艦これ! 妖提督と艦娘の日々   作:d.c.2隊長

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今回で川内回は終了となります。読者の皆様に楽しんで頂けたら幸いです。

それでは、どうぞ。


川内 3ー4

 「う……ん……」

 

 朝の日差しを感じて、私は目覚めた。とは言うものの、頭に靄(もや)がかかったようなふわふわとした感覚も味わっている為、まだ夢見心地でいることは否定出来ない……そう……夢のような時間だった。

 

 山城を殴り飛ばして、氷狐が山城を許して、その後は山城と2人で氷狐と……そこまで思い出して、ようやく意識がはっきりとしてきた。そのはっきりした意識の中で私が今日初めて視界に入れたのは……大好きな存在の寝顔だった。その寝顔の向こうには、山城の寝顔もある。

 

 続いて、自分の身体を確認……思いっきり全裸だった。まあすることシテたワケだし、半ば分かっていた結果だけど……何やら敷き布団に赤い染みがあるケド、深くは触れないでおこう。この敷き布団は後で私がこっそりと洗っておくとしよう。念入りに。

 

 「……氷狐……スゴかったなぁ……」

 

 イタしたことの内容を思い出し、自分で分かるくらいに赤面する。顔の割に中々の主砲を持っていて……他の見たことないケド……薬のせいか、それとも狐の妖怪だからか荒々しく、激しく、でも優しい……そんな風にされて心も身体も今まで以上に堕とされてしまって、何度天に昇って気を失ったか分からない。まだ疲労が残っている上に下腹部の鈍痛が酷い。それに何やらドロドロとした冷たい感触が……よし、シャワー借りよう。今の時間はマルゴーフタナナ……午前5時27分。かなり早い時間だし、氷狐の部屋の備え付けを使うから大丈夫でしょ。

 

 「山城、起きて」

 

 「んぁ……? せんだい……?」

 

 「起きた?」

 

 「んにゅ~……なによぅ……まだきしょーじかんにははや……あふ……」

 

 昨日の夜にあれだけ好き勝手言っていた奴とは同じとは思えない程に舌っ足らずな山城……朝弱いんだね。いや、私も眠いけどさ。

 

 「今のうちに氷狐の部屋のお風呂を借りるよ。色々洗い流さないといけないし」

 

 「ん~……やだ。このままひこくんのせむぐ?」

 

 「言わせないし拒否も許さないから」

 

 モロに言いそうになった山城の口を右手で塞ぎ、左手で山城の左手を握り締め、引きずりながら備え付けのお風呂に入る。全く、本当に昨日慟哭を叫んだ存在なのか疑いたくなる。まあ、昨日のことは夢でも何でもないから本人確定なんだけど。覚醒まで少し時間がかかりそうだし……私が洗ってあげなきゃダメかな。そう思って、私は山城の身体にタオルを当てるのだった。

 

 「あ……ふぅ……んっ……」

 

 「変な声だすな!!」

 

 

 

 

 

 

 身体を綺麗にし終わった頃、風呂場から出ると氷狐が起きて着替えていた。この時、私と山城はバスタオルを身体に巻いただけの状態で、その姿をバッチリと見られた訳なんだけど……氷狐は特に慌てたりすることもなく、私達に笑いかけてくれた。

 

 「おはよう、山城、川内」

 

 「おはよう氷狐」

 

 「おはよう、氷狐君」

 

 まるで何事もなかったかのように、氷狐は自然に挨拶をしてきた。それに対し、私と山城も自然と挨拶を返していた。昨日のことを口にしないのは、氷狐が話題にしないように心がけているのか、それとも覚えていないのか。あれだけ獣みたいに荒々しかったんだし、薬の副作用的な何かがあってもおかしくはない。おかげで腰がまだズキズキと痛むよ……行動することに支障はないケド。ていうか、少しは照れるなり恥ずかしがるなりリアクションしてくれてもいいんじゃない?

