艦これ! 妖提督と艦娘の日々   作:d.c.2隊長

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長らくお待たせいたしました……時間かかった割に短いですが。

更新する度に感想を頂き、お気に入り登録が増えてきています。この場をお借りして、読者の皆様に感謝を。ご愛読、誠にありがとうございます。今後とも本作をご愛読のほど、宜しくお願いしますv(*^^*)

この話だけでなく、全話見直し、抜けていた空白や一部セリフを修正しました。


雷 4ー1

 【雷(いかずち/いかづち)】

 

 雷は日本海軍の駆逐艦であり、吹雪型(特型)の23番艦、特Ⅲ型(暁型)の3番艦である。“雷”の名を持つ艦船としては雷型駆逐艦“雷”に続き、2隻目となる。

 

 雷は1930年の3月7日にて起工、翌年の1931年の10月22日に浸水。更に翌年の1932年の8月15日にて竣工。以後12年に渡り戦いの日々を駆け抜け、1944年にその身を暗い海の底へと沈めた。史実では姉妹艦である電と共に沈没した敵艦の乗組員の生存者を救出しているという。

 

 艦娘としての雷は、幼い容姿でありながら溢れる包容力と母性を持つ。母は駆逐艦娘。提督に対する好意的な台詞が多いことから“ダメ男製造機”と呼ばれることがあるとかないとか。

 

 このお話は、雷を中心にほのぼのと、時に慌ただしく、時に司令官の為に頑張ったりする……そんなお話。

 

 

 

 

 

 

 「ふんふふーん♪」

 

 鼻歌を歌い、私はお味噌汁の入った鍋をかき混ぜる。今の時刻はマルロクニーロク……午前6時26分。私がやっているのは朝食作り。因みに私1人じゃなくて、川内さんも一緒に作っているわ。

 

 川内さん、山城さん、青葉さんがこの宿毛湾泊地に配属されてからしばらく経った。今では3人共名前に改が付き、山城さんも遠征を問題なくこなせるようになった。青葉さんは……たまに司令官の写真を撮ってはどこかに送っている。本人は気付いてないかもしれないケド、司令官のことにおいては私の目と耳をかいくぐることは不可能よ。最も長い時間司令官と一緒にいた金剛さんと川内さんにも太鼓判をもらうくらいだし。

 

 「あふ……おはよ~……」

 

 「いい匂いがします~♪」

 

 「……くぅ……」

 

 「翔鶴ー、起きてクダサーイ。というか歩きしながらスリープしてるなんて器用デスネ」

 

 そんなことを考えている内に、暁姉を先頭にぞろぞろとみんなが食堂に入ってきた。まぁ時間もいい感じだし……と思ったところで、響姉と青葉さん、司令官の姿がないことに気付いた。また響姉が司令官の部屋に潜り込んだか? と思ったケド、私が起きた時点ではちゃんと私達の部屋で寝ていた。暁姉と電が抜け駆けさせるとは考え難い……まさか、まだ寝てる? まさかね。

 

 「川内さん。私ちょっと司令官達を探してくるね。多分、部屋にいるだろうし」

 

 「うん、分かった。頼むね」

 

 「まっかせて!」

 

 お味噌汁をかき混ぜる為に使っていた踏み台から降り、着ていた割烹着を脱ぐ……なんで川内さんはエプロンなのに私は割烹着なんだろ。それはさておき、私は脱いだ割烹着を近くの椅子の背もたれに掛け、司令官の部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 食堂から司令官の部屋までの距離はそんなに遠くない為、すぐに部屋の前には着いた。ここまでの道中、響姉と青葉さんの姿はない。司令官の姿もない。青葉さんはともかく、響姉はやっぱり司令官と一緒にいるのかしら? 前に川内さんと山城さんが……その……あう……こほん。その時から金剛さんと張り合うように司令官に猛アピールしてたし。あんまり効果はなかったみたいだけど。

 

 時に手を繋ぎ、時に司令官の布団に潜り込み、旗艦になれば妖力を送る為にキスしてもらって……私もしてもらったケド。旗艦になったことがないのは山城さんと青葉さんだけね。近い内になるかもしれないケド……って今はそんなことは関係ない。

 

 「司令官起きてるー?」

 

 ガチャリと扉を開け、部屋の中に入る。そこで私が見たのは……。

 

 

