クラスの代表者が数名ずつ集まっていた。
「さて、既に集まっているようだな。とりあえず、はじめましてだな。この学校の生徒会長を務めている南雲雅だ」
「あぁ?生徒会長だかなんだか知らねーが用件があんならさっさと済ませろや。こっちはわざわざ来てやってんだよ」
「宝泉和臣。やはりデータや見た目通り、好戦的な性格だな」
「あぁ?」
「南雲生徒会長。俺としても各クラスの代表者が要件が知りたいです。早く教えてくれ、ください」
「宇都宮陸。こちらもデータ通りだな」
「今回お前たちには特別試験を行ってもらう。特別試験と言っても内容はとてもシンプルだ。ある生徒を退学にさせること、これだけだ。報酬は2000万ポイント。これだけポイントがあればAクラスに移動することもできるし、万が一退学になったときにそれを取り消すこともできるぞ?どうだ?なかなかいい話だろ?」
南雲生徒会長は笑顔を浮かべる。
「2000万pp!」
「はっ!きなくせぇ話だな、信用できねえよ」
「俺もです。まずその生徒は退学に追い込まれる程の何をやったのか教えてくれ、ください」
「何もやらかしてはいない。退学になる生徒は抽選で2年生の中から完全なランダムで決められた」
「2000万pp、そんな大金を使って、対象の生徒はランダムに選ばれる、そんな横暴なことが生徒会長には認められるのでしょうか?」
「流石にそこまでの権力は俺自身にはないさ。だか今回は立会人がいる」
そう言うと生徒会長はこちらに目を向ける。
そして月城が挨拶をする。
「皆さんはじめまして、私はこの学校の理事長代行を務めている月城といいます。そして、隣の彼女は、高橋修くん、石神京くんと同じクラスの綾小路優華さんです」
紹介されると私は小さくお辞儀をする。
「理事長代行がなんで?それに綾小路さんも?」と同じAクラスの高橋くんから疑問の声が出る。
「話の続きをさせてもらいます。まず、あなた達はこちら側について聞く必要はないということです。特別試験の出題者側について教えることはできません」
「━━━━大体の話はわかりました。それで、月城理事長代行。ボク、じゃなかった━━━━私達が退学に追い込む生徒、それは誰なんですか?」
「2年Dクラス、綾小路清隆くん。隣にいる綾小路優華さんのお兄さんです」
私は愉悦に満ちた笑みを浮かべていた。
その笑みを見て、月城理事長代行も一層笑顔になる。
(さぁ、
〜入学式から数日後〜
"普通"の特別試験の説明が行われた。
・2年生とペアを組む
・上位5組に各10万pp、上位3割に各1万pp支給
・ペアの合計得点が500点以下の場合2年生退学、1年生3か月間プライベートポイントの支給は行われない
・点数を故意に下げた者は退学
・1度ペアを決定したら変更できない
・ペア申請は1日1度
・ペアができなかった生徒はランダムに決定、ペナルティを負う
・ペア決めの期間は今日含め2週間
(うーん、内容をまとめるとこんな感じかなぁ?さぁーて、どう動こうかなぁ。『交流会』なんて無駄な動きはしないとして………
over all ability 通称【OAA】で学年全員の氏名、成績、大まかなステータスが表示される。
私は真っ先に
2−D 綾小路 清隆(あやのこうじ きよたか)
1年次成績
学力C(51)
身体能力C+(60)
機転思考力D+(37)
社会貢献性C+(60)
総合力C(51)
ひどく平凡な数字が並んでいる。
完全に遊んでいる。
(一年間、平凡な一般生徒として過ごしていたみたいだけど、
きっと今も私は愉悦に満ちた笑みを浮かべているのだろう。
〜翌日〜
(さて、放課後から動こうかなぁ。高橋くんと石神くんにも動いてもらって………ん?廊下?)
廊下側を見るとDクラスの宝泉くんと七瀬さんがAクラスの教室の前を歩いていた。
(Aクラスに用がない……この先は階段で上がったら2年生のフロア……)
「面白いこと起こりそう!」
私はにやりと顔を歪ませ、宝泉たちをこっそり後をつけた。
・
・
・
・
・
「ハァッ。抜けてみろよ。それか、そこで見てるおまえら全員でかかってきてもいいぜ」
(うわぁー。怖いもの知らず、というより絶対的な自信かな?)
私は宝泉くんをそう分析する。
(宝泉くんと敵対してるのは龍園先輩、石崎先輩、首根っこを掴まれているのが伊吹先輩だね)
2か月程の前に受けたミーティングの内容を思い出す。
「てめぇ!」石崎先輩も宝泉くんに向かって突撃する。
「いいぜいいぜ。こんな学校にまで足を運んだかいがあったってもんだ」
(あー。これ、本格的な喧嘩になるやつじゃない?うーん、止めるか。ついでに
「宝せn「宝泉くん止めなよ」
私は伊吹先輩の首を掴み上げている宝泉くんの右腕を掴み、力づくで降ろさせる。
「てめ……"綾小路ぃ"!」
その言葉に龍園先輩一派と2-Dの生徒の一部が「綾小路?」と綾小路清隆に不審の視線を向ける。
しかし、綾小路清隆はスルーする。
(うん、スルーするよね。こんな強面の人に向かっていく人と知り合いとは思われたくないよね?でも、そんな願いすぐにぶち壊すからね!)
「上等じゃねぇか綾小路ぃ!」
宝泉くんの発言により、先程よりも明らかにヤバい雰囲気に包まれる。そんな中終始見守っていた七瀬さんが口を開く。
「宝泉くん止めてください」
「あ?てめぇも何か言ったか?」
「先輩たちが先程から監視カメラの方を気にされています。その状況から察するに、ここで暴れることは何の得にもならないと私は判断しました」
「ンなこと分かってんだよ。分かってて遊んでるのさ」
そんな忠告を無視し、私との喧嘩を再開しようとする。
「分かっているのなら尚更です。これ以上続けるというのでしたら、こちらにも考えがあります。この場で『アレ』を周知させることも視野に入れます」
『アレ』という言葉に再び動き出そうとした宝泉くんは止まる。
「上等じゃねーか七瀬。だが俺の期待に背いたら、女でも容赦はしないぜ?」
「その時は受けて立ちます」
宝泉くんに凄まれても七瀬さんは動揺することなくそう言ってのけた。
私はそのスキをつき、宝泉くんの懐に入り込み背伸びをし、耳元で小さな声で囁いた。
「それにー。ここでバトっても『ヤツ』は何もしないよ。『ヤツ』は平穏が大好きだからねえ」
今度は私が凄まれる。普通の学生ならビビるだろうね。
「だから、私がその平穏ぶっ壊してくるね」
そうやって子供のようなあどけない笑みを浮かべ歩みだす。
「おい、龍園パイセン。俺に土下座するならペアを組んでやってもいいんだぜ?」
「生憎と俺が組むのは人間限定だ。野生のゴリラと組む気はねえよ」
「そりゃ残念だ」
宝泉くんは超上から目線がすごいな、と後ろから感心しながら私は"対象"に向かって歩みを進める。
止まる。
憎き実兄、綾小路清隆の前で。
そして、見上げる。背伸びたんだねと思いながら。
周りの視線が集まる中、私は得意の偽りの笑みを浮かべ言った。
「お久しぶりです
外野に驚きの声が広がる。
その声にかき消される、しかし、綾小路清隆にはしっかり聞こえる声量で呟いた。
「死ね!」
私は黒の
私の攻撃は憎き
読んで下さりありがとうございます
もうひとつよう実で書いてる『坂柳有栖の義弟』と比べ
文と文の間を開けたり、文章中の数字は半角にしたりとしたのですがどうだったでしょうか?見やすくなったかな?
評価や感想を書いてくれたら嬉しいです
OAA評価は次回掲載します
綾小路優華の外見など
大まかな見た目はアイドルマスターの三村かな子をイメージ
左側に黒のヘアピンをしている
髪色は清隆より若干明るい感じをイメージ
身長 164cm 綾小路と坂柳の中間ぐらいをイメージ
(比較 綾小路清隆1年 176cm)
(身長159cmの一之瀬、伊吹よりひと回り大きいのイメージ)
参考 キャラ誕 よう実 キャラクター 身長より
https://schara.sunrockgo.com/media?m=ksv6kl
胸 Cカップ(多分このくらいかなぁと………
言葉 最初に言う言葉を伸ばす傾向にある
うーんやふーんとか……
七瀬さんの件はミスリードだよね?困惑(⇀‸↼)