 

 あれかな、私と山城のバスタオル姿は氷狐にとって照れたり恥ずかしがったりするに値しないってことかな? 確かに山城に比べて私はあんまり肉付き良くないけどさ、これでも全体のバランスや胸の形には自信があるんだけどなぁ。

 

 「ねぇ氷狐。私達バスタオル巻いただけなんだよ? もっとこう、恥ずかしがったりするもんじゃない?」

 

 「なんで? 2人の裸はスゴく綺麗だったし、交尾もしちゃったし、恥ずかしがることなんてないと思うケド……あーうー、交尾しちゃったんだよね。僕ハジメテだったんだけど……」

 

 「「私達もハジメテよ……」」

 

 そこまで言ったところで私は氷狐の裸とかを思い出してしまい、恥ずかしさから氷狐の顔が見れなくなって俯いた。チラッと山城を確認してみれば、山城も私と同じ状態に陥っている。氷狐は……一瞬だけ確認したケド、意外にも氷狐も恥ずかしそうに俯いていた。どこか感性がズレているケド、枯れてる訳じゃないみたいだね。しかも綺麗だったって言ってくれたし……素直に嬉しいな。

 

 そんな甘く恥ずかしい沈黙がしばらく続いた後、私達3人はいつもの服装に着替えてから一緒に食堂へと急いで向かっていた。着替えている最中に時間を確認した時、私と山城の入浴が長かったのか、それとも沈黙が長かったのかは分からないケド朝食の時間を過ぎてしまっていた為、他のみんなは既に食堂へと向かっていると思ったからだ。

 

 走るのは私と山城が少しツラい為、早歩き程度の速度。もうすぐ食堂に着く……といったところで、私は言わなくてはならないことがあったのを思い出し、山城に声をかけた。

 

 「山城。あんたは少し、覚悟をした方がいいわよ」

 

 「覚悟? なんでよ」

 

 「昨日、あんたは感情に任せて声を荒げた。部屋の壁はさほど厚くないみたいだから、あんたの言葉が他の部屋に筒抜けだった可能性がある……つまり、私みたいにあんたに怒りを抱いた存在が他にもいるかも知れないの」

 

 「あっ……」

 

 氷狐が許したからこそ私は山城を赦すことが出来た。しかし、それは私がその場に居たからこその結果……仮に私がその場にいなくて、隣から聞こえたなら、私は間違いなく殴り込んでいただろうね。殴った訳だけど。

 

 山城の発言は、氷狐のことが好きな存在にとっては赦しがたいもの。そして、この鎮守府にいる艦娘達はそういった存在。敵意を向けられ、暴言を吐かれ、最悪攻撃されたとしても、山城には自業自得と言うしかない。そのことを今自覚したのか、山城の顔が蒼白になっていった。

 

 私が出来ることは、山城には悪いけれど何もない。だけど、そう悪いことにはならないと思う。理由は簡単……氷狐が青くなっている山城の手を握って、優しく微笑んでいたから。そのことを少し羨ましく思いつつ、私は2人に変わって食堂の扉を開けた。

 

 

 

 

 

 

 「……っ」

 

 川内が開いた扉の先から、敵意が鋭い刃のように向けられた。特にキツいのは金剛と……響。他の駆逐艦の3人も2人程ではないにしろ、私を睨んでいる。青葉はこちらに顔を向けることすらしない。翔鶴さんは……チラッと私を見た後は、目を閉じて湯飲みに入っているであろうお茶を啜っている。

 

 これが、この現状が、私が自ら招いたこと。昨日は楽しく会話していたハズの仲間から敵意を向けられ、一部には殺気立たれる……まさに四面楚歌と言える状況。思わず、私は一歩引いてしまった。

 

 だけど、私はこれを乗り越えないといけない。みんなに赦してもらう為に……許してくれた氷狐君と川内に応える為に。食堂と廊下を仕切る扉は、越えなければならない境界線。再び私がみんなと仲間として過ごすことが出来るのか、異動前の鎮守府よりも孤独に過ごすことになるのか……私は氷狐君と繋いでいた手を自ら離し……ゆっくりと、1人で食堂へと境界線を超えて足を踏み入れた。

 

 「あ……ぅ……」

 

 何を、言えばいい? 食堂に1歩踏み入れた瞬間、敵意が強くなった。昨日の歓迎ムードなどどこにもない、完全なアウェイ。そんな空気の中で、私は何を言えばいい? 何を、言うことが出来る?