 

 「え?」

 

 「あ」

 

 「あら」

 

 「うー?」

 

 

 

 青い髪、青い毛並みの獣の耳とまるで司令官を小さくしたような男の子。その男の子を着替えさせているのか、それとも脱がせているのか、バンザイをしている半裸の男の子の手に掛かっている服を持っている響姉。そして、なぜかその手にデジカメを持っている青葉さんの姿だった。

 

 互いに互いを見つめ合うこと数十秒。私は冷静に通信機を取り出し……耳に当てた。

 

 

 

 「あ、もしもし憲兵さん? ここに誘拐犯が」

 

 「待ってくれ雷!! そうなる気持ちは分かるケド、お願いだから待ってくれ!!」

 

 「それ電話じゃないですよ雷ちゃん!! 携帯なら青葉のを……」

 

 「電話を渡すんじゃなくて止めてよ青葉さん!!」

 

 

 

 落ち着いて響姉から話を聞いたところ、司令官を起こそうと部屋に入ったものの司令官の姿はなく、変わりにこの男の子が司令官の布団で寝ていたんだとか。その容姿から察するに、この子は司令官の親戚か何かかしら? よく似ているし。

 

 それはそれとして。

 

 「なんでさっきみたいな状態になったのよ」

 

 「いやあ……こう、なんていうか……」

 

 しどろもどろに話す響姉の話を詳しく話すと……この子が起きるまで観察していて、起きたらこの子は響姉と青葉さんに気付いていなかったのか普通に着替え始め、でも寝ぼけているのかなかなか着替えられなかった為響姉が手伝い、青葉さんはその様子が面白かったのでデジカメで撮っていたと……手伝いなさいよ青葉さん。

 

 溜め息を1つ吐き、私は改めて司令官によく似た男の子を見る。服は司令官の私服の上のみ。サイズに差があるからそれだけで充分だった。因みにリンゴのイラストが描かれたTシャツ……着流しとか提督服しか持っていなかった司令官に私達が話し合って選んでプレゼントしたもの。

 

 「うーん……実は司令官だったりして」

 

 「は? この子が?」

 

 「だって、聞いた状況から考えるにそれくらいしか思いつかないもん」

 

 「ですが、流石に……妖怪とは言え、小さくなったりするものですか?」

 

 「じゃあ聞いてみましょ」

 

 は? と間の抜けた声を出す2人を無視し、座りながら私達をジッと見ていた男の子の前にしゃがむ。良く司令官が私達駆逐艦と真剣な話をする時にしてくれた目線を合わせる、というものだ。目は口ほどにものを言うということわざもあるし、相手の目を見て話すというのはお互いの意志を伝えやすくする意味もある。

 

 「あなたは司令官?」

 

 「うー?」

 

 「んーと……あなたの名前は、八意 氷狐?」

 

 「うー♪」

 

 「……氷狐、司令官?」

 

 「あーうー♪」

 

 最初の質問には首を傾げたケド、後の質問には頷いてくれた。司令官の口癖でもある“あーうー”も聞けた。何を言ってるのかはさっぱり分からないケド、多分、この子は司令官で間違いない。問題は、どうして小さくなってしまったかということだけど……。

 

 「え、本当に司令官? ということは響は司令官を脱ぎ脱ぎさせたりしてたということに……小さい司令官……それなら響とも見た目的に釣り合う……よし!」

 

 「不思議ですねー。是非とも小さくなった理由を詳しく知って記事にしたいところです。紫大将に写真を高値で売るのも……」

 

 「あんた達は何を言っているのかしら?」

 

 響姉は今に始まったことじゃないケド、青葉さん……司令官の写真を高値で売るって肖像権とか大丈夫なのかしら。というか私が買うわ。お給料は使う機会がないから貯まってるし……ってそうじゃない。

 

 司令官が小さくなった。ということは、この鎮守府の運営に問題が出るかもしれない。書類仕事も滞るだろうし、そもそもこのちっちゃい司令官が司令官として動けるのかも怪しい。だって仕草とかまんま子供だし、あーうーしか喋ってないし……まぁとりあえず、食堂でご飯を食べながら、みんなで話し合うことにしましょうか。

 

 

 

 

 

 

 「あ、もうそんな時期か。大丈夫よ、しばらくすれば元に戻るから」

 

