【試走】がっこうぐらし! RTA 学園ヒーロールート【完結】   作:haku sen

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感想、評価並びに誤字脱字報告ありがとうございました!

(実況パートは)ないです。後、ちょー短いです。マジで短いです。



Part0 愚者の停滞

 

 

『感染対策は初期の封じ込めが重要であるが、それに──』

 

『いわゆるパンデミック状態が引き起こされた場合──』

 

『厳密な選別を基本方針とすること──』

 

「なん、だよ……これ……っ!」

 

 思わず握る手に力が入り、手に持つ冊子が歪む。

 

 最初からこうなることは予測済みだった? 

 

 こうなっても良いように、最初から準備されていた?

 

 そうと分かれば、全て納得がいく。辻褄が合う。

 

 この学校の充実した施設も、このマニュアルに書かれていることも、こうして感染爆発(パンデミック)が起きたのも。

 

「ふざけんなよ……人の命をなんだと思ってんだ!」

 

 偶然かもしれない。何らかの事故だったのかもしれない。

 だが、それで多くの者が死んでいる。これからも多くの人が死んでいく。

 

「めぐねえは……あの人(・・・)は知ってるのか?」

 

 職員用と記載されているこのマニュアルを、職員であるめぐねえが読んでいないはずがない。

 

 最初から知っていたのか? 分かった上で自分たちと一緒にいるのか?

 

 ──いや、知らなかった。

 

 あの人が……自分が姉と敬愛するめぐねえはそんな人じゃない。幼い頃から知っている自分にはそう確信できる思い出と信頼がある。

 

 知っていたらあんな態度は取れない。めぐねえは悪い意味で人が良すぎる。知っていたら、罪悪感で押し潰されていたに違いない。

 

 だから、知らない……はずだ。知らないで居て欲しい。

 

 ただでさえ、この状況に責任を感じているのだ。自分たちを、生徒を守らないと使命に駆られている。

 

 これ以上は、きっと耐えられない。その重みに耐えきれない。

 

 だから、これは無い方がいい。あったら困るものだ。

 

 ……だが、もしコレが────

 

 

 

 

 

 

「──おはよう、幹久くん。顔色悪いけど、大丈夫?」

 

 こちらの顔を覗き込むように見つめてくる若狭の目を遮るようにして、手を振った。

 

 先ほど柚村にも言われたが、自分は随分と顔色が悪いらしい。

 寝付きは悪くは無かったが、昨夜のアレが尾を引いているのだろう。

 

 若狭にコーヒーを頼む。ブラックしか出せないと言っていたが、それは好都合だった。甘いのは得意ではない。

 出されたコーヒーを口に含めば、飲み慣れた苦みが意識を鮮明にさせ、微睡んだ思考を整えてくれる。

 

 よくよく考えて見ればアレはまだ開封されていなかった。自分が初めてアレを開いたわけだ。

 非常時に、と書かれていたし、他も見当たらなかった。まあ、それも各々に配られているのなら話しは変わるが。

 

 やはり、皆に伝えるべきなのだろうか。取り敢えず、めぐねえだけにも伝えて、二人で考えてみた方がいいのだろうか。

 

 ……分からない。何が正解で、何が正しくて、誰を信じていいのか分からない。

 

「──幹久くん? やっぱり体調が悪いの?」

 

「えっ? あ、いや、どうも朝は弱くてさ」

 

 我ながら下手な誤魔化し方だと思った。

 

 こんなにも日が差し込み、星が見えるほど透いている青空が横の窓から見えるというのに。

 

 これ以上、ボロを出すわけにもいかない。

 無理矢理、会話を断ち切って席を立つ。まだもう少し考えて見た方が良さそうだ。

 

 

 

 

 

 

「──本城、そんなお菓子好きだったっけ?」

 

 リュックサックに詰めるお菓子を見ながらそう言った貴依の言葉に、迫り上がってくる嫌な汗が身体中を駆け巡る。

 

「ん? いや、そこまで」

 

 ただ、端的に。ただ、冷静に。

 

 隠そうとする動きを見せれば怪しまれる。この好きでも無いお菓子の最下層にある、引き千切った用紙(・・・・・・・・)の存在がバレてしまう。

 

 だから、いつも通りに……何時もの自分を演じるんだ。少し大袈裟でもいい。

 