 

 喉が乾いて声が出しづらい。思考が定まらない。私はどうすればいい? その疑問に答える人もいない。氷狐君も今は静観している……分かってる、私が自分でなんとかしなければいけないってことは。私が作った溝は、私自身が埋めないといけないのだから。でもどうすればいい? 分からない、分からない、分からない。冷や汗が流れて、心臓がバクバクと鼓動を速めている。あまりのプレッシャーから泣きそうになる。そんな時、トン……と軽く背中を押され……その手から想いが伝わってきた。

 

 

 

 ― ほら、頑張れ ―

 

 

 

 この鎮守府の中でただ1人の艦娘の味方から伝わった、短い応援。声ですらないそれは、今の私にとっては万雷の声援のようにも感じられた。

 

 振り返ることはしない。それを行う前に、私は何かを言わなければならない。そして、応援に応えるように私から出た言葉は……。

 

 「お……おはよう、ございます」

 

 って他にも何かあったでしょ私いいいい!! い、いや、落ち着くのよ山城。彼女達と会ったのは今日初めて。なら朝の挨拶から始まっても何もおかしくはないわ。そう、挨拶は済んだ。なら次は言わなければならないことを言えばいいのよ。

 

 「……ごめん、なさい」

 

 そう言って頭を下げる……っていやそうだけどおおおお!! おはようございます、ごめんなさい、では何に対して謝ったか分からないでしょうがああああ!! 挨拶!? 私は挨拶したから謝ったの!?

 

 いや、落ち着くのよ山城。まだ挽回は出来る……ハズ。そう私がテンパっている時、冷たい声が頭の先から聞こえてきた。

 

 「……許さない」

 

 「っ……」

 

 そう言ったのは金剛……ではなく、響……でもない。その声の主は……今、私の前に立っていた。恐る恐る頭を上げると……そこにあるのは、腕を組んで仁王立ちしている暁の姿。駆逐艦と戦艦……普通ならば、戦艦である私が駆逐艦である彼女に負けることなど殆どない。だけど……今の彼女は私の何倍も大きく、そして強く見えた。

 

 「暁は……山城さんを許さないんだから」

 

 先の敵意の視線よりも、その言葉は私の心に突き刺さった。この鎮守府において、最も私と話していたのは暁だ。年頃の女の子のような相談を受けたし、氷狐君のことも聞いたし、それ以外にも何でもない雑談もしたし、遠征ではお世話になった。先輩であり、妹のようであり、姉のような彼女には、私も好感を持っていた……そんな相手に許されないというのは本当に……堪える。

 

 「司令官に酷いことをした山城さんを許さない」

 

 ごめんなさい。

 

 「司令官に酷いことを言った山城さんを許さない」

 

 ……ごめんなさい。

 

 「何より……暁達に何の相談もしてくれなかった山城さんを……許さない!!」

 

 「あいたっ」

 

 ドンっという軽い衝撃を不意打ちだったからか受け止めきれずに尻餅をついてしまう。何をされたのかと考えたのも束の間、私は暁に抱きつかれたことに気付き……どうしてそうなったのか分からなかった。

 

 ただ……暁が泣きそうになっているというのは分かった。

 

 「山城さんに前の鎮守府で悲しいことがあったなんて知らなかった!! 教えてくれなかった!! 相談してくれなかった!!」

 

 「それは……言ってどうにかなることじゃ」

 

 「ここは!! 前の鎮守府じゃないじゃない!!」

 

 「……あ……」

 

 言われて、ようやく気付いた。私がこの鎮守府と前の鎮守府を混同して、勝手な勘違いをしていたことに。

 

 私は、氷狐君の愛情が欲しかった。それは、私を唯一の山城として見てほしいから、私を唯一の山城として愛して欲しかったから。その理由は、前の鎮守府で誰もが私を2番目、もう1人として扱っていて……その扱いに耐えられなかったから。

 

 「私たちにとって山城さんは……“山城”は、あなただけなのよ!! あなたしか知らないのに、どうやって2番目だもう1人だって言うのよ!!」

 

 「うあ……私は……わたし、は……」

 

 「そんな簡単なことにも気付かないで、司令官に酷いことして、酷いこと言って、勝手に決め付けて、こうやって苦しんで!! 山城さんのバカ!! バカバカバカ!! うああああん!!」

 

 ボカボカと割と強く叩かれ、耳も心も痛くなる程に言われて、泣きそうになったところでなぜか先に泣かれてしまった。そのせいか茫然自失になりかけたところを引き戻されて妙に冷静になった私……この状況、私はどうするべきなのかしら。

 

 ああでも……どうするべきなのかは分からないケド、言うべきことはようやく分かった。さっきまで浮かべることが出来なかった、浮かべようとも思わなかった笑みを自然と浮かべ……私は泣きじゃくる暁を抱き締める。

 

 「ごめんなさい、暁。それから……ありがとう」

 

 私のために怒ってくれて、ありがとう。私のために泣いてくれて、ありがとう。本当は敵意なんて……少なくとも暁は抱いていなかった。抱いていたのはきっと……私に対する不満と、どうすることも出来なかった自分に対する怒りだったのだと思う。

