強き絆の心とありふれない魔界の王候補の異世界道中記 作:カオスサイン
プロローグ
Side?
「ほう、君が数日中にこの町を離れる事になるとは寂しくなってしまうな…くれぐれも気を付けるのじゃよ」
「ええ、父の仕事の都合と母の墓参りを兼ねましてね…貴方こそ体大事にして下さいよ?」
俺の名は欠道 晶。高校生だ。
俺はある日、父の仕事と俺が物心付く前に病気で亡くなった母の墓石がその街に在るからと俺が高校生に慣れたのを機にこの住み慣れ親しんだモチノキ町を数日中に離れる事となった。
その事を友人の一人から聞いていたのかとある権利を賭けた戦いである者を潰す為に共に戦った仲間の内の一人であるナゾナゾ博士が訪ねて来ていた。
「分かっとるわい!そういえば先日の戦いで魔界に送還させずに君が保護を申し出た千年前の魔物はどうするのかね?」
「勿論一緒に連れて行きますよ?ゲリュは相変わらず俺から離れたがらないし他の子達も責任持って人間界での生活を謳歌させてあげたいですから!」
「そうか、それを聞いて一安心したよ。
最後に一つだけいいかい?」
「何ですか?」
「…生き残るんだぞ…」
「分かっていますよ。博士もキッドもどうかお元気で!」
ナゾナゾ博士と語った数日後俺はこの町を離れた。
そして新しい高校に転入して数週間が過ぎていた。
友人も何人か出来、例え一時的にでも戦いから解放された青春の日々を謳歌していた。
「南雲ーまたちょっとツラ借してくれや」
「な、何だい一体?」
「いいから来いって言ってんだよ!」
「テメエ等又性懲りも無く苛めやってんのか!」
ある日の昼休みになった直後に不良グループの筆頭である檜山 大介が俺の友人となってくれた南雲 ハジメに又下らない因縁をつけ校舎裏に連行しようとしていた所を目撃したので止めに入る。
「(・д・)チッ!変人の転入生が…」
檜山はそう捨て台詞を吐いて教室を出ていった。
ちなみに俺が何故変人扱いされているのかというと一度学校に寝ぼけてしまっていたせいなのか体に軽く巻き付いていたゲリュに気が付かずに彼を連れて登校して来たせいだった。
マジで離すの忘れてたわ…そんで先生に軽く怒られた後、珍しい蛇だと狙って来た上級生の不良生徒に絡まれたりもしましたがゲリュが威嚇して追い払ってくれました。
檜山はその事を耳にしているのか俺を警戒している。
「南雲君屋上で昼食にしよ!」
「あ、ああいいけど…欠道君も一緒にどう?」
「承ろう」
明らかにハジメを恋慕を抱いているであろうクラスメイトの白崎香織に誘われたハジメは照れ隠しの為か俺を巻き込んでくるが断る理由も無いのでついていこうとした。
「全く香織は優しいな」
「…」
出たな!自己正義陶酔野郎、天之河 光輝!
俺もこの学校に転入した時一度彼とも会話したのだが彼の言葉というか考えそのものが意味不明であった為、絶対に此方からは関わらないようにしようと決めている。
だってコイツも一度ハジメが檜山達に苛められている場面に遭遇したみたいだが一度止めただけで屑でしかない檜山達が苛めをやめたと思い込んでいる様な奴だった。
事実ハジメに対する苛めは猶更酷くなったという。
様はコイツは「正義を成した」という自己満足な思い違いに浸っているだけのその後の対策とかは微塵も考えてなどいない顔と勉学が優秀っていうだけの空っぽな奴でしかない。
なんだかコイツを見ているとかつての友人を馬鹿にされた様な気分になる。
「なんで光輝君の許可がいるの?」
「なっ!?…」
「白崎!そんな陰湿な奴と一緒に居ても良い事無いと思うぞ?」
まあこのアホは白崎さんに対して恋慕を抱いているようだが時既に遅しだという事にまるで気が付いていない。
まあ気付いたとしても間違い無くコイツの性根だと受け入れないだろうが。
そしてアホを擁護するのはこれまた筋肉で物事を決めてますって只の馬鹿である中村 龍太郎。
コイツも人の話を聞かないので関わらないようにしている。
「光輝ー、先生が呼んでいたわよ」
「今行く」
アホの幼馴染で彼の性分を人一番理解しているであろう八重樫 雫さんが気を利かせたのかどうなのか分からないがそう言ってきたので糞真面目なアホは颯爽と職員室へと行った。
「南雲君も大変だね…」
「全くだな…まあ言った所で理解しないだろうし此方からもあまり関わりたくないしな…」
「あはは…」
そう心配そうにしたのはゲリュを誤って連れて来てしまった時に彼の事を怖がらずに撫でて可愛いがってくれた園部 優花さんだ。
以降仲の良い異性の友人である。
「御主人、弁当を忘れていたから届きに来たぞ」
「リース!?ああ、あはは忘れてたわ…」
俺ととある選定の戦いの為にパートナーを組んでいるリースが学校にやって来ていて俺は慌てた。
「この子誰?」
当然彼女の事を知らない白崎さん達が訪ねてくる。
「コイツはリース。ぱー…じゃなかった母さんの知り合いの子だよ」
「へー私達は欠道君のクラスメイトだよ、よろしくね!」
「よ、よろしくお願いする」
我ながらかなり苦し紛れに思いついた言い訳だったが白崎さん達は特に疑う事も無くリースと握手を交わしていた。
これなら仲良くなれそうだな。
そしてリースから弁当を受け取り急いで食って教室に戻り、昼休み終了の予鈴が鳴った直後だった。
それが発生したのは…
「な、何!?」
「魔法陣だと!?」
「皆さん!早く教室から…」
「御主人!」
突然魔法陣が浮かび上がり教室中を取り囲みそれに俺達だけでなく事情説明の為にいたリースも巻き込まれ気が付くと誰もその場にはいなかった。