強き絆の心とありふれない魔界の王候補の異世界道中記 作:カオスサイン
Sideハジメ
「パク、モグモグ、ムシャムシャ、ペロペロ、ゴクン!…う、うんまあー~い!」
「…」
ええっと何だこの状況?…
「あはは、凄い食べっぷりですね~V様は」
「シアァおかわりを所望する!」
「あはは…備蓄してあったメロンはもう全部V様が食べちゃったじゃないですかー」
「…ぬああにいいいーー!?ベリーシット!」
「まだ食べる気だったの!?それに本来私達の貴重な食料だった筈なんですけど…モヒカンさんもなんとか言って下さいよ…」
「…」グッ!
「いやなんでそこでグッドラックサインなんですか!?」
俺達の前にはV字型の変な奴とソイツにシアと呼ばれた水色ロングヘアーの兎人族が謎にコントを繰り広げていた。
それをシアと同じ兎人族の少女が呆れ傍に居た一世代前ぐらいの暴走族みたいな恰好をしたモヒカンヘアーの男に注意を促すも彼にはこれが平常運転だとばかりに流されていた。
コイツ等と出会ったのは俺達がオルクス大迷宮の試練を偶然にクリアし外に出て帰還の術である残りの神代魔法を習得する為に付近のライセン大渓谷にある次なる大迷宮へと向かう道中での事であった。
「た、助けて下さい~!」
「はあ?」
「こんな所に兎人族?もしかして犯罪者?…」
突然現れて助けを懇願してきたのが彼女だった。
俺達は最初犯罪者なのかと疑いをかけていたが
「ち、違いますよ!ここに居るのはとても深い訳がありまして…って今はそんな場合じゃないんですよ!ダイへドアは難無く撃退出来たんですが空に居るハイベリアにはV様だけじゃ対応出来なくて…」
「ブルアアアァー!?ベリィーシット!おのれェ!貴様等さっきからやたらとちょこまかしおってえー!俺様の美しき技が当たらぬではないかあー!」
彼女の言葉を遮って変な絶叫が聞こえてきたかと思うと変なV字型の物体が浮かび空飛ぶ魔物に対応していた。
だがソイツの繰り出す攻撃はハイベリアと呼ばれていた魔物に当たっていない。
「アレをやれば良いんだな?」
俺は錬成で作り出したドンナーを構え魔物達に照準を定め引金を引いた。
ドン、ドン、ドン!
「むお!?これはチャンスだな!モォヒカンエェース!」
「<マグルガ>!」
「アレは!?…」
俺が撃ち落としたハイベリアを見てV字の変な奴はチャンス到来と見たのか地上に居たチンピラの青年に指示を飛ばす。
すると青年は欠道が持っていた物と全く同じ様な本を構えて呪文の様な言葉を叫ぶとV字がビームを撃ち出してハイベリアを焼き払ったのだ。
「うー~ん!今日も俺様のVは冴え渡っているぜ!…それでは我がボディと再合体!」
V字はそんな事を呟きながら地上にあった奴の体にドッキングした。
「カッコイイ!…」
「そうか?…」
ユエはV字の攻撃を見てそんな感想を呟いていたが俺にはどう反応すればいいのか分からなかった。
そんな訳でほとんど成り行きで助けたシアと隠れていた兎人族の少女とV字…もといビクトリームとそのパートナーであるモヒカンエース?に詳しい話を聞く事になったのだが…。
「ブルアァァー!キャッチマイハート!ベリーメロン!♪~」 「ベリーメロン!♪」
ビクトリームが変な歌を歌いながら変なダンスを踊っていた。
シアも合いの手入れてるし
「お口にとろけるゥ~ベリーメロ…」
「いつまでやっとんだ己は!」
「ブルアアァー!?何をするのだ貴様!?」
何時迄も変な踊りをやめないのでいい加減に痺れを切らした俺はビクトリームを思いっきりド突いてやった。
「こっちはクソ忙しい中助けてやったんだとっととお前等の話を聞かせろ」
「むう…そいつは失礼した」
「わ、分かりました」
俺の言葉にビクトリームは謝罪を述べシアが事の次第を語り出すのだった。