 

 夜に私達の会話を聞いてしまって、私の慟哭を聞いてしまって、沢山沢山悩んだんだろう。伝わってくる悲しみが、私に対する想いが、そうなんだと教えてくれる。その悲しみの、なんと暖かいことか。その想いが、どれほど嬉しいことか。

 

 「ひっく……ダメ、ゆるさない……ゆるしてほしかったら……」

 

 「許してほしかったら……?」

 

 

 

 「また、アップルジュースを作ってくれたら……許してあげる」

 

 

 

 嗚呼、その涙を流しつつも浮かべた笑顔のなんと尊く、愛しく……美しいことか。

 

 

 

 

 

 

 あれから、私は食後のアップルジュースを人数分作ることでみんなから許して貰うことが出来た。そもそもあの敵意の殆どが金剛、響のものであり、それ以外のみんなは暁と同じような心境からつい睨んでしまっていたんだとか。青葉はドラマを見てる感覚で、翔鶴さんは低血圧なのか、そもそも意識があまりない状態だったらしい。

 

 「美味しいです~♪」

 

 「本当に美味しいわよねー、これ♪」

 

 電と雷が、くぴくぴと本当に美味しそうに飲んでくれている。思えば、前の鎮守府で1度だけ気紛れに作ったことがあり、初めて美味しいと言ってくれたのも駆逐艦の子だった。名前は……文月だったかしら。その時文月が言ってくれた言葉があったんだけど……何だったかしら。

 

 「なんでこんなに美味しいんだろうね。司令官の作るジュースに勝るとも劣らないなんて……」

 

 「さあ? でもこれ飲んでると、暖かい気持ちになるのよね」

 

 「あ……」

 

 

 

 ― 美味し~♪2人目の山城さん、これスッゴく美味しいよ! ―

 

 ― そ、そう……ただのアップルジュースなんだけどね ―

 

 ― ただの、なんて……そんなことないよ? ―

 

 ― ……? ―

 

 ― だって、2人目の山城さんの“みんなが美味しいって言ってくれますように”っていう気持ちが沢山入ってるもん♪だからかな? 心がスッゴくぽかぽかするんだよ♪ ―

 

 

 

 「山城?」

 

 川内に声をかけられ、ハッと意識が回想から現在へと呼び戻される。今更こんなことを思い出すなんてね……そういえば、あの文月だけは、私と良く話していた気がする。あの子といい暁といい、私は駆逐艦の子と妙な縁でもあるのかしら……山城という戦艦の史実を考えれば、あながち間違いでもない気がする。

 

 「なに? 川内」

 

 「急にボーっとしちゃってどうしたの?」

 

 「ああ、ちょっと前の鎮守府のことを思い出しただけよ……苦痛なだけじゃなく、ほんの少しの嬉しかったことを、ね」

 

 チラリと、電と雷に視線を送る。彼女達は文月とよく似ている。そこに暁の言葉が重なって、あんなことを思い出してしまったんだと思う。あんなこと、というのは少し悪い表現ね。私にとっては数少ない嬉しかった出来事な訳だし。苦痛の日々に埋もれてしまう程に些細なことだったケド。

 

 まぁ、今後は嬉しいことや楽しいことなどの思い出は増えていくわよね。みんなに許してもらえて、氷狐君とは契りを交わして、この鎮守府で私は念願のただ1人の山城となることが出来たんだし。

 

 姉様に対する想いも薄れた今の私の心の大半を埋めているのは、氷狐君。それから……川内。暁も、かな。この3人がいれば、きっと私が想像するよりも楽しい未来が待っている。その未来が来ることが、待ち遠しくて仕方ない。

 

 「山城さん山城さん」

 

 「ん? 何? 電」

 

 でも、たまには……。

 

 

 

 「アップルジュース、美味しかったのです! また作ってください♪」

 

 ― ごちそうさまー♪ねぇ、また作ってくれる? ―

 

 

 

 「……ええ、もちろんよ」

 

 ― ……またいつか、ね ―

 

 過去を思い返すのも、いいかもしれないわね。電と重なる過去の思い出に笑みを浮かべることを自覚しながら、私はそんなことを考えていた。

 

 

 

 

 

 

 「いやはや、昨晩はオタノシミでしたねー」

 

 「「ぶふっ!」」

 

 その日の夜、私と山城は自室で青葉にそんなことを言われて思わず吹き出してしまった。まさか、聞かれていただけでなく見られていた? そんな私の最悪の考えを肯定するかのように、青葉は1枚の写真を見せてきた。そこに写っているのは……まあ、その……なんて言うか……氷狐とイタしている私と山城の姿があった訳で。

 

 「青葉、見ちゃいました。もうバッチリと。他には金剛さんと響ちゃんも見てましたね」

 

 「どうやって撮った? 音も光もなかったケド」

 

 「ちょっと改造すれば、ね。そんな怖い顔しないで下さいよー、別に悪用する訳じゃないんですから」

 

 「じゃあなんの為よ」

 

 「イヤですね、思い出作りに決まってるじゃないですかー」

 

 ニコニコと笑いながら、青葉はそう言ってのけた。思い出……ねえ。集合写真とかならまだ分かるケド、そんな写真をひらひらと見せられながら言われてもケンカを売られているようにしか感じない。脅し用の手札と言われた方がまだ理解出来る。まぁ仮にそうだったなら……青葉には“不幸な事故”が起きるかもしれないけどね。誤射とか流れ弾とか。

 

 「まあこの写真はほんの冗談。お2人のハジメテ記念に差し上げますよ……青葉は出歯亀はしますが、弱みを握るようなことはしません」

 

 「コレは弱みじゃないというのかしら……?」

 

 「後ろから撃たれたくはないですし。と言っても、タダじゃないです。お2人には、青葉の質問に答えてもらいますよ」

 

 「……仕方ないわね」

 

 青葉から写真を受け取った山城が、本当に仕方なさそうに溜め息を吐く。同じように私も青葉から写真を受け取る……うわ、改めて見るとかなり際どい……ギリギリ見えてないのが救いね……明日燃やして捨てよう。

 

 さて、青葉は私達に質問に答えてもらうと言った。つまり、わざわざこんな写真を撮って今出したのは今からする質問をする為、かな。こんな夜にするような質問……どんなことを聞かれるのやら。山城の動機を詳しく聞くのか、私が本部にいた時のことを聞かれるのか……さぁ、何を聞いてくる? そう私が身構えていると、青葉はようやく口を開いた。

 

 

 

 「……その……シてる時のことを詳しく……正直、かなり興味がありまして」

 

 

 

 私の思考時間を返せと言いたい。思春期かあんたは。

 

 「……ぷふっ……くくっ……」

 

 「わ、笑わないで下さい! 写真撮っといて何ですが、見てる側も恥ずかしかったんですよう! 興味はありますが、私はそこまで恥を捨てられませんし……せめて話くらいは……」

 

 「分かったわよ。ふふっ……それじゃあ、じっくりと生々しく教えてアゲる」

 

 あらら、山城も妙なスイッチが入っちゃったみたいだね。これは長くなりそうだ……って私も言うんだよねコレ。やれやれ、今日も寝るのは遅くなるかな。割と疲れてるから、出来ればもう寝ちゃいたいというのが本音……なんだけど。

 

 「実は氷狐君はね……これくらいで……」

 

 「うわー……うわーっ……」

 

 「……やれやれ」

 

 山城が楽しそうだし、付き合ってあげようかな。きっと彼女は、こういった猥談をすることもなければ、夜更かししてお喋りなんてこともしなかったんだろうし。話の内容はアレだけど……そんなことを気にしないくらいに、彼女には楽しんでもらわなくては。

 

 ほら、山城……気付いてる?

 

 

 

 あんたは今、本当に楽しそうに……笑って生きてるよ。

 

 

 

 

 

 

 「ところで山城。あんた媚薬なんてどこで手に入れたの?」

 

 「白夢大将の執務室」

 

 「……なんでそんなところにそんなものが?」

 

 「さあ?」

 

 『ない! アレがない! ここに置いたなら誰も触らないと思ったのに……あれがないと北上さんと……私の計画が……』

 

 『大井っち? 白夢大将の執務室でなにしてんの?』




相変わらず3ー2がクリア出来ない作者です……なぜ下に行かないorz

今回で川内回は終了となります。次回が誰になるかはまだ未定の為、また一週間近くのお時間を頂くことになると思います。雷か、翔鶴か、それとも最後の先生か、はたまた別の艦娘になるのか。

かなり先の話ですが、お気に入り登録者が500名を超えたら何か記念番外編か短編集、人気投票でもやってみたいと思います……幻想記ではやりませんでしたねぇ人気投票。やってたら誰が一位になってたんでしょうかね。

それでは、あなたからの感想、評価、批評、ptをお待ちしております(*゜∇゜)ノ
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