 食堂でご飯を食べながら司令官のことを話すと、川内さんはそう言ってくれた。どういうことかと聞いてみたら、川内さんは次のようなことを話してくれた。

 

 司令官は狐の妖怪であり、その体には妖力が存在する。普段はその妖力を使って大人の身体になったり、出撃中の私達を精神だけで見守ってくれたりしてるワケだけど、半年に1回くらいの周期でその妖力が極端になくなる日があるらしい。その結果として大人の姿を保てず、少年の姿まで小さくなることで最低限のコミュニケーションを取る術を持ちつつ、可能な限り妖力の消費を抑えているんだとか。

 

 「まあ、私も山田総司令から聞いたんだけどね。小さくなった氷狐を見た時は大変だったよ」

 

 「大変? なんで?」

 

 「なんでってそれは……」

 

 

 

 「小さい提督! ベリーキュートで私のバーニングラブが更にヒートアップしてマース!!」

 

 「い、電、暁にも抱っこさせて!」

 

 「もう少し……司令官さん、可愛いのです~♪」

 

 「青葉さん。さっきの写真、これで買うよ」

 

 「おお、響ちゃんなかなか太っ腹ですねー」

 

 「あ~う~あ~」

 

 

 

 「……前にも金剛ともう1人の先生役、白夢大将、紫大将があんな感じになってね……」

 

 「ああ……」

 

 川内さんと私の見る先にある、司令官を中心にした仲間達の妙な空間。電が司令官を膝の上に乗せて抱き締め、金剛さんは司令官の頭を撫でまくり、暁姉が羨ましそうに電を見る。その隣では響姉が5本の指を立てながら青葉さんに交渉してる。前にもこんなことがあったんだ……川内さん大変だったでしょうに。

 

 因みに、その空間を収めたのは山田総司令なんだって。私、まだ白夢大将にも紫大将にも山田総司令にも会ったことないんだけど……どんな人達なのかしら。

 

 「ところで、その時の司令官の勉強とかはどうしたの?」

 

 「元の姿に戻るまでお休み。あの姿になると知能や行動は見た目相応になるみたいだし、あーうーしか喋らないから意志疎通が難しくてね。大人しいから世話を焼かされることはなかったケド」

 

 「じゃあ鎮守府の運営は……」

 

 「元に戻るまでストップ……なんてことは出来ないから、誰か代理を立てるしかないね。と言ってもこの鎮守府は氷狐がいる分特殊だから、代理が出来るのは限られてるけどね。私達の中から立てるしかないかな」

 

 川内さんの話を聞きながら、司令官に目を向ける。いつの間にか暁姉が抱っこして膝の上に乗せてた……私も膝の上に乗せてなでなでしたい。膝枕とかもしてあげたいし、耳掃除なんかもいいわね。なんならお風呂で背中を流してあげたりなんかしたりして……落ち着くのよ雷、まだ慌てるような時間じゃないわ。

 

 ひとまず、川内さんが言うように誰か代理を立てて……その前に2人の大将と山田総司令に指示を仰いだ方がいいんじゃないかしら。きっと的確な指示をくれるハズだし。

 

 「ねぇ川内さん。大将や総司令に指示を仰いだりは出来ないの?」

 

 「うーん、大将はともかく、山田総司令ならちゃんと指示をくれるかもね。OK、私が聞いておくよ。金剛は今はあんなんだし」

 

 呆れの感情がいっぱい混ざった川内さんの視線の先を追うと、そこには目をキラキラと輝かせて司令官の頭を撫で続ける金剛さんの姿。もう司令官以外は目に入らないと言わんばかりね。私もかいぐりかいぐり撫でたいのに……と言うか、こういう話し合いって普通金剛さんと川内さんでやるんじゃないの? 経験者なんだし。

 

 そういえば、山城さんと翔鶴さんはどこに行ったのかしら。さっきから姿が……と思ったら司令官達の更に向こうに座って司令官達を眺めてた。あの山城さんの慟哭の日以来、山城さんはまるで翔鶴さんみたいな落ち着きを得た。遠くから見守るお姉さんのような、お母さんのような、そんな落ち着きを。但し、息子か弟を溺愛していると頭につくけどね。

 

 そんなことを考えていると、不意に翔鶴さんが立ち上がり……暁の膝の上にいた司令官を抱き上げた。

 

 「あ、翔鶴さん」

 

 「あんまりベタベタしたらダメよ? 提督が困ってるじゃない」

 

 「あ~う~……」

 

 「「「うっ……ごめんなさい(なのです)」」」

 

 翔鶴さんに抱き上げられた司令官はぐるぐると目を回していた……あれだけ猫可愛がりされてたらそれも当然かもね。私も膝の上に乗せたり抱き締めたり頭なでなでしたりしたかったケド……ガマンよ雷。まだ朝、1日は長いの。チャンスはいくらでもあるわ……あ、でもでも司令官が疲れたりするのはイヤだから加減はしないとね。何事もほどほどが1番……司令官に対することと救助は全力だけど。

 

 「しょーかく。あーうー」

 

 「はい、どういたしまして♪提督、お仕事はどうします?」

 

 「うーうー。いかずち、あーうーあー。あーうー」

 

 「わかりました。元々しばらくは雷ちゃんが秘書艦でしたし、そのようにします」

 

 「うー♪」

 

 「どういたしまして♪」

 

 【待って! 今のなに!? なんで会話が成立してるの!?】

 

 思わず翔鶴さんと司令官以外の全員が同時にツッコんだ。自慢には全くならないことだけど、私には司令官が私の名前を呼んだこと以外は何1つ分からなかった。それは翔鶴さん以外も、反応を見る限りは同じだということが分かる……私だけじゃなくて良かった。

 

 因みに、司令官が言ったことは……私を秘書艦とし、手伝ってもらいながら仕事は頑張る。他のみんなはいつも通り遠征、終わったら自由時間。川内さんはさっき、司令官が小さくなったら知能も行動も見た目相応になるって言ってたケド……そうとは思えないこと言ってるのね。

 

 翔鶴さんが言うとおり、元々1週間は私が秘書艦になる予定だった。一応暫定的な秘書艦は電なんだけど、色んなことを学んで司令官の役にたちたいという電本人の希望で電は秘書艦を離れ、遠征出撃炊事掃除洗濯その他諸々を学んでいる最中。なので、電が勉強中は私達が秘書艦をかわりばんこにやっているのだ。なぜか青葉さんだけは秘書艦をやったことがない。なぜかは知らない……川内さんと山城さんが止めているという噂を聞いたような気もするけどね。

 

 それはともかく、秘書艦であるからには司令官を全力でサポートしないといけない。元々そのつもりだけど、小さくなった司令官を見てるといつもよりやる気が出る。多分、見た目が子供だから加護欲が出るのね。きっと今の司令官では出来なくなったこととかもあるハズ。そういう時に何とかするのは私。普段よりも力になれるかも知れない。普段よりも頼ってくれるかも知れない。そう考えると、なんだか嬉しくなった。

 

 「いかずち、あーうー」

 

 「雷ちゃん。提督がそろそろ執務室に行くそうよ」

 

 「はーい!」

 

 「あーうーあー」

 

 「それから……しばらく頼らせてもらうから、ですって」

 

 まるで私の心を読んだかのような司令官の言葉。通訳してくれる翔鶴さんには後でお礼をしないと。そんなことを考えながら、自分でも分かるくらいニコニコしていた私は、ドンっと自分の胸を叩いた。

 

 

 

 「雷、司令官の為に頑張っちゃうね!」

 

 

 

 これが、私達と小さな司令官の最初の日々……その始まり。

 

 

 

 

 

 

 「ところで川内さん」

 

 「なに? 雷」

 

 「司令官のこと呼び捨てになってるわよね? あの日から。なんで? 山城さんも様から君になってるし」

 

 「「それはね……」」

 

 【それは……?】

 

 「「……ナイショ♪」」




というワケで、氷狐がちっちゃくなったというお話でした。これが氷狐の真の姿だ(違

イベント開始しましたねぇ艦これ。E1は無事クリアしましたが、バケツが40切ったのでしばらくイベントはお休みです。

それから、ようやく3ー2をクリアしました!長かった……全っ然ボスにたどり着きませんし道中大破するし……ダメコン積んで行ったところ、暁が大破したもののボス戦で沈むこともなく勝利。あっさり勝てました。4ー4もクリアしましたし、後は3ー4をクリアすることですね。

それでは、あなたからの感想、評価、批評、ptをお待ちしております(*゜∇゜)ノ
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