 適当に選んだ棒状のお菓子を貴依に渡す。

 それに、困惑した様子を見せる貴依だったが、途中から丈槍が割って入り、どうにか事なきを得た。

 

 二人を見習うかのようにお菓子を口にしてみたが……正直、味は分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 目が覚める。だが、覚めるにしては余りにも早すぎる時間帯だった。

 ふと、周りを見れば寝息を立てている彼女たちの姿が目に入る。

 

 何の憂いも無く、安心して眠れる彼女たちが羨ましい。

 

 守ってくれる存在が居るから、安心して眠れる彼女たちが腹立たしい。

 

 ……いや、そんな大層なものじゃないか。だが、理解している。

 

 頼られているのが分かる。

 信頼してくれているのが分かる。

 背中を預けてくれているのが分かる。

 好意を向けてくれているのが分かる。

 想ってくれているのが分かる。

 

 全部が全部、痛いほど分かっている。

 

 それが、どうしても自分には重たく感じてしまう。上げる足を抑える足枷になっている。

 

 違う、違うんだ。自分はそんな存在じゃない……そう声を大にして叫びたい。

 自分は彼女たちが思っているほど強くない。精神的にも、肉体的にも、強くない。

 

 ただ、自分が生きたいから率先して動いているだけだ。動かなければ恐怖で身体が竦みそうになる。

 強迫的な、自分を脅すような、ともかくやらなければと思ってしまう。

 

 そんな、どうしようなく追い詰められているだけの人間だ。

 

 言ってしまえば楽になるのだろう。

 

 全て打ち明けてしまえば楽になるはずだ。

 

 何もかも、発露してしまえばきっと──

 

「──もとくん、絶対に何があっても守るから……ううん、みんな守って見せるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『──も、とくん……?』

 

 ズキズキと痛む傷を抑えながら思い出すのは、あの時のめぐねえの表情。

 ……きっと、ズキズキと痛むのは傷じゃなくて心だ。心が痛みで悲鳴を上げている。

 

 整わない呼吸を必死で整えようとして。

 

 流れ出る血と一緒に消えていく手足の感覚を感じて。

 

 どんどん、冷たくなっていく身体を震わせて。

 

 今にも死にそうになっている自分が持っているのは、変わった形をした注射器。

 

 自分だけが知っていること。自分だけが助かろうとしていること。

 

「あ、あぁ……ごめん、ごめんっ、めぐねえ、みんなっ! ごめんなさいっ、ごめんなさい……っ!!」

 

 最低だ。正真正銘の屑だ。意気地なしにも程がある。

 

 死にたくない。ずっと思っていたこと。

 

 でも、死にたくないと思いながら、ずっと死のうとしていた。

 

 皆の期待から。信頼から。笑顔から。何かも重圧に感じていたから。

 

 一人の方が楽だ。一人の方がよく寝られた。一人の方が戦いやすかった。

 

 でも、いざ一人になれば弱音を吐き、孤独に耐えかね、温もりを求めようとする。

 

 そして、死にたくない、と口に出して自分だけ助かろうとする。

 

 皆がくれた恩を仇で返そうとしている自分が止められない。

 

 愚かな自分を誰か裁いてほしい。神様でも、悪魔でも、いっそのこと『かれら』でもいい。

 

 ──今日、自分はやっと死にたいと心の底から思えた気がした。

 

 

 

 

 





 ここでタイマーストップ! と言って見たかった……。
 
 いやあ、本当にボロボロでした。途中から単純な実況プレイへと成り下がり、クリアすることも無く死んでしまい……本当に申し訳ないです。

 ただ、憧れと見切り発車で始まったコレも何だかんだ多くの方に読んで貰い、少しでも楽しんで貰えたようで嬉しい限りです。
 正直、何時になるか分かりませんが、前々から言っていた『学園ヒーロー』をちゃんとしたRTAで投稿したいと思っています。
 まあ、小説とRTAを一から勉強してちゃんと設定を練って、ガバるところを考えて……もうわかんねぇな。

 ともかく、この『試走』は付いていないものを投稿する予定ではあります。
 期待は……余りしない方向でお願いします。クオリティ的にはきっとコレより劣る可能性があるから。
 と、まあ長々と話すこともあれですので、この辺で。

 御拝読、ありがとうございました!



 番外編は……一話、二話? ぐらいですかね。もし、リクエストがあれば出来たら書きます。書けるかは分かりませんが。

 番外編の投稿は未